DNAに惑わされ 35
ぎゃーーーーっ
このお話完璧に忘れた。
9月から更新してませんでした。
駿君ごめんよ~~~~。
そんなに経ってないのに英徳に通っていたころがずいぶん昔のような気がする。
英徳を懐かしいって思える感情があること自体が意外な気がした。
それなりに楽しかったはずの学園生活。
なのに息苦しさを感じていたのは道明寺の重圧。
解放された瞬間に自由に息ができる気がした。
「おにいちゃん」
我が家で一番無邪気で能天気な妹が僕を見つけて手を振る。
そのままじゃれる様に僕の腕に腕をまきつかせた。
その勢いは僕に近付いてきた女生徒を蹴散らす勢い。
「腕が千切れるよ」
「舞くらい楽勝でしょう」
腕に頬ずりされたのは何か月ぶりだろう。
まるで子猫。
無条件で甘えてくるのは舞だけだよな。
「なにか、相談でもあったのか?」
「あのね。最近なかなか会えないんだから。
この前も勝手にアメリカに行っちゃうし、帰ってきてもすぐ家出ちゃうし。
お兄様がいないと寂しいの」
お前がお兄様とか上品に呼ぶときはなんかあるよな?
街で写真撮られて、カップルと間違われて雑誌に載って大騒ぎだった時の事はまだ忘れてない。
舞が絡むと問題は大きくなる。
これはどうやら母親譲りなんだと、3人のパパ達はおもしろがる。
僕を巻き込むな。
言えないのは兄の辛さ。
どうしようもなく可愛く思えるのは肉親の情ってやつか。
「あのさ、聞きたいことがあるんだけど・・・」
言いにくそうに言って照れくさそうに頬を染める舞。
上目使いでおねだりされれば父さんじゃなくても甘くなる。
舞に弱いのは道明寺家の血なのかな。
ここじゃ目立つと二人で歩いて店に入る。
「ここのケーキ、おいしいって評判なの」
ケーキバイキングのお店の中はほぼ女性客が占領中。
「あっ!今、鮎川さんと来ようとか思ってるでしょ」
「そんなこと、思ってないよ」
鮎川もロスで嬉しそうにケーキを食べてたことは思いだしてたけどね。
舞に言わせれば同じか。
「その楽しそうな顔は私といるからじゃないよね?」
「舞とデートできるのに楽しくないわけないだろう」
僕をからかってた表情が嬉しそうに微笑むのが見えた。
素直すぎる感情が表面に出過ぎる舞は分かりやすくて楽でいい。
一番わかりたい彼女はなかなか面倒で僕を悩ます。
「あのさ・・・」
ケーキを半分食べてストローでジュースを吸い上げた舞がゴクンと喉を鳴らす。
舞の緊張感が珍しく僕にも伝わる。
「友達の事なんだけど・・・
ある男の子がどうしても気になって仕方がないんだって。
これって恋だと思う?」
それ・・・友達じゃなくて自分だろう?
「佑のこと気になるの?」
驚いた表情の舞に穴のあくほど僕は見つめられてる。
「とと友達の事だってば」
動揺してどもる声。
舞の指先は氷しか残ってないグラスの中をストローでかき回す。
かき回す意味ないぞ。
舞の手元を見つめながら笑ってしまってる。
「その友達が佑を好きなんじゃないかと思ったんだけど。
舞のまわりには翼か佑しかいないしね」
まさか、舞に恋の相談されるとは思わなかった。
耳まで真っ赤にしてる舞が無性にかわいく思えて零れる笑み。
「舞、相談する相手まちがえてない?」
「どうして?」
「自慢じゃないが女の子の気持なんて分からないから」
「もしかして、鮎川さんを思い浮かべたとか?
それって、お兄ちゃんが会いたいだけでしょう!」
まじまじと僕を覗き込んで悪戯な笑みを浮かべる舞。
舞の言葉に今度は僕の方が照れくさくなった。
舞の口から鮎川の事が出てくるってまったく身構えてなかったから焦る。
「そんな話は普通母さんじゃないかって思っただけだぞ」
「お兄ちゃん、なに焦ってんの?」
たくっ。
相談したかったんじゃないのかッ!
でも、もし、確かに・・・
舞と鮎川を交えた時間も悪くないかもしれない。
拍手コメント返礼
うさこ 様
まだ舞ちゃん本気で悩んでませんよね。
しっかりと佑君が好きだと自覚するのは高校生になったからですからね。
意識しだして気になる存在になって恋に恋するお年頃ですからね。
佑君よりまだ恋にあこがれてる感じかな。
駿くんと鮎川さんを見ていいなぁっ舞ちゃんが思ってくれたら一歩前進だと思うのです。
私も温泉いきたいです~。
ゆきこ 様
>菜花ちゃんも呼んじゃえ〜〜!
思いますよね。
私もそう話を進めたいの~
このお店、じつはイケメン揃いの男の子が店員で~
駿君スカウトされるとかあったらおもしろいなぁと別なお話想像中です。
いかがでしょう?
甘い~スイーツを進める爽やかでスマートな対応のイケメン君。
これで人気店にならない訳がない。
スイーツを作るのは爽太だったりして~
アーティーチョーク 様
お久しぶりです♪
適任者は駿くんより菜花ちゃんですよね。
翼から恋愛相談を受ける駿君。
舞ちゃんよりは楽そうですが、翼が相談するとしたら総ちゃんのような気がします。