十六夜の月は甘く濡れて 7

こちらの類君は謎が多すぎ!!

なんとなく危険の香りが漂ってるんで、ちょっとクールな気持ちに切り替えないと書けないんですよね。

楽天的な私の性格じゃこれがなかなかうまくいかない。

これ以外のお話はいつも笑いを考えて先行させてますからね。

ここから物語の断片が見えてくると思います。

類君サイドで書けないのがつらい。

書いちゃうとネタバレになるからなんですけどね。

一応書いておきますが類つくになる予定はございませんので、類ファンのかたは期待は持たないでくださいね。

それでは続きからどうぞ。

*

「待って」

いつもの花沢類にしては強靭な腕の力で離れようとする私の動きを止めらえた。

昨日は花沢類を抱きしめてたのに今日は手首を握られてだけでも身体が逃げようと反応してしまう。

「警戒しないで」

そういって見つめる花沢類の愁いの帯びた瞳。

それはまるで孤独の感情を浮かべてる一人で戦ってるみたいで何かを思い出させる。

そうか・・・

道明寺の誰も寄せ付けない孤独なオーラ。

周りすべてを拒絶してるのに瞳だけはひと肌を求めてた。

花沢類がこんな感情を見せるのは初めてでいつもと違う雰囲気は胸を締め付けてくる。

ここでまた私がまた花沢類を慰めるのはそれはやっぱり友達の域を超えるみたいで・・・

それ以上踏み込んじゃダメだって警告を鳴らす

道明寺の私に向けた怒りは悲しみだってわかるから・・・

ごめん・・・

花沢類・・・

私、道明寺にこれ以上つらい表情させられないよ。

「送るよ」

その声は何の裏もないいつもの花沢類の私に対する優しさを浮かべてる。

「今日は少し一人で歩きたいから」

「一人じゃ帰せないよ」

そう言った花沢類は私を握る腕に力を込める。

いつもより強情な私にいつもより強引な花沢類。

「ほっといてくれないの?」

「俺が牧野をほっとけると思う?」

「それでも・・・ほっといてほしい・・・」

返事をするまでの少しの間が私たちの微妙な気まずさを表現してる。

「一人で帰したくないって理由があるって言ったら?」

私を覗き込む仕草で花沢類は腰を折る。

優しい物腰と甘い声はいつもの花沢類のはずなのに今日の花沢類はどこか違う。

いつもの私の気持ちを尊重してくれる気持ちがないんだと気が付いた。

わがままと強引さじゃ道明寺が随一なのに、今日の花沢類には抗えない内に秘めた炎を感じてる。

でも・・・無理だよ。

花沢類から離れなきゃダメだって危険な感覚。

それは花沢類に対する初めての感情。

どうかしてるのは私なのか、花沢類なのか・・・。

脳の考える限界がそこまで来てる気がした。

「それでも、今は帰すわけにはいかないんだ」

誰かに合図を送るように花沢類が一瞬視線を私からそらす。

すーっと音もなく私たちの横に乗りつけられた一台の黒塗りの車。

降りてきた数名のサングラスで顔を隠す男が数名。

私の視からは完全に花沢類の姿を確かめることができなくなってる。

「なに!花沢類!」

抗う間もなく取り囲まれて背中から抱きしめられて伸びてきた腕から口に当てられたハンカチ。

鼻先に感じる薬品の嫌な臭い。

そのまま私の意識はなくなった。

拍手コメント返礼

なる 様

この類は本物なのか偽物なのか?

気になりますよね。

本物ならなぜつくしをさらうの?

偽物ならつくしちゃんどうなるの~

どちらにしても今回は危険な臭いがしますが・・・

ネタばらしまでもう少しお待ちください。

ゆきこ様

この非常事態発生に司の野生の感はどこに~

つくしちゃん危ないよ~

さぁ、テレパシーを一緒に送りましょう♪

この類君の正体は!

本物か偽物なのかどっちだ?

両手をグーにして今差し出してますので選んでぇ~♪

まちゃこ様

この類君の正体は!

やっぱりそこが一番気になりますよね。