千葉君の憂鬱な一日 3

別館に9月12日UPした千葉君の憂鬱な一日 7になります。

続きからが新しい更新分になります。

ゆきこ様の某所の妄想トークから作成してみました。

「ねぇ・・・恥ずかしって」

開いたドアから出てきた二人。

思ったより早かった。

要した時間は10分とかかってない。

ということは俺達がいて気まずい空気は流れないってこと・・・

振り向いて思考が止った。

なんでセーラー服?

そりゃ、まあ・・・確かにまだ高校生に見える彼女。

じつは成人だと知ってる俺は、どういう態度をとったらいいのか・・・

相葉先輩の対応が気になった。

つーか、この人ぜんぜん動じてない。

代表らが進む道を開くように足を一歩横にずらしてみせた。

「千葉 なにも悩むな」

俺の横に来た相葉先輩は小さくそうつぶやく。

悩むなって・・・

確かに俺がセーラー服を悩んでも答えが出てくるわけない。

彼女が高校生って設定、興味があるのは男なら多少は分る。

でも、代表たち高校時代から付きあってたんじゃなかったけ・・・

過去に戻りたい?

いや~

今の方が絶対楽しいでしょ。

「相葉、俺の車をここに持ってこい」

銀色に輝くキーが弧を描いて相葉先輩の手の中に落ちる。

「護衛は千葉一人でも十分だろう。

それまで、そうだな・・・」

代表が何かを探す様にあたりを見渡す。

「そこにするか」

視線の先には全国チェーン展開中のアイスクリーム屋。

中には若い女性の客が多く見える。

あそこに代表が行ったら・・・

騒ぎになるぞ。

ダメです。

俺が代表に言えるわけない。

その前に俺が代表の眼中にない気がする。

つくし様を引っ張ってアイスクリーム屋を目指す代表。

メイド喫茶よりはましかと諦めた。

出来たら俺が車を持ってきたかった。

なぜか、損な役回りはいつも俺。

代表等の後ろの席に座りメニューを眺めるふり。

店に入った瞬間から集まる視線。

きゃーとか、わーとか、誰だか分ってる反応。

気にしてないのは代表だけ。

代表は騒がれるのに慣れ過ぎ。

BGMくらいにしか感じてないからな。

その横にいるつくし様のほうがドギマギしてる。

注文して受け取ったアイスをもって帰ってきた二人。

「はい、千葉さん」

「これでいいかな?」

目の前にはオレンジシャーベットの入ったカップ。

にこっと微笑むつくし様は高校生にしか見えない幼さを残す。

俺のこと気にしてくれる優しさが好きです。

って、代表の好きとは違いますから!

俺の前に腰かけようとしたつくし様の身体が浮いた。

「お前、どこに座るつもりだ。

なんで千葉と3人でたべなきゃならない。

アイスがまずくなる」

隣の席に代表と向かって座らせられるつくし様。

目の前にはセーラーの背中が・・・

その向こうから睨み付ける強烈な視線。

あわてて視線をテーブルに下げた。

俺・・・代表に睨まれるのこれで何度目だ?

「あのさ・・・なんで制服着てアイスなの?」

「学生の時、庶民デート体験させるって言ってたろ?」

「だからって、今さら私に制服を強要しないでよね」

全て聞こえてくる会話。

耳栓・・・ないしなぁ・・・

「似合う」

甘ったるく聞こえた声につくし様の声が止った。

まわりの女の子が赤く顔を染める現象を引き起こしてる。

俺達の間を通って席に着いた女子高生は友達の手を取り合って喜んでる。

似合うって言われたのつくし様に向けてだよな?

「俺さ、お前を困らせるの好きなんだよな」

「え?」

「怒った顔も、俺に食って掛かる声も、拗ねる態度も、照れてる表情も・・・

それでも一番側で見ていたいのはお前の笑った顔だから」

それって・・・全部ってことですよね。

目の前のアイスがジュワッといっきに溶け出しそうだ。

こんな照れくさいこと一気に言えるって男として尊敬。

代表、どんな顔してるのか。

勇気をもって首を上げる。

男の俺がドキッとするほどの優しい眼差しがそこにはある。

本気で彼女を愛してるんだと分かる表情。

全身から溢れてる気がする。

俺が赤くなってどうする。

「来たみたいだな」

店の外に横付けされた赤いスポーツカー。

「行くぞ」

代表の声に素直について行く彼女。

その二人に付いて行く俺って・・・

ホント邪魔だよな。

「お前ら、もういらねぇ。付いてくるなよな」

車に乗り込む代表の声。

そして見送る俺達。

警護いらないんだったらアイスクリーム食べる前に解放してほしかったよな。

これなに?

俺の返事を待つまでもなく俺の横で牧野がスイッチを押す。

それは車の天井を自動で開いてオープンカーになる仕組み。

「すごッ!」

身体を少し椅子から浮かして上半身を必死に伸ばす。

その反動で弄んでいた指先が触れていた牧野のリボンから外れた。

シートベルトしたままどこまで逃げられると思ってるのか。

走行先から吹いてくる風にそよぐ髪。

「危ないぞ」

「大丈夫、気持ちいいよ」

目の前に来る髪を避けるように牧野の指が耳に掛ける。

俺に触られるのが照れくさいだけだって分る耳たぶの熟れ具合。

外でこいつに俺が近づくと過剰な反応見せるときがある。

それがすごく可笑しくて、かわいくてしょうがない。

組み敷いた俺の下でキスをせがむように見せる甘い表情。

大人の媚を見せる時以上にいじめたくなる。

やっぱ俺は、牧野をいじめたくてしょうがないらしい。

制服姿の牧野は知り合った頃の牧野で・・・

過去に戻ったようなへンな気分にさせる。

あの頃の俺たちはキスどまりで、経験がなくて知らない事ばかりで・・・

それでもこいつに夢中で・・・

制服姿の牧野はめっちゃ可愛いくて、

離したくないつーか、

いつもそばに置いておいて眺めていたいつーか・・・

このままこいつ、小ちゃくなんねぇかなぁ

そしたら、ずっと俺様のスーツの胸ポケットに入れとくのに。

執務室では肩に乗せたりしてさ。

で、時々こいつが俺の耳元でささやくんだ。

『司、大好き♥️愛してる』って

はー、どうにも堪らん

メディカルチーム組んで、小ちゃく出来る薬作らそうか。

勿論、俺がこいつにキスしたら、元のサイズに戻るんだぜ。

すげ〜良いアイデアだと思うんだけど。

こんなこと俺が考えてるって知ったら、こいつ何て言うかな。

目ん玉大きく見開いて「何考えてんの!」文句の一つ、二つ、三つ、四つは飛んでくるかな?

「ねぇ、どうかした?」

「お前をどうすれば俺の命令通りにずっと俺の側に置いとけるかなって考えてた」

「今も言いなりになってると思うけど」

ストンと浮いていた御尻を後部席に落として落ち着きを見せる横顔。

まだあたふたしてるお前が見たい気分。

「言いなりって思ってるのか?」

「制服も着たし、車にも言われた通り大人しく乗ってるじゃない」

「そうか・・・本当に俺の言いなりなんだな?」

「なによ?」

少しキョドッタ表情が横目で見えた。

「キス」

「へ?」

「キスしろよ」

「ここで?ムリッ」

素っ頓狂な声。

「ほっぺにチュッでいいから?」

「誰が見てるかわかんないよ」

「俺は見せびらかしたい気分なんだよ」

「だから、ヤダって」

「いまさらグダグダ言うな。

言いなりなんだろう。証明」

右の人差し指でチョンチョンと突っついて催促。

牧野がギュッと唇を噛むのが見えた。

悩んでるのがすげー面白い。

赤信号で止まった車。

その瞬間ほんの一瞬感じた柔らかい唇の感触。

そのまま俯いて俺を見ようともしねぇ。

めちゃかわいいじゃねぇか。

たぶん制服が何時もの牧野の十倍増し。

右腕に伸ばした腕を引き寄せて上向いた唇に押しつける唇。

「やっぱり、頬だけじゃ満足できねェみたいだ」

呼吸をするのも忘れて真っ赤になってる牧野が目の前にいた。

拍手コメント返礼

ゆきこ 様

早く書かないと妄想列車に乗り遅れそうで~早速書いちゃいました。

葉っぱコンビでこれほどの盛り上がりを見せると本編はどうなるのかしら?

ドキドキ(^_^;)

オープンカーにしちゃったら目立ちますよね。

でもそうしたのつくしちゃんだしなぁ~。

司の思惑だったりして・・・(^_^;)

メガネちゃん様

いや~あそこでヒートアップしちゃってますからね。

これはやばいと思いつつもしもの時のためにと本館にレベルUPさせちゃいました。

え?覚悟?

まだ足らないかも・・・(^_^;)