Get Along Together
掲示板でリクを募集した曲から作る物語第三弾お届けします。
欅様からのリクエスト
想えばただ傷つけ 泣かせた夜もあったね。
この歌い出しの詞ははまさに司だな。
そうなですよね。
何度司君つくしを泣かせちゃったんだろう。
司も泣きそうな切ない夜を送ってましたけどね。
誰よりも愛してる。
ここに一途がプラスされてるからグッとくるのでしょうか。
「泣くなよ」
「泣いてないもん」
そう答えた声は確かに自分でも分かる涙声。
差し出されたハンカチを断って、サイドテーブルに置いてあったテッシュの箱から一枚引っ張り出して鼻をかむ。
「俺の前で鼻を鳴らす女、初めて見た」
意地悪く上に吊り上った片唇は直ぐに思いもしなかった優しい微笑みを浮かべる。
「驚かして悪かった」
ソファーの横に少し乱暴気味に道明寺が腰を下ろした。
僅かに揺れたクッションの振動が私の身体を揺らす。
道明寺の重みを感じた瞬間にかすかなコロンの香を鼻先で嗅ぎ取った。
突然なんの予告もなく目の前に現れるんだもん。
とうとう会いたい気持が私に幻まで見せる様になったかと何度も目を擦っていた。
抱き締めて確かめたい衝動より、本当に幻だったら立ち直れないと思う心が身体を動かなくした。
「なんだ、うれしくないのか？」
横柄に私の反応をおもしろくないと責める表情が目の前にぬっと顔を出す。
「本当に・・・道明寺？」
「俺じゃなきゃ誰なんだ？」
頬にそっと触れた指先が温かく私を包み込む。
「電話の声が寂しそうだったから、帰ってきた」
耳元から聞こえる声は何時もの電話を通した低い声
同じはずなのに全然違うんだね。
胸の奥に染み入る声と肌に触れる息使い。
確かに触れ合える距離に・・・
私の隣りに・・・
道明寺が・・・いた。
そのまま道明寺に車に乗せられて連れてこられた一室。
「あんまり、一緒にいらねェんだけど」
「日帰りだぞ、ほとんどNYにとんぼ返りだ」
道明寺の声が優しくて・・・
会ったばかりなのにすぐそこにはまた別れなきゃならない現実。
切なくて・・・
自然と流れ落ちた涙のしずく。
自分でもなんで泣いちゃったのか説明できないよ。
「泣くなよ」って言ってる道明寺の声が、泣いても良いって言ってるみたいに聞こえる。
私の顔を胸の中に閉じ込めるように抱き寄せてきた道明寺の腕。
頭の後ろを包み込む指先がそっと髪を優しく撫でる。
「俺・・・お前を泣かせてばっかだな」
神妙に聞こえる声。
「泣かせるつもりで帰って来たわけじゃねえぞ」
何時もの横柄さは姿を隠して、何時もならここで泣いてないて反論する私も何もできずにいる。
道明寺の胸に吸い取られた涙。
顔をあげて、もう大丈夫だと思える保証はない。
でもこれ以上このままでいたらますます涙があふれてくる気がした。
明日はきっと目が腫れちゃいそうだよ。
胸元から離して顔を上げようとする私を待ちきれないと言う様に道明寺の手のひらが頬に触れる。
キラキラと光る瞳が真直ぐに私を捉えて注がれる視線。
「遠く離れてる距離がすげー悔しいって思う時がある」
「あと少し、辛抱な」
辛抱って・・・
道明寺には不似合いな言葉が逆に私の胸を締め付ける。
もしかして・・・
私より自分に言い聞かせてる？
「日本に帰って来たらずっと二人一緒だから」
ウンと頷く前に道明寺に力いっぱい抱きしめられた。
歌詞からだと司君サイドの物語なんですが・・・
今回はあえてつくしサイドで挑戦。
司君の熱い思いがつくしに伝わる物語になればいいなと思って書いてみました。
第三弾いかがだったでしょうか？
またリクが有りましたら掲示板の方で書き込みお願いします。
拍手コメント返礼
プンちゃんのママ様
暑中お見舞い申し上げます。
しかし毎日暑いですね。
抱き締めれた時点でついていく！って気持ちになりそうですよね。
離れられるかなぁ～
Gods & Death 様
辛いですが幸せが有りますもんね。
司は前科があるからつくしちゃんを不安にさせないようにしっかりやってもらいたいものです。
（レイニーブルーがねぇ・・・）
mizuta 様
もう何も言うことはないって・・・
何か言ってください～～～～～（笑）
頭の中での映像化はバッチリなんですけどね。
絵梨 様
私も司サイドでお話を考えてました。
でもこのシリーズ司が続くなと思ってあえて挑戦してみました。
出来上がったなんだか司の優しさが前面に出てきちゃってたんですよね。
成功と言っていいのかな？
司じゃなきゃ直ぐに帰れないですよね。
ホントお金持ちで良かったよ。
このシリーズまだまだ続きますのでお付き合いをお願いします。
夏休みで終るかな・・・(^_^;)
おくら 様
お疲れ様です。
今日はどれほどお付き合いしていただいてるのか。
大丈夫ですか？
このカテゴリーのお話は一話完結のお話になってますのでお好みの物から摘まんでもらっても大丈夫ですよ。
「一緒に来い」
言わせたいシーンですよね。
