雨夜の月を愛しむ夜に 8
6月の梅雨の時期に何気なく書き始めた愛しむ夜に。
気が付くと冬だよ~(^_^;)
早く終わらせよう。
「来い」
道明寺に引っ張られる形で連れて行かれたのは建物の外。
広い中庭の芝生の上で大きなプロペラの音が聞こえて舞い降りる。
「ヘリ・・・」
誰が呼んだかは自信満々の顔を見ればわかる。
「あいつらに付き合う義理はねェからな」
「あのね。私たちの買い物についてきたのは道明寺でしょう」
このまま2人っきりで帰ったら何言われるかわかったもんじゃない。
「久々に買い物に来たのに」
「散々見て回ったろ」
それは道明寺と!
女の子同士で回る買物は彼氏と一緒で回るのとは違う楽しみがある。
って・・・
この状況で道明寺が私から離れるわけがないってことはみんな分ってると思う。
それが恥かしい。
「司ほどほどにな」なんて買物の途中で言って笑っていた西門さんや美作さん。
「つくし、今日はこの下着で司を悩殺よ」なんてこそっと滋に渡された下着がバックの底に眠ってる。
このまま二人でいなくなったらみんなの想像通りになっちゃうよ。
「俺と2人っきりになりたくねぇのか?」
私が拒否することはまったく考えてない顔が一足早く乗ったヘリの中から手を差し伸べる。
「それじゃバイバイ」
「キャッー」
勢いよく振りかかる風圧。
背中を向けた私に覆いかぶさるように道明寺が飛びかかってきた。
倒れそうになる私の身体を体重が乗っかる前に地上についた長い脚が踏ん張って私を支える。
「逃がすわけねェだろう」
「私も逃げられるなんて思ってないわよ」
思ったより必死になってる道明寺の顔が私の笑いを誘う。
「素直にならないと怪我するぞ」
「道明寺が乱暴すぎるだけでしょう」
大体か弱い女性に飛びかかるなんてことは暴挙の何者でもないんだから。
「イッ」
「おい、本当に怪我したのか」
右足首をガクッと傾けた私から道明寺が離れた足元に視線を向ける。
「嘘」
ムッとした表情がホッとした表情に変わって私を背中から抱き締める。
「心配させんな」
道明寺の温もりが私を包み込んで一気に心音が上がる。
道明寺の息遣いが肌に触れてそこから発する熱には抗えない。
「乗れ」
私を促す道明寺に今度は素直に応じてヘリの中に乗り込んだ。
ヘリは宙に浮いてどんどんと上昇する。
すぐに真下に広大なショッピングモールを映し出す。
車ひとつ止ってない駐車場。
普段は満車にに近い車に埋め尽くされてるはずで、この中でたった八人だけの買い物。
今は私たち2人も減って6人になってしまってる。
こんな贅沢な買い物の中私が買ったものといえば1万円にも満たない。
花沢類にプレゼントするとか言っちゃったけど実はしっかり道明寺にプレゼントするネクタイを買ってる。
ネクタイを渡したら道明寺はどんな表情を見せてくれるのだろう。
私にしたら高かったんだからね。
渡すタイミングを想像しながらその瞬間を楽しんでる。
「どこに行くの?」
「二人っきりに慣れるとこに決まってるだろう」
極上の笑顔を見せる道明寺からは目が離せそうにない。
「しばらくは黙ってろ」
そうつぶやいた唇が私の唇にそっと触れた。
拍手コメント返礼
still・・・ 様
そうなんです~
まだ完がついてなかった。(^_^;)
南の島に飛んだら長くなるのでここ近場に向けてラストの飛行ですよ~。(笑)
みわちゃん 様
買物の印象が強いですよね。
でもはじめはしっとりと始まったお話なんだよなぁ~。
さいごもしっとりと終わらせたい。
うさこ様
女性の買物は長くて・・・(笑)
夏物から冬物に変わっちゃいますね。
ここは最後まで強引な司君で行ってもらいましょう。
なる 様
F3にT3には司の行動なんて想定内ですよね。
つくしちゃんのドキドキは必要なし~
1からの読んでも頂き感謝。
私も読みかえしてこのお話をUPしました。
さぁ♪
一気に終わらせますよ。
ゆみん 様
ハイ黙りますのコメントに爆笑。
黙っていたら司の好きなように進んじゃいそうですよね。
ハイ。
黙って頂きましょう。(笑)