Happy Valentine’s Day with lots of love(つかつく 2)

去年は確か日曜日、そして、今年は土曜日の Valentine。

いろいろ祭りをやりたいんですけど、週末は時間がないの~

お☆様をつけない程度のいちゃこら祭をやっちゃいます。

 *

「おい」

突然聞こえた声はあいかわらず横柄で俺様。

ドキッとなる私も私だよ。

道明寺がそろそろ帰ってくることはわかっていたことで、私がいる部屋は道明寺の部屋だもの。

道明寺が帰ってきたからといってあわてる必要はない。

なのに・・・

会いたくて・・・

触れてほしくて・・・

抱きしめてもらいたいって思う感情。

それは隠しようがなくて私をドキドキさせる。

忙しいはずなのに道明寺からの呼び出しの電話にそわそわ。

今年のバレンタインはきっと去年より楽しいよね。

ちょっとしかめ面を作ってその声に振り向いた。

「わっ、脅かさないでよ」

それじゃなくても道明寺の声は心臓に悪い。

それよりいつからそこにいたのか・・・

開いたドアに背中をもたれかかる長身。

体のシルエットを包む一級品のスーツ。

しなやかな豹が高台から地平線を鋭く見つめ、毛並みをそよぐ風に吹かれながら立つ。

そんなイメージ。

黙って私を見てるなんて趣味が悪い。

私、なにも変なこと言ってなかったよね?

そんな心配してる自分が照れくさい。

記憶を巻き戻して考える。

目の前の山積みされたチョコをいらないっていう男が信じられないって愚痴ってただけ。

だからってこれを道明寺がぜんぶうけとってたらそれはそれで愚痴るって思うけど。

ショコラ専門店「ショコラヴィ」のチョコレートに興奮したところで道明寺の声を聞いた。

一度は食べてみたかったお店のチョコレート。

雑誌に載っていたあの男性ショコラティエは道明寺にそっくりで、テレビで放映してたチョコを作る彼。

テンパリングでチョコレートに滑らかさとつやを出す指の動きはチョコよりも艶やかでやわらかい空間を作りだす。

冷たい大理石の石の上にしなやかな手の動きから落ちる茶色い液体。

ゆっくりと円状に広がるチョコレート。

光沢の輝きを真剣に見つめる横顔は仕事ができる男の色気満載で出来上がったチョコよりも甘い。

あのね・・・・すごく似てるの。

私の肌に触れる道明寺の指の動きに重なって艶めかしくて。

テンパリングを見てただけなのに道明寺の指先が私の肌の上を滑り落ちる感覚を思い起こしてた。

その彼が作ったチョコはどんな味なのか味わってみたいって思った。

さすがにそのまま道明寺に告白するのは恥ずかしすぎる。

「すごく人気があるんだから・・・」

不愉快そうな表情は何かを疑ってる目つき。

不機嫌な時の道明寺は凶悪な眼光を発するんだから緊張してしまう。

これ以上目つきが悪くなることは避けたい。

ほら、今日はバレンタインだもの。

道明寺の尋問に負けて結局似てるってことだけ告げた。

これ以上は何も言わない。

言えない。

言えるはずがない。

チョコを作る段階で私に触れる道明寺を思い出していたなんて言えるはずがない。

道明寺がつまんだチョコレートを食べろと私の口元に差し出して、押し込まれた口の中。

道明寺の指まで食べちゃって、舌先で押し出そうとしても強引歯列を割って道明寺の指先がチョコと一緒に舌先にまとわりつく。

クチュッと吸い上げる音が口の中から伝わって鼓膜の奥で重なる。

熱い瞳が濡れたように輝いて私の口元を見つめてる。

キスをしてるわけじゃないのに道明寺に情熱的に、束縛されていくように感じてしまってる。

口元から引き抜かれた指先。

指先に残る甘いカカオの香り。

それを目の前で道明寺がぺろりと舐めた。

「甘いな」

チョコレートより道明寺のほうがもっと甘い。

濃厚なエキスがそこから甘い香りを漂わせてる。

色気ありすぎでしょ。

もうこれ以上道明寺を見てると心臓が持ちそうもない。

体中の力が抜けていきそうな気がする。

「隠すな」

命令調なのにその声は色気に交じって怪しく響く。

素直に何でも言うことを聞きそうな予感。

道明寺の指先が私の顔を持ち上げて重なりあった視線。

「もっと・・・」

そのあとに何が言いたいのか自分らしくない感情をごくりと飲み込んだ。

このまま道明寺の首に両腕を巻きつければ立ってられなくなりそうな身体もきっと喜んで道明寺は支えてくれるだろう。

いや・・・

だめだ。

まだバレンタインのプレゼントを渡してない。

このままいけばきっと朝まで道明寺のなすがままで、去年と同じようなバレンタインになってしまうもの。

おいしいチョコはまだある。

それに夕食もまだ。

「食べたい」

道明寺に回しかけた腕をそのまま外に振って背中を向けて道明寺から離れた。

「おいしいよね」

両手で一づつとったチョコレート。

一つは自分の口にもう一つは道明寺の顔の前に差し出す。

一瞬ムッとなった道明寺がそのままパクンと私の指ごとチョコレートを頬張った。

あのさ・・・

舐めてるのチョコより私の指!

艶めかしすぎる。

忘れかけてた感触が指先から腕を伝って全身に広がりを見せていた。

拍手コメント返礼

なる 様

このまま~このまま~

突き進んでチョコよりも甘い時間を過ごせたはず。

そうじゃなきゃたまんないですよね。

我が家も去年は友チョコ作り大変でしたね。

今年は受験生のためか全く何もありませんでした。(^_^.)

ゆきこ 様

今回はエロさを演出するためにいろいろ頭をひねりましたよ。

☆のほうが楽だったと・・・(^_^.)

エロさを感じてもらえてうれしいな~

いつもより時間をかけて仕上げた甲斐がありました。

akko

これの10倍返しのホワイトデー。

司ならできそうだな・・・

どうなるの~

楽しみ♪ ←楽しみにしてる場合じゃない考えるのはあ・た・し・よ~

うさこ 様

チョコを舐めてくれるのは司なら、全身舐めてほしい感覚に陥りそう。

総ちゃんでもあきらくんでも類でも舐められたら腰砕け~。

F4のバレンタインはすごいことになりそうだな。

まちゃこ 様

二次小説っていいな~

その感想がうれしいです。

二次小説が書きやすいのは登場人物が説明をしなくても想像できるという利点ですね。

お好みの二次を探すのは宝探しみたいな感覚がないですか?

金銀財宝を巡り会えたと一人でも多くの方に共感していただければ嬉しいです。

花男まだ読んでないの~

別物と考えれば楽しめそうかな。

ゆみん 様

きゃー

現実に指舐め体験あり?

私実際にないので司君で妄想しちゃいました。