イブに恋して囁いて(家族編)
道明寺一家のお話にもいくつかリクを頂いてます。
今回のお話は、コロ様のリクエストで子供達がまだサンタを信じてるお年頃のお話にさせていただきました。
*「ジングぅベル、ジングぅベル、しゅしゅがなる♪」
舌たらずな声はクリスマスを1週間前に控えたうちの中で響き渡る。
3人連なった電車体勢のちびっこ3人。
先頭は舞で翼に駿。
時々ここに大人も連結して長い電車になる。
子供達に付き合ってくれる使用人さんたちも大変だよな・・・。
「舞、ジングルベル~」
後ろからの駿の声に「わかった~」の声。
でもまた聞こえてくるのはジングぅベルで笑っちゃう。
まだ上手く話せないからムリだよと思いながらも微笑ましい。
去年よりクリスマスソングもいくつか増えている。
ジングルベル。
赤鼻のトナカイ。
あわてん坊のサンタクロース。
サンタが街にやってくるを英語で歌われた時はさすがに驚いた。
さあ、あなたからメリークリスマスじゃなくて、「ユーベターウォッチャウ」なんだものぉ~。
流石赤ん坊の頃から英語に慣れ親しんでるだけのことはある。
負けてられない。
何とか日常会話には困らない程度に進歩した私の英語力なんてとうに追いこされてる気がする。
クリスマスまでまだ1週間はあるのにこのテンション。
イブはどうなるのだろうかと少し心配。
「ママ、サンタさんきてくれる?」
「くる?」
「くるよね?」
結局三人ともサンタさん=クリスマスなんだよね。
私の時なんてうちは仏教だからクリスマスのサンタさんは来ないって親に信じ込まされた。
少しくらいの夢・・・
もちたかったよなぁ。
「世界中の子供達にプレゼント持ってきてくれるって凄いよね」
「パパよりすごい?」
駿の言葉に舞が私の膝にまとわりつく。
真剣にキラキラと期待を込めた眼差し。
それはパパ?それともサンタと言って欲しいのか・・・どっち?
「俺が、サンタ負けるはずねぇだろう」
突然帰ってきた司が.舞を抱き上げる。
「パパ」と喜ぶ舞は直ぐに司に頬ずり。
だよね・・・
司なら迷いもなくサンタより俺だって言っちゃうよね。
「パパ、トナカイにのれりゅ?」
「翼、何時でも飛行機に乗れる方が早くて便利なんだぞ」
クシャと司の掌が翼の頭を撫でる。
子供の夢・・・
全部破壊されそう。
「サンタよりすごいプレゼントしてしてやるから楽しみにしてろ」
「だめ!パパじゃなくて、サンタさんにプレゼントもらうんだから」
珍しく大きな声で反抗を見せる駿。
舞まで反抗する様に司に抱かれることを嫌がる素振り。
しかたなく司が舞を下に下ろした。
ちっこい顔が不満そうに並んで司を見つめる。
「おいっ」
ちょっぴり困った顔を司が私に向けた。
助けろと変わる表情が可笑しくてしょうがない。
「いい子にしてたらサンタさんは絶対来るから、大丈夫よ」
そして、3人でまた遊びだす子供達。
「プレゼントを渡すのは俺だろうが・・・」
「準備するのは私だけどね」
「子供達の夢を壊す必要はないから、危ないこと言わないでよね」
「俺が駿くらいの頃はサンタなんて信じちゃなかったぞ」
「・・・・」
「なんだよ」
「寂しい子供時代送ってたんだ・・・」
「お前に同情される筋合いはねェよ」
ムッとした声はすぐに消された柔らかい表情を浮かべてる。
「あいつらは俺の子供の時より幸せだよな」
肩に回された腕はやさしく私を抱く。
「司は幸せじゃなかったの?」
出会ったころの道明寺は横暴で、我儘で、俺さまで・・・
瞳の奥に感じた孤独な思いを知った瞬間、私は捉われていたんだと思う。
優しさを表すのは不器用で、だれも本当の司には気がつけなくて・・・
普通の幸せにはほど遠くて・・・
結婚してから・・・
駿が生まれて・・・
舞と翼が生れて・・・
家族になって・・・
すごくやさしく、魅力的な笑顔を見せるようになったよね。
その時間は思い出が増えた分だけ確実に増えてるよ。
「今、その分以上の幸せを取り戻せてるって思ってるから」
「いつも感謝してる」
らしくない自分の言葉に照れるように私から離れた視線は子供達の姿を見つめて目を細めてる。
極上の笑みは日常の私たちの中に今日もあふれていた。
拍手コメント返礼
みわちゃん 様
道明寺家の子供達いつまで信じてるんでしょうね。
ちなみに我が家の子供は小学6年まで信じてた天然ちゃんです。
さすがにもう信じてないだろうと「サンタってパパなの」の問いかけに迷わずそうだよと答えたら「夢を壊すな」と小六の娘に言われました。
まだ信じてたのかと複雑な思いをしたことを覚えてます。
結局一番司が幸せなんですよね。
メガネちゃん様
子供には勝てませんよね。
この後どのくらい盛り上がるのでしょう~
なる 様
クリスマスは来週なのにネタが持つか少し不安なんです。(笑)
クリスマスの時期は温かくて甘いお話をたくさんお届けでいたらと思ってます。
ゆみん 様
寂し過去もつくしちゃんに会うまでの過程。
孤独が人一倍分るから今が幸せなんだよ司君♪
松茸の呪縛どこで発散してるかと思えばゆみん様♪
某所本部に早速お邪魔してみました。
英徳番外地、住んでもらいます。
「死んでもらいます」とがっつり四つにくんじゃってるじゃないですかぁぁぁ。
爆笑♪
コメを逃がさないのは流石委員長だわ。
微力ながら後方支援お約束いたします♪
でわでわ、委員長にポイ捨てしてきますね。
ゆきこ 様
つくしちゃんと肩を並べて子供達を見てる司って~❤
想像しただけでこちらも幸せな気分に浸れそう♪
さてさて今日のお話ももちろん家族編♪