十六夜の月は甘く濡れて 4
十六夜。
いざよいは『ためらう』『躊躇する』の意味の動詞『いざよう』の連携語が名詞化した言葉です。
十五夜より少し遅れて昇ることからこの呼び名がついたとか。
別名既望(きぼう)
これはすでに満月を過ぎたという意味。
十六夜の月は甘く濡れて
この題名には既望と希望を重ねてる部分もあります。
この後の展開は題名に重ねて書き進めて行きたいと思ってます。
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本朝8時までに申請された方は返信終了してます。
届いてない方は再度ご連絡をお手数ですがよろしくお願いします。
*眼覚めたのは耳障りなプロペラの音。
海風がカーテンを揺らして入り込む室内。
日差しが作る影がベットに差し込む。
そのわずかな光を遮るように窓の外に移した視線は、陸の方に向かって小さくなるヘリの姿をとらえていた。
キングサイズのベッドは昨夜の淫らな熱の交わりがなかったみたいに静寂を取り戻してる。
道明寺を探す様に伸ばした腕はそこにさっきまで道明寺がいたという僅かな温もりの跡だけ。
たぶん私は一人残されたんだ。
今は見えなくなったヘリは、この船の甲板に降り立ち、道明寺をのせて飛びたんだと漠然とした確信。
悲しいと言うより不安な感情が心の大部分を占めながらゆるゆるとベッドから抜け出した。
昨日の事が夢みたいで・・・
自分の行動が道明寺を怒らせたことは間違いなくて・・・
激しい衝動のままの道明寺が私の身体の通りぬけただけの感覚。
肌に残る赤い痕が戒めみたいに残って痛みを疼かせる。
取り残されたのはまだ許してないっていう道明寺の怒り。
ここまで拒絶されたこと初めてだよ。
どうしたら許してくれる?
何時ものように私を抱いて満足に見下ろす道明寺の瞳。
表情が崩れて無防備に微笑を浮かべる。
そんな道明寺にもう会えない気までしてきた。
部屋の置時計の針を虚ろに見つめる。
この船もあと2時間ほどで出港した港に寄港予定。
船を降りたら道明寺に会いに行かなきゃ。
その思いがせかせる様に私を動かす。
直ぐに身支度を整えて部屋を出た。
あのまま道明寺の残り香を感じる部屋にはいられなくてデッキに向かう。
「おはよう」
何時もと変わりない花沢類の笑顔が私に近づいてくる。
「司は一緒じゃないの?」
昨日の事なんてなにもなかったような様子の話しかけてる花沢類。
助けを求める様に弱弱しく私を抱きしめた花沢類の姿はそこにはなくて、屈託のない笑顔がそこにはある。
「昨日はごめん。どうかしてた」
私もどうかしてた。
忘れてと言われて忘れると言い返せればどんなに楽なのだろ。
今は花沢類と会わない方がいい。
その思いが自然と花沢類との距離を作る。
「どうかした?
昨日のこと怒ってる?」
何か気が付いたように花沢類もそれ以上私に近づかない様に足を止めた。
「・・・
ごめん、道明寺に見られちゃって・・・
今は一緒にいない方がいいと思う」
「見られたって?司に?」
コクリとうなずく。
「もしかして・・・朝のヘリは司?」
見あげても見えるはずのないヘリを探す様に花沢類は空を眺める。
「いつもの司らしくないね」
そうつぶやく花沢類もいつもの花沢類じゃないような気がするのはなぜだろう。
「とにかく、船を降りたら道明寺に謝ってくるから花沢類は気にしないで」
声だけでも元気を出さなきゃブルーな気持ちはブルーなままで浮き上がりそうもなくて・・・。
「俺のまえで無理しないで」
私を慰めるように手を伸ばす花沢類にすがれることなんて無理。
「ごめん」
そう言ってクルリと踵を返してその場から駆け出していた。
拍手コメント返礼
なる様
何時もと違った類。
何時もと違った態度をとったつくし。
何時もと違ってつくしを置いて行った司
この違いが重なって~
この先どう進むのか!
この話続けて書くとブルーになっちゃうのでちょこちょこコメディー要素の高いお話をはさめながらアップしていきます。
うさこ 様
類クンの心境どうでしょうね。
二人の結婚が現実味を帯びて辛くなってきたのか?
感情のコントロールって思ったほど割り切れないからなぁ。
司君早く許した方がいいと思うのは私だけじゃないはず。
ゆみん 様
今回の行為はつくしより類の方の裏切りを強く司君は感じたかもしれませんよね。
類につくしを諦めてもらったった底辺がありますからね。
それがあるからお話が作れるわけなんですけどね。
まあ、最後は多分甘々になると思いますから♪
あらP様
ちょっとした亀裂がちょっとしたすれ違いを生んで、深い傷になることもありますからね。
早く修正しないよ。
何時もはsの手助けをしてくれるのが類ですからね。
このままだとやばい?
絵梨 様
わざわざの新年のご挨拶ありがとうございます。
あっという間に1月の半ばになりましたね。
早いッ
花沢類に何かがあったことは間違いないんですよね。
なにがあったか明らかになるまでもうしばらくお待ちください。