十六夜の月は甘く濡れて 6

え?

類じゃないの?

類をつくしや司が見間違うはずはないし・・・

まさか!

亜門みたいなそっくりさん?

いろいろと想像させちゃってすいません。

さて正解はあるかなぁ・・・(^_^;)

*

「どうだ」

類は日本にいただろう?

分りきった答えを待つ心の余裕。

余裕なんてあるはずがない。

抱き合っていた二人のシルエットが今も鮮明と頭の中に残る。

未だに身体の奥でくすぶる嫉妬の炎。

相手が類じゃなきゃ俺はこれほど悩むだろうか。

スラックスのポケットに手を突っ込んだまま窓辺にもたれ掛って総二郎の返事を待つ。

俺の視線の先は港の方向。

そろそろ、牧野は船から降りた頃だろうか。

「捕まらない」

総二郎の声に反射的に顔を向ける。

外気にさらされたヒンヤリとした冷たさが窓ガラスから頬に触れた。

「どういうことだ?」

「2、3日まえから類と連絡がとれなくて居場所を把握出来てないんだと」

「今までもふらっといなくなることがあったから、類の家族も気にしてないらしいがな」

それじゃ、あの船に類が乗っていたってことでも不思議じゃないってことだ。

「だったら、問題ないだろう」

「いや・・・

類は帰ってきたら連絡をするって俺に言ってたんだよ」

「あきら、お前ら帰国するたびにいちいち連絡を入れるような仲だったのかよ」

そこまで俺達は暇じゃねェだろう。

あきらと、類で帰って来たら会おうねって連絡し合う想像できねぇぞ。

「おれに相談したいことがあるって言ってたんだよ」

「相談?」

類が一番相談するとしたら俺じゃねぇのか?

俺には言えねェ様な悩みが類にあるのか?

まさか・・・

牧野の事が諦めけれねぇとか・・・

そんな相談・・・か・・・?

あきらに注ぐ視線はあきらを通り越して船上の類を追う。

あの船にいた類は何時もの類とは何か違う感じがした。

牧野を追い掛ける類の視線。

普段なら俺の視線を受けながら牧野を見守る雰囲気の類。

あの時は類は俺に全然視線を合わせなくて、ただ、ただ牧野を追い掛けていた。

可笑しいじゃねかぇか。

あいつらしくない。

俺と牧野の事を見守って俺らが幸せだと俺も嬉しいって言ってたんだぞ。

昨日の類は確かに、いつもの類と違ってた。

牧野を一人にしておくべくじゃなかった。

「おい、どこに行く」

総二郎とあきらの横を大股で通り過ぎる俺を引き留める様にあきらの腕が右肩を掴んだ。

「牧野を迎えに行く」

「俺たちも行く」

顔を見合わせた二人は同時に答えた。

港に向う車の中で電話をかける。

呼び出し音の後に留守電に切り替わる機械音。

「くそっ!でねぇ」

類と牧野にかける呼びだし音。

どちらも二人につながることはないままに車を港に目指して急がせた。

拍手コメント返礼

Gods & Death様

すいません~

ごちゃごちゃさせて。

船の話でもおばちゃんが出てくるお話は、『ラストシーンは夢の中で』の方でして・・。(^_^;)

今回の類君は一味違う・・・

ゆきこ 様

今回のご要望は早く続きを・・・( ..)φメモメモ

このお話は単純じゃないのでいろいろ考えて悩みながらお話を作ってます。

まさに謎解きをする探偵の様にね。

コナンになりたい~~~

耳元で歌ってもらえたらいい案が浮かぶかな?

宜しくお願いします。(笑)

総二郎とあきらは何か知ってる?

どうかなぁ~

まだ内緒だよ♪

ゆみん 様

類がつくしにロックオン♪

歌っちゃいそうになりました。

このフレーズが頭から離れないよ~

責任をとってくださ~い(笑)

どちらにしてもつくしに災難がふりかかるのは間違いないかな。

ひまあつ 様

アレが類じゃなかったら・・・

つくしちゃんが危ない!

そうなりますよね。(^_^;)

akko

>善良な見守りタイプのホワイト類と、 スキあらば司くんから奪っちゃおうな ブラック類との2重人格

おーーーっ!そんな類君見てみたい。

我が家の類君はいつもホワイトですからね。

うさこ 様

ここは婚約してホッとしてた司の隙をねぇ~

だめだよ~

しっかりつくしちゃんを見てなきゃ~。

つくしを一人した司の責任よ。

今回は自分を攻めちゃう司君の苦悩もありか?

結局は何時も追い掛けるのは司になるんですよね。

りん 様

次・・・

次には分かる?

すいません・・・(^_^;)

まだまだ引っ張ります。