恋人はSecurity Police 9

この話の落下地点はどこに?

それはもちろんつくしちゃんと司が恋人同士にならなくっちゃね。

いばらの道に見えるのは私だけじゃないはずです。(笑)

もうこれ以上は食べれない。

今日は豪華食材を食べ過ぎてきっとお腹が驚いてる。

ぽこっと飛び出た下腹は私の食欲を見せつけている。

好きな人の前じゃここまで食べれない気がした。

胃袋が落ちついて当たりに目を配る余裕が出来た。

え?

あの・・・・?

ゆっくりと近付いて覗き込んだ。

白いテーブルクロスを染める赤い色。

血・・・っ?

えーーーっ。

大丈夫ですか?

どうしようーーーーっ。

何で怪我してるの!

ここは落ち着け。

深呼吸。

まずは意識があるか確認しなきゃ。

そして傷はどこにあるかだよね?

確かめなきゃと目を凝らす私の横で頭が左から右に向きを変える。

ヒィーッ。

「類・・・てめっ・・・何時まで・・・」

頭を動かした拍子に絞り出した声。

そのそばに倒れたワイングラス。

あっ・・・

ワインかぁ。

飲み過ぎて寝ちゃたんだ。

人騒がせな飲み方しないでよ。

でも、類さんのこと夢に見るくらい好きなんだなぁ。

その寝顔はあどけなくて可愛く思える。

起きてるときはムカつくくらいに横柄で威張ってるけどね。

ちょっと!今寝られたら困る!

私はどこで寝るの!

寝るとこ聞いてない。

あわてて廊下に出た私の前にはホテル並みのドア数が左右に並ぶ。

どこに寝るのよーーーッ。

「起きて!ねぇ!道明寺っーーー」

雇い主への礼儀も言葉づかいもこの際無視。

道明寺の襟首を掴んで身体を持ち上げて揺らすこと数度。

「おっ、類・・・お前なんか縮んでねぇか?」

視点の定まらない虚ろな視線はそのままガクンと頭と一緒に垂れる。

「私は牧野!牧野つくし!」

「牧野・・・つくし・・・」

「しっかりして!」

「あぁ・・・そうか。キスに松茸食べて・・・」

「先っぽペロンとか咥えて吸い込んでたんだよな・・・」

目つきが・・・・

なんか・・・変?

椅子からぐらっと立ち上がった道明寺が私に覆いかぶさる様に肩にもたれ掛る。

背中で両腕がユラユラ・・・

肩に乗ったままの顎。

重いッ!

両脚を開いて倒れそうになる2人分の身体を支えてる。

「俺を・・・あんまり煽るんじゃねェぞ。

どれだけ理性をかき集めてたって思ってるッ・・・」

煽るって・・・なにが?

そしてつぶやく声はまた寝息に戻った。

起きろ!この酔っ払い!

起きて!

起きてください!

泣きそうだよ。

何とか身体を反転させて道明寺を背中に抱えて部屋の奥に進む。

道明寺の足先が床についたそのままで引きずって歩く。

腕が私を抱きしめて「牧野」と呟く声。

寝たふりとかしてないよね?

立ち止まると聞こえてくるのは規則正しい寝息。

目の前のベッドに必死で運んで道明寺を座らせた。

まだ寝るなッ!

倒れそうな身体を掴まえて座らせる。

服を脱がせなきゃ高そうなスーツがしわになる。

上衣を脱がせてタイを解いて首から外した。

苦しそうな息遣いにシャツのボタンを外す。

シャツの上からでもわかる筋肉質の体つき。

シャツのえりぐちから見える鎖骨のライン・・・目のやり場に困るっ。

「牧野・・・離れんなよ」

襟元から指を放そうとした瞬間に道明寺の声が聞こえた。

わぁぁっ。

道明寺から手を放した瞬間にそのまま綺麗に道明寺の身体はベットに倒れ込む。

下半身はベッド下に投げだした状態。

スラックスも脱がせた方がいいのかな?

パパが酔っぱらって帰った時はママが乱暴に逃がせてる記憶がある。

ジャケットをたたんでネクタイと一緒にソファーの上に置いてベッドの側に戻る。

一度見て目をつぶって指先の感覚でベルトに手をかけた。

なにも見ませんから!

指先の感覚がいつもより敏感になってくるのが分る。

うまく外れない。はずせない。

知恵の輪を外してるような真剣さ。

何とか外れてファスナーを下ろした音が大きく響いてドキッとした。

「お前、何してんだ?」

え?

しっかりとした口調の声が聞こえる。

恐る恐る開いた瞼。

その先にベットからわずかに頭をもたげただけの道明寺の視線が私の指先に注がれる。

道明寺の開いた脚の間に跪いてスラックスのファスナーを下まで全部下げちゃってる私。

「これは脱がそうとしただけですから」

服に皺付けちゃいけないと思っただけだとの説明はすっかり抜け落ちてしまってる。

ゆるゆると身体を起こした道明寺が自分のファスナー全開の股間と私を見比べた。

「痴女!」

嬉しそうに言うなッ!

カン違いだから!

拍手コメント返礼

なる 様

司君の思うツボ。

でもねそうなんですつくしちのカン違いは確信に変わってますからね。

どう攻めるのか!

攻められるかなぁ~

『不機嫌~』読み返しありがとうございます。

あのころのイチャイチャぶりもまた見たい気がします。

なる 様

早く収穫しなきゃ17.18年物

もう吹き出したじゃないですかぁぁぁぁ。(笑)

木に育ったら大変だ~

Gods & Death 様

私ならベッドまでも運ばないなぁ。(笑)

つくしちゃんにもやもやを残したまま司は再度寝落ち。

そのパターンも考えてました。

まだどう進めるか決めてないんです。(笑)

類をつくしからどう追っ払うかで決まりますね。

退治できるかなぁ~

何時もと追っ払うという意味が違いますけど大丈夫かしら?

みわちゃん 様

つくしちゃん世話焼きすぎよ~

パパじゃないんだから~

心の奥に好奇心と言うものがあったのよ。

司だったら全部脱がせる自信があり。

つくしちゃんみたいに目の瞑らないもの~(笑)

司君目覚めたかな?← そこが大事ですよね。

うさこ 様

司君つくしちゃんの大胆さに喜ぶより驚きが隠せなかったりして~

お前 キスも始めてって言ってなかったか?

こっちの方はまさか経験あり?

焦っているかも司君。

類登場はどうでしょうか?

ただいまのところ未定です。