4月の雨

掲示板でリクを募集した曲から作る物語第8弾お届けします。

たらちゃん様からのリクエス『4月の雨』

ドラマでは大塚愛プラネタリウム

宇多田ヒカルFlavor Of Life -Ballad Version-』

そしてファイナルでは aiko『KissHug』

どれも良かったですよね。

『4月の雨』もどちらかと言えば別れた後の曲なんですよね。

なぜか別れがテーマの曲のリクエストが多いなぁ。(^_^;)

これをどうやってつかつくに持っていくかが悩みどころです。

まあ、悲しい別れを幾度となく経験してる二人だからお話は作れるんですけどね。

とに・・・っ。

なにが「俺様に手紙を書け」だ!

「俺はお前に手紙渡したことあるけど俺はお前に手紙をもらったことがないからな」

いきなり何を思いついたいのかホントめんどくさいやつ。

命令されて書けるものじゃないつーの。

一緒に見た映画、戦争で引き裂かれた恋人。

月日が流れおばあさんが亡くなって、屋根裏部屋で見付けた手紙の束。

それは戦場から送られてきた手紙の束。

この手紙が縁を結ぶのが二人の孫。

フランスの片田舎の田園風景がいかにも恋愛映画って感じだった。

道明寺はいつの間にか横で寝てたけどね。

なんで手紙のとこだけ覚えてる?

他にも感動するとこたくさんあったでしょう!

「想いが何時までも残るっていいな」

そうつぶやいて私を熱く見つめる瞳。

その後、高圧的な態度で「書け!」だもんな。

それにしたがって机の上の便箋に向ってる私も素直だよ。

「分ったわよ」

ブスッとした私の返事に子どもみたいに無邪気に笑うんだもの。

しかたないか。

でもね・・・

道明寺が私にくれた最初で最後の手紙は別れの手紙だから。

NYに行く道明寺を追う車の中で読んだ手紙。

あれから何年も経ってるのに忘れられない手紙。

会えなくて淋しい時。

道明寺からの電話の後、会いたくて仕方がなくて・・・

何度も何度手紙をとりだして読み返したんだ。

今でもしっかり手紙の内容は覚えてる。

連絡がとれなくて・・・

声が聞けなくなって・・・

それでもこの手紙を読むと道明寺のことが信じられて強くなれた。

空港での別れ際。

「俺はさらにすげー男になって、戻ってくる。 お前が頼んでも、一緒にいてやれないぐらい、  パワーアップしてると思う。

 でも、今も、これからも、これから先ずっと、 お前だけが、俺の認めた女だと思うから、 牧野とは一緒にいてやる。」

道明寺が頑張る以上に私も頑張って道明寺に似あう女になるって誓った。

一回りも、二回りも大きくなって帰ってくる道明寺を待つつもりでいたのに・・・

それなのに書いた手紙の事なんて、一緒にいてやるって言ったセリフもすっかり忘れた冷たさで私を突き離したの覚えてる?

あの時の悲しみを笑って思い出せる幸せ。

迷っていたあの頃の私たちに伝えたいね。

牧野へ

って文字が汚くて、それが道明寺っぽくて・・・

 元気か?俺はまぁまぁ元気だ。

数時間前に会ってる私に聞くことじゃないでしょうと思いながらうれしかった。

私と出会った時からの道明寺の思いがつづられた手紙。

牧野を最初は、なんだこの生いきな ちんちくりんと思ったが、いつの間にか お前を好きになってた。

赤札貼ってひどいことしたりしたのに エレベーターで風邪の俺に優しくしてくれたとき、 お前は優しいやつだと思った。

 三条桜子の仲間にボコられた時は、 あんなに殴られたのは初めてだったけど、 人は、俺に殴られた時、こんなにも痛いのかと 牧野のおかげで勉強になった。

 類が帰ってきたときは、お前は類が好きだから、 類と付き合うのかと思ったけど、 俺はお前を信じてた。

お世辞にもうまいと言える文章じゃなかったけど、道明寺の私への思いがあふれていて、これ以上の心を打つ手紙は私には書けないって思う。

 お前もがんばれ!

 俺もがんばる。

 じゃあ、またな。

 道明寺司より

じゃまたなって言ってたのにずいぶんほっとかれたよね。

道明寺へ。

何時も私のことを思ってくれて・・・

考えてくれてありがとう。

道明寺の優しさに、道明寺を好きだって思う自分の気持に気がつくのも遅くて・・・

どれだけ道明寺に甘えちゃってるか本当は分ってるから。

愛してると書こうとしたペン先が愛の一画目を書いたところで固まった。

うっ・・・

ヤッパリダメだ。

今さら照れくさくて書けやしないよ。

机の上にうつ伏した顔からは火が出そうだ。

「書けたか?」

突然頭を飛び越して伸びてきた腕が書きかけの便箋に伸びてくる。

「ちょっと、そんなにすぐ書けるもんじゃないから」

撮られない様にするにはタイミングが遅すぎて、道明寺の視線が書かれた文字を追ってしまってる。

「なんだ、数行しか書いてねぇじゃん。鈍過ぎだろう」

「返して」

読み終わった後に取り返してもどうしようもない。

もうこれ以上書ける気がしなくなった。

「まあ、お前が俺のことどうしようもないくらいに愛してるって事は分ったからいいけどな」

「何処にも愛なんて文字書いてないから」

「強がるなよ」

「強がってなんてないから」

「それじゃ、お前は俺の事嫌いなのかよ」

「誰もそんなこといってなっ・・・」

ツンとした視線はそのまま私を見下ろして、鼻先が触れあう距離に降りてくる。

「実際手紙なんて必要ないくらい俺達は想いあってるのは間違いないから」

「言葉も必要ないだろう?」

腰に回された両腕が私をグッと道明寺に近づける。

「だったら、手紙を書かせないでよ」

責めてるのか・・・

甘えてるのか・・・

胸の奥から喉を鳴らす息が零れる。

道明寺の顔の角度がわずかに傾いてゆっくりと瞼を閉じるのが見えた。

拍手コメント返礼

なる 様

大丈夫だから

そう教えたくなる場面たくさんありましたからね。

それを信じていたのって類なのかな。

mizuta 様

洗濯機八回って干すのも大変そうな・・・

お疲れ様でした。

疲れをいやす甘さがうちの二次にあるとは嬉しいですね。

どんどん甘いの書いちゃおう♪

ってわけにはいかないんだよな・・・。

バタバタしちゃってるお話が多いですからね。

秋にはきっと甘~い蕩けそうなお話を書きたいなぁ。