Happy Valentine’s Day with lots of love(つかつく)

去年もやりましたバレンタインにホワイトデー企画。

花言葉にまつわるお話を掲載してからもう1年になるんですよね。

早いな

今年はどんなお話にしましょうか?

それでは週末はバレンタインにまつわるお話を短期集中でUPです。

 *

「今日会えるよな?」

連絡を取った数時間後屋敷に来いと会える約束を取り付けたのは俺のほう。

今日の日わかってるか?

普通なら彼女のほうから連絡を入れてだな・・・

ドキドキと彼氏の返事を待つんじゃねぇの?

「わりぃ、昼間仕事だ」

しっかりじらせる戦法で軽い仕事を西田に入れさせたのに、あいつからは連絡がなくてじらされたのは俺のほうだった。

「バレンタインはかき入れ時で忙しくてさ」

お前のバイト先和菓子屋だろうがぁぁぁ。

どこもかしこも便乗商法。

あんこじゃなくてチョコ入り最中が売れるってどんな味覚をしてるのか疑いたくなる。

まさか俺へのチョコ、バイト先で手に入れてこねぇだろうな。

屋敷に戻った俺に「つくし様がいらしてます」の第一弾の報告。

「そうか」

むっとし声を出さなきゃ顔がゆるむ。

そのつもりだったのに、俺に伝えた使用人は顔をそむけて必死に笑に耐える表情を見せる。

足音を不機嫌に大きく立てながら俺は自分の部屋に向かった。

ドアの前でこれ以上そわそわした表情はあいつには見せられねぇとほほに力を入れて息を長めにゆっくりと吐き出した。

自然と音をたてないように開いたドア。

その先には牧野の姿。

いた!

いるのは当たり前なんだが、今日はいつもよりくすったくてしょうがねぇ。

「さ~片付けよう」

帰ってきた俺に気が付かないままに背を向けたままごそごそとシャツの袖を牧野がめくった。

片付けるって・・・

片付けるようなものねぇぞ。

テーブルの上にはいくつもの段ボール。

「うわ~さすが道明寺。

全部高級チョコじゃない。

これって一粒数千円とかじゃなかった?」

その箱の中に腕を突っ込んで牧野はぶつぶつとつぶやいてる。

勝手に送り付けられたバレンタインチョコ。

いらないから処分しろって言ってたはずだぞ。

「これ、本当に道明寺は捨てるつもりだったのかしら」

当たり前だろう。

おれがお前以外からのチョコ受け取るつもりはねぇよ。

こいつがチョコをどうするのかすげー興味がわいてしばらく黙って眺めてた。

「キャー   これって~」

一気にテンションが上がった牧野。

瞳をきらきらと輝かせてチョコの箱をうっとりと見つめる。

どうせならその表情は俺専用にしろよ。

「おい」

限界気味に牧野に声をかけた。

「わっ、脅かさないでよ」

いたずらを見つけられたような表情が俺を見つめる。

「俺に贈られたチョコでやけにうれしそうじゃねぇか」

「だって、このチョコ・・・ショコラ専門店「ショコラヴィ」のチョコだよ」

その店がどうした?

「すごく人気があるんだから・・・」

そのあと牧野が口を濁すように黙りこんだ。

絶対何か言いたくないことがあるときの牧野の表情。

お前は嘘をつくのは下手なんだからさっさとはけっ!

チョコの箱に手を伸ばした俺。

その腕の動きを牧野が目で追う。

とっちゃうの?って、愁いの帯びた瞳が俺の指先を見つめてる。

「食べたいのか?」

「どうしてこのチョコなのか理由あるだろう?」

「有名とか人気あるとかじゃねぇよな?」

このチョコを作ってるやつが俺そっくりって理由を牧野が告白。

「本当に似てるんだから」

だからどうした。

お前の目の前には現実に俺がいる。

一度は食べたかったとか、どうでもいいようなことを必死で弁解。

開けた箱の中に収まるチョコは小さな宝石。

いかにも女性が好みそうなデザインをあしらったものがいくつも並ぶ。

「ほら」

指でつまんだチョコを牧野の口元に差し出す。

遠慮がちに牧野が口を開いてゆっくりとチョコをついばむように口にした。

そのまま指先を牧野の口の中に押し込むように動かす。

少し驚いた表情は俺の指ごとチョコを口の中に入れこんだ。

チョコをなめる舌の動きが俺の指先にまとわりつく。

溶けたチョコが滑らか指先に擦り込まれていく。

ゾクリとした感覚が背中の真ん中を走った気がした。

牧野の口から取り出した親指と人差し指。

指の腹を舌先でなめとる。

少し苦みのあるビターチョコ。

ふんわりと口の中に広がるバーボンの味。

「甘いな」

つぶやく俺に牧野が染まった頬を隠すように俯く。

「隠すな」

顎をそっと指先が持ち上げて重なった視線。

「もっと・・・」

照れくさそうに小さな声。

瞳はうるんで俺を見つめてキスの催促。

チョコレートより甘い感覚に包まれていく。

「食べたい」

顔を傾けて二人の息がかかる距離で牧野が俺にくるりと背を向けた。

「おいしいよね」

牧野が両方の手にチョコをもって、片方の腕を俺の前に差し出した。

チョコより甘いもんあるだろうがっ!

拍手コメント返礼

まちゃこ 様

今年のバレンタインは甘アマで~

でも生ころがしって感じで・・

誰が?

すいません・・・

読者だと思います。(^_^.)

なる 様

今ねドラマの再放送を見てるものでついコラボさせちゃいました。

名前あってますよ。爽太くん♪

甘いチョコ食べたい~

miho 様

次のお話はもっと甘いはずです♪

ゆきこ 様

指の中で溶けちゃいそうな気がするんですけど~

溶けたのをそのままペロリ。

それともつくしちゃんをチョコでコーティングしてなめまくるなんてことはここじゃなく某委員会だな・・・(^_^.)

mizuta 様

チロルチョコ私好きですよ。

指までなめられたらそれだけでヤバいかも~

ものすごく甘いでしょうね。