我儘な鬼は不機嫌を装う
昨日は節分でしたね。
そして今日は立春。
実は私の誕生日です。
何度目かは聞かないで~~~~~~~。
本当は昨日アップしたかったのですが時間がなくて一日遅れの節分のお話です。
それでは続きからどうぞ♪
茶褐色の色の混じる庭の風景。
2月にしては風のない穏やかな昼下がり。
温かな日差しの差し込む都会の気忙しさからは隔離された穏やかな空間。
珍しく昼間の屋敷にいる俺の耳に届くはしゃいだ子供達の声。
カシャカシャと小さな靴が踏み鳴らす枯葉の音もどこか楽し気に響く。
「こら!まて~」
小さな足音に混じる一回り大きな足音。
たくっ。
子供よりお前の方がはしゃいでるじゃねェか。
子供達が小さな手を振りかぶって投げる豆がパラパラとつくしに当たって地上に零れる。
舞が必死に投げた豆は全くつくしには届かず足元に落ちる。
それを拾って投げるのが翼。
自分の持ってる豆は何故か投げようとしない。
そうか・・・
今日は節分かぁ・・・
つくしと知り合って結婚して子供が生まれて・・・
経験したことのない行事が年々増えてくる。
初めて鬼の面をかぶらされた時は何かと思ったぞ。
季節の変わり目の行事に縁のかなった俺が知るわけねェ節分。
節分を接吻と聞き間違えて聞き返したのはいつだったって?
すーげー笑ったあいつの笑顔。
その顔が俺に近付いて頬にキスしたことを未だに覚えてる。
「あっ!鬼が来た」
俺を見付けたつくしが明るく俺に笑い掛ける。
それは俺に鬼をやれってことか?
簡単に俺を家族の中に誘い込んでくる。
「がぁー」
両手を振り上げた俺は子供達を襲うふりで追い掛ける。
一斉に散らばる子供達を順番に追い掛けて最後に駿を抱き上げた。
「それ、鬼のつもりなの?」
機嫌のいい笑い声は俺の横で弾ける笑顔を振りまく。
「鬼なんて見たことねェからな」
不機嫌を装ってみても一度ほころんだ頬を引き締めるのは骨が折れる。
「もっと、こんな目で凄まなきゃ」
両方の人さし指で目頭を吊り上げたつくし。
不機嫌にしたらしてたでそんな怖い顔をするなって文句を言うのはお前だろう。
うるせぇやつ。
「お前は鬼になれ」
駿の持っていた豆をつくしに投げる。
それを合図に子供達が一斉に豆をつくし目がけて投げだした。
「きゃッ ちょっとひどいよ」
身体に当たる豆の衝撃から逃れる様につくしは跳ねあがる。
すげー大げさない大きい動作に喜ぶ子供達。
3人の子供達はなんなくつくしの両手の中に囲い込まれてしまった。
耳元で子供達に囁く仕草。
次のターゲットは多分俺。
瞳を輝かせた子供達が一斉に俺を捉える。
「いけっ!」
楽しそうな声で指示を出すなよな。
速攻で走って部屋の中に戻って庭につながる窓を閉める。
パラパラと窓ガラスに当たって落ちる豆。
「ずるい」の声が合唱して聞こえてそして笑い声を上げる。
4対1はずるくねェのかよ。
窓ガラスに張り付いた顔。
すげー不細工なちっさな3つの顔。
可笑しく歪んで笑いを誘うには十分すぎる。
こいつ等の前じゃ不機嫌な顔なんて出来るはずがない。
我儘なはずの俺様がどうしようもなく甘くなる。
窓ガラスからちっせー顔が離れた数分後、家族の部屋にみんなが集まった。
年の数ほどって豆を食べる子供たち。
無病息災。
ここから始まる、新しい1年。
お前らがいればきっと幸せ。
沢山のおめでとうを頂き感謝。
まとめてのお返事でお許しください。
コメント、拍手書き込みありがとうございます。
良いものですね。
ブログだけでのつながりなのにこうやって年々お祝いを頂く方が増えていく。
コメントを残すことが慣れてらっしゃらない方が一生懸命コメントを残してくださると思うとそれだけで心が温かくなります。
そんなつながりを大切に今年一年も素敵な出会いがあることを願いながら過ごしていけたらいいな。
めいめい様 まーちゃん様 琴子様 まるはむ様 miruku 様 ゆませ様 ゆうっち様
みわちゃん様 定晴様 コロ様 ちかちゅう 様
ゆきこ 様 ソフィ様 みさつき 様 りん様 しにょ様 miho 様 Gods & Death 様
なる 様 かえまま 様
御祝コメントありがとうございました。
拍手コメ返礼
りり 様
ホッカリする家族のお話時々書きたくなります。
aru 様
えーーーーマイナス21度!
想像できない寒さです。
マイナス1度でもキャーキャー騒いじゃってるのに。
日本列島冷え込んでますものね。
生活に支障出てないですか?
お話だけで読んでいただいてホッカリ出来たらいいな。
うさこ 様
我が家の旦那様仕事で帰って来るのは週末なんです。
夜におめでとうの電話がきました。
もちろんリボンを付けた旦那は見たくないですけどね。
司なら喜んで受け入れちゃうけど(笑)
道明寺邸 各部屋で豆まきしたら一日で終るのかしら?
ゆみん 様
確かに雑念はないですよね。
家族愛にあふれる道明寺総帥。