Rainy Blue 37(完)
やっと・・・
終る・・・(;O;)
タイトルに完を付けようとしたら、缶、感、巻、間、観・・・
なかなか変換できませんでした。
ようやく完の漢字が出てきてプチと押したら刊って・・・
どういうこと~
刊って出版するって意味ですよね。出来たら『甘』がよかったな。
最後までお付き合いありがとうございました。
「嘘みたいだね」
さっきまで明るく笑顔を俺に向けていたあいつが寂しく笑う。
「本当ならもっといっぱい一緒にいれたはずなのに、道明寺が女の人を泊めちゃったりするから」
治りかけた傷口を爪で引っ掻いて開くよな一言。
意外と牧野は根に持つタイプらしい。
それは許したんじゃねぇのか。
「そうだな」
不満は自然と掻き消えて、らしくない言葉で牧野を抱き寄せる様に腕を腰に回した。
マンションのベランダから見下ろす地上には車が玩具みたいに見えてせわしく動く。
牧野と一緒にすごくして3日目。
牧野が帰るまで仕事を休む。調整しろと指示を西田に出して携帯の電源を切った。
3日間の休みで文句を言われるような仕事はしてない。
牧野がいなくなったら仕事しか売ることねェだろうしな。
24時間働いていないとすぐにこいつの事を思い出して寂しさを感じそうだから忙しいのがちょうどいい。
コツンと甘えるように牧野が頭を俺の肩に寄せる。
牧野の温もりを、体幹を身近に感じて、離したくない感情と甘ったるいこそばゆさで自然と笑みが浮かんでくる。
こんな穏やかな時間を過ごしてるのは初めてかもな。
なにも言わなくても・・・
ただ黙って・・・
同じ風景を眺めて・・・
同じ時を刻むことがなによりも大事で、宝物で、このまま時間が止れと本気で祈る。
牧野が日本に帰る時間は刻一刻と近づいて逃れられない寂しさを心に植え付ける。
「帰るの伸ばすのできねェよな」
えっと驚いた表情は笑って俺を見つめる。
「それ、何度目だっけ?」
「自分でもここまで女々しいとは思ってなったんだよ」
ムッとした表情の裏には気恥ずかしさが募る。
そのまま牧野を思い切り胸の中に抱き寄せた。
「苦しいよ」
胸の中で籠る牧野の声。
泣きそうな声に変わった瞬間に熱くなる思い。
「単位を落としたら4年で卒業出来ないんだからね」
それは大学を卒業したら俺たちはけ結婚するって計画が狂うってこと。
「分ってるよ」
分ってる。
お前が日本で大学に行って、そして、俺がNYで仕事で成果を出さなきゃいけないこと。
帰りたくないとか少しは泣きついて見せたら俺が強気でお前を送りだすことが出来んだぞ。
とに、こいつだと調子が狂う。
全然俺様らしくできねぇ。
抱けばお前は俺のもので安心できると思ったのは間違いで捉われたのはどうやら俺の方だったみたいだ。
空港までの車の中では一人でしゃべりっぱなしだった牧野が空港につくと静かになった。
「牧野」
搭乗口に向うまでの僅かな時間も惜しむようにもう一度牧野を抱き寄せる。
「ちょと、人目があるから」
「あのな、ここはNYだぞ。
ハグもキスも挨拶だから。誰も気にしねぇよ」
「日本人だもん」
俺の腕の中で牧野そう言って見あげた瞳は潤んで輝いて俺を見つめて頬を染める。
ツンと突き出した唇に重ねた唇。
啄む様なキスをなん度となく繰り返して、深くなるキス。
「大丈夫じゃねェか」
「上手いんだもん」
「お前も言う様になったな」
俺の腕から離れようとする牧野の肩を強く掴んでもう一度軽くキスを落とす。
「浮気すンなよ」
「そっちでしょ」
何度も振りかえって手を振るあいつに一度だけ手を上げてこたえてその腕をそのままポケットに詰め込んだ。
人込みに押されて見えなくなった姿。
その影を壁の向こうに視線が追う。
「代表」
邪魔にならない様に控えていた西田がそっと俺の横に肩を並べた。
「行くか」
牧野と背中を向けあって反対に歩きだす俺達。
「来週、日本に帰国するスケジュールが入ってますから」
無表情の無機質な声。
それで俺の事慰めてるつもりかよ。
「西田、お前最近、俺にやさしすぎるんじゃねぇのか?」
「それは代表が優しく笑う様になったからかもしれませんよ」
西田に向けた視線が唇が僅かに微笑むのが見えた。
西田笑った?
夢じゃねよな?
「早く会社に戻りますよ。
これ以上時間は無駄にできませんから」
西田のいつもの手厳し声。
こいつが笑うわけねェか。
でも、確かに営業用じゃねェ自然の笑みを俺は見た。
変わったのは西田、お前も一緒だ。
飛行機雲の浮かぶ空を眺めながら、緩みそうなる頬をもう一度俺は引き締めて迎えの車に乗り込んだ。
拍手コメント返礼
ゆみん 様
一番のいいところを西田さんに持っていかれたような・・・
有能秘書は下の世話・・・じゃなくて精神の安定に心を砕くもの♪
続編は何を御所望でしょうか?(笑)
still・・・様
RainyBlueの世界だと別れは雨なんですけどね。
最後は清々しい未来予想図を浮かべたくて飛行機雲を浮かべちゃいましたよ。
西田さんしっかり司を操縦しちゃってますよね。
甘い飴のオンパレード♪
きっとどこかに鞭を隠し持ってるはずです!
絵梨 様
長距離の後の近距離恋愛。
ちょっとの別れの事つくしちゃんは知らないですよね。
寂しい別れだけど2人とも笑って見送ってる気がします。
一話前の類君の台詞も楽しんでもらえたようで良かったです。
あのセリフがここで言えるのは類君以上の適任はいないですもの。
これからもついて来てくださいませぇぇぇぇぇ~
miho 様
ここで西田さんが笑わなければ・・・
何処で笑うのでしょう(笑)
みわちゃん 様
>神宮寺兄弟+彼女の話を省いてこの長さ。
もし・・・書いていたら・・・
きゃーーーーッ
怖い事を想像してしまった。(^_^;)
うさこ 様
始まりは切なく相手を思いながらそこからの司に怒で~
類君登場でウキッとなりお初な夜を過ごしてちょっと切なく終了。
司君が帰国したらしたらつくしちゃん大変でしょうね。
さて、そんなシーン出てくるかな♪
なる 様
うわぁぁぁぁ。
嬉しく小躍りしてしまいそうなコメントありがとうございます。
>読み終わるのがもったいないけど ページを捲る手を 止められないような
>お気に入りの 本を手にしている気分でした!(*^^*)
さぁ次もそう思っていたけるようにがんばります。
ゆきこ様
このお話の始まりは雨~
題名も某所トークでねぇ♪
皆でグループを作ったのってこの頃だったのかな?
それも思い出せないくらい長くやってる気がしますが設立は今年ですもんね。
年末は紅白で盛り上がるのかしら?
話のシメはやはりこの人。
大トリは嵐じゃなくて、西田さん。
今年の紅白のトリは聖子ちゃんと嵐とのニュースも飛びこんできましたが・・・
どうなるのーーーーーーーッ。
SMAPは?
おくら 様
完結までお付き合いありがとうございます。
すごいスピードで読んでませんか?
一日お付き合いしていただいてる気がします。
拍手コメもたくさんいただき感激です。
なんとか元の鞘に収まってめでたし。
確かにF2は遊んだだけだな・・・(^_^;)。