十六夜の月は甘く濡れて 2
ようやく2話目です。
今回はRainy Blueのつくしちゃんバージョンと言ったところでしょうか?
司を応援しちゃうようなお話になればと思ってます。
順調に更新できるのは年が明けてからになると思いますが、ご了承ください。
12月は何かとイベントが多くて~
クリスマスに正月の短編のリクがちらほらと舞い込んできてます。
つくしちゃんの誕生日に司の誕生日。
書き始めて5年目も過ぎちゃうと書くことがなくなってる気がしてます。
読み返してお話妄想しなくっちゃいけないなぁ・・・
「あの・・・心配じゃないですか?」
目の前の女は俺を見つめたまま意味深な笑みを浮かべる。
「婚約者の方、花沢さんといなくなりましたけど」
興味本位な噂に踊らされてる含み笑い。
俺の視線を導くように女の視線は会場の入り口へと向かう。
類と牧野が一緒にいることは何の不思議もない俺たちの関係。
その二人の姿はいつの間にか一緒に消えている。
あいつら仲が良すぎるんだよ。
「きっと、彼女を類が送って行ったんでしょう」
あいつらを信頼してる素振りで軽く受け流してその女から離れる。
たくっ。
パーティーから抜け出すんなら抜け出すって言えつーの。
殆ど牧野の相手が出来なかった俺の愚痴を類に聞かせてるんだと思うけどな。
船に乗ってからほとんど牧野と言葉を交わしていない。
離れた時間。
カン違いして下手な悪趣味の妄想を巡らせて近付いてくる輩は一人や二人じゃない。
俺とどうにかなるって浅ましい考えが見え隠れするから反吐が出る。
悪かった。
これでもお前の存在はずっと気にして視線の端でとらえてた。
そう言って抱き締めれば何時もの熱い俺たちに戻れるはずだ。
ようやく一息つけそうな時間。
大体の招待客とは挨拶は交わした。
俺がホストでもないのにこの忙しさはなんだ。
会社が大きくなればなるほどプライベートがなくなる気がする。
折角の二人の夜。
久し振りに二人で迎える朝。
船上から眺める朝焼けはきっと俺たちに新しい思い出を作ってくれるはず。
俺の腕の中で朝日を眺めながら「きれい」とつぶやくお前を抱き締めたい。
コツコツと階段を上がる足音が響く。
俺たちの客室はビル10階分に相当する高さにあるスィートルーム。
選ばれた客しか入ることのできない警備厳重なフロアー。
明るく照らすライトが浮かび上がらせた二つの影。
牧野を抱きしめる類の背中。
その背中に腕を回して身体を預けて瞳を閉じる牧野の姿。
震える衝動は怒りじゃなくて衝撃の強さ。
心が凍って唇も、足も、腕も、身体も、動かすことを忘れてしまってる。
そういうことかよ。
高校の頃あいつらが今と同じように抱き合っていたのを目撃したころの喪失感。
あの時と同じようになにも言わず背中を向けて立ち去る自分がいた。
バーのカウンターで一人酒を飲む。
グラスの氷がカランと音を鳴らすたびに2人の姿がそこに浮かび上がる。
「なにしてる」
そう言って二人を引き離せば済むこと。
なのに、あいつらの雰囲気は何時ものあいつ等じゃなくて・・・
もし・・・
蒼白な表情で言い訳されても納得もできないし、許せない感情が爆発しそうで俺はそれを見るのが耐えられなかったんだと思う。
二度とあいつを手放す事なんて出来そうもないから。
類が・・・
あいつを・・・
そのまま部屋に入る二人の姿。
想像ですら言い様のない怒りがこみあげてくる。
そんなこと出来るあいつらじゃねぇよな。
そう打ち消しても浮かび上がる不安は嫉妬に変わってくる。
口の中に広がるアルコールの苦さを一気に飲み干して俺は部屋に戻るために部屋に戻った。
カードキーを差し込み音もなく開くドア。
漏れる光で誰かが部屋の中にいると確認できる。
部屋に入った俺は牧野の姿を捉えながら類の姿を探す。
思った以上に心臓がドクドクと心拍数を上げてるのが分る。
類がいたら俺はあいつを殴り倒すことを止められそうもない。
「早かったね」
「早いと悪いのかよ」
静かに聞こえる声は視線をつまなく動かす俺の挙動を変だと捉えてる感情を見せる。
「そんなこと言ってないけど・・・」
「類は、帰ったのか?」
「もしかして、花沢類と一緒にいるって思ったの?
さすがに、私もそれは考えるよ」
「なら、なんで部屋の前で抱き合ってたんだ」
思ったより冷静な声が出た。
それは今までこいつに向けたことのないような殺気を帯びてる声。
それを隠すことも出来ずに冷ややかに響く。
「俺以外に簡単に抱かれるな」
抱かれてなんてない。
そう言いかけた声を聞きたくない感情のままに乱暴に唇で塞いでベッドの上に押したおしていた。
拍手コメント返礼
みわちゃん 様
Rainyのつくしバージョンという説明で大体の見当はつくと思います。
相手が類というのが重いですけどね。
Rは某所に限る?
いや~ニンマリしちゃいました。
あちらでも楽しんでもらってるんですね。
忘れた頃にお届けします。
あっちよりこっちも頑張らないといけなんですがせめて4つ星ほどには発展させたいかな。(笑)
Gods & Death 様
司かわいそう。
今回はそう思っていただけたら成功かな。
花輪君の名前がここで登場するとは(笑)
確かにお坊ちゃまですもんね。
あんなにいい子なのはたぶんちびまる子ちゃんの世界だからでしょう。
ヒデ爺が西田さんに思えてきました。
still・・・ 様
強引すぎると確かにつくしちゃん逃げちゃうかも~
それを追い掛ける司。
たまには追い掛けないってこともあるかもですよ。
ゆきこ 様
フフフ♪
グイグイひきつけられると最高のお褒めを頂き嬉しいな。
このまま一気に書きたい気分になっちゃうじゃないですか。
もう♪ノセ上手なんだから♪
何時も某所でその気にさせられるのにここでトドメが~~~~~
> 司からしたら、つくしちゃんも類も自分のこと裏切ることはないとわかってても、やっぱり類は永遠につくしちゃんの初恋の人だし、自分とは違う心のつながりがあるから、恋愛期間中はずっとこんな気持ち、司は持ってるんでしょうね。
類以外の男がつくしに近づいても嫉妬するだけですけど類だと司が切なくなるんですよね。
だからなぜか類を登場させちゃうのかもしれないな。
12月も今日で10日ですよ。
そろそろボーナスの話題だな。
道明寺家のボーナスってどのくらいだろう。
ゆみん様
押倒して「俺だけを愛せ」懇願する司。
うわぁぁぁ~見たい。
つくしに甘える司も濃艶すぎるかもですね。
>次回は涙ありエロさ満載の修羅場?…ですかね
エロさ満載にという文字にドキッとしちゃった私です。
akko様
ロマンチックまでにはいろいろと難問をご用意。
さてこの二人、今回はどう乗りきるのか!
うさこ様
気になるのは類君の考えですよね。
いいとこ突かれました。
ドキドキ(^_^;)
どっちにしても類の行動がつくしに悪影響をもたらすはずはないいんですよね。
ピンチの時の花沢類ですしね。
つくしちゃんには余裕はないでしょうけどね。
かよぴよ 様
何時もと違う司と類にいつもと同じつくしちゃん。
それぞれが巻き起こすストーリーの行方は?
こう説明すると大体の話の説明になっちゃう気がしてきました。
今回は何が出るかな♪
お楽しみに~
なる 様
ハラハラストーリーの前にうきうきイベントの方が気になる私です。(笑)
何時での司の地雷スイッチはつくしが握ってるんですけど、今回は最大級を踏んじゃいましたからね。
大丈夫かしら?
自爆の予感もちらほらです。