雨夜の月を愛しむ夜に 4
つくしちゃん怒って出て行っちゃいましたけど・・・
司から謝るってことになるのかな?
いつの間にか仲直りのパターンよりF4かT3が登場してくれた方がおもしろいだろうなとつい考えちゃってます。
バタンと勢いよく閉まったドアがもう一度開く。
ずかずかと部屋の中に引き返してきた牧野。
まだ頭から湯気を立ち上らせたまま。
そこまで不機嫌になる事か?
俺に逆らうってことがどういうことか教えてやろうか。
俺には視線を合わせないまま素通りしてテーブルの上に置いたままのカバンを牧野が掴む。
「カバン、忘れたの取りに来ただけだから」
不機嫌な表情の中に見えた俺を気にする態度。
黙って見つめてる俺の視線に耐えられなくなって牧野は一歩引いた気がした。
身体を伸ばして牧野の手首を俺の腕が掴んだ。
「なによ」
ぷくっと膨れた頬は指先で突っつけば弾けそうだ。
「後悔してんじゃねぇのか?」
「誰が、後悔するのは道明寺の方だと思うけど」
「俺が何を後悔するんだ?」
「だって、買い物に行くだけっだって言ってるのに」
「ここまで問題を絡めて大きくしてるの道明寺でしょ、意味が分かんないよ」
放せと抗う牧野の手首を離さない様にグッと力を入れて引き寄せた。
バランスを崩したままの牧野は俺の膝の上に座り込む形になった。
牧野の胸元で交差させる腕。
力の入る華奢な身体は逃げだそうとする無駄な抵抗を繰り返す。
「疲れるだけだぞ」
耳元に息を吹き込むようにつぶやいた。
「ちょっと」
首を横に勢いよく回した拍子に牧野の唇が俺の頬をかすめる。
あと3センチずれてくれたら唇が触れあったはずだ。
一瞬止った時間。
その針が動き出す前に首を逸らそうとした牧野の動きを顎のラインに指を添えて止めた。
「あのな、あいつらと遊ぶ時間があったら俺と過ごす時間に調整しようとかしてろよ」
「スケジュールの調整が必要なのは私より道明寺の方じゃないの。私は道明寺の都合に必死に合せてるのに」
たとへ5分でも10分でも時間が書けば、一目でも会いたいって思う想い。
俺だけじゃないだろう。
「不満か?」
俺が何時でも会いたいって思う相手は世界中探してもお前以外いないんだ。
分れよ。
「そんな・・・見ないでくれるかな?」
唇が触れあいそうな距離で肌の熱の熱さを感じる。
「なに、赤くなってんだ」
「近すぎ」
牧野の手のひらが俺の顎を無理やりに押しやる。
「テッ」
舌を噛みそうになった俺の口元から笑みが漏れる。
力が抜けた瞬間に俺の膝の上から滑り落ちるように牧野が逃れた。
「逃げんなよ」
肩を上下に揺らして息を乱してる牧野。
どのくらい力を入れて抵抗してたのか。
必死に俺に抵抗するとかありか?
自然に俺に身体を預けてたのは数時間前の出来事だぞ。
そのギャップがおかしくてしょうがない。
「あいつらと、出かける時は俺も行くから勝手に出かけるなよな」
「だって・・・女子だけで行こうって・・・」
「お前を連れ出すなら俺も一緒だってあいつらにも分からせてやるよ」
瞳がこれ以上大きく出来ないいくらいに広がって食い入る様に俺をみつめてる。
呆れた様な顔すんな。
「あのね、私がいつもF4で集まるときについて来たら迷惑になるでしょう」
「かまわないんじゃねの。現に最近はいつもお前を連れてってるだろうが」
「ついでのあいつらにも声をかけるか」
取りだした携帯のボタンを押そうとした俺を阻むようにつくしが自ら俺の腕に飛びついた。
「なにするんだ!!」
携帯を牧野に取らせたのはわざと、大事なものを胸の中に抱え込むのは餌をもらったリス。
「これ以上大げさにしないで!」
「別に携帯が無くてもあいつらに連絡はとれる」
携帯と俺の顔を交互に見つめながら牧野が唇をかむのが見えた。
「ついて来ていいから」
「いいから?」
ジロリと上から牧野を睨見つける。
お前が俺を許可するっていい度胸だな。
「ついて来て・・・ください」
渋々な声に口元に微妙な力を入れながら笑みを作る牧野。
「お前がどうしてもって言うんなら断れねぇな」
ニンマリと腕組みする俺の前で牧野がガクッと肩を落とすのが見えた。
拍手コメント返礼
メガネちゃん様
今のところ司の勝なのかなぁ・・・
いや、まだわかりませんよね。(笑)
mizuta 様
お疲れ様です。
お金がどこからかわいてこないかって確かに思いますよね。
司君助けてくれないかな~
なる様
珍しく俺様全開な司君。
このままいくのでしょうか?
さわね様
>西田さん!ここは何とか阻止してください!!
つくしの気持代弁してますね。
司が来るのと来ないのはどっちがおもしろいっでしょうか?
財布の中身気にせずにお買いものしたいですね。
無理だろうなぁ。
cocchann様
ツンの後はデレが必要不可欠ですね。
何処で来るかなぁ~。