ウエディングベルは二度鳴らす 14
司君の初体験!いかがなりますことか?(^_^.)
「いくぞ」
颯爽と歩く道明寺はもう改札機の前。
そこでかざすカード。
「どうして進めない!」
道明寺が人の波を止めた。
まさか・・・!?
それじゃ改札は抜けられないよ。
道明寺の後ろから手を伸ばしてマネーカードを読ませる。
ガードが開いた改札口に道明寺を押し込んで私も一緒に通り抜ける。
もうっ!
笑が止まらなくなった。
「いつまで笑ってるんだ」
不機嫌にしかめる顔は少しの気まずさを残して愚痴ってる。
「だって、道明寺ならやるって思ったこと本当にやったから」
改札機に当てたブラックカード。
お金持ちしか持てない使用限度額無制限のカードでも改札口は開かないよ。
笑が止まらなくなった私は壁際でおなかを抱え込んで座り込んでしまった。
笑いすぎて死にそう。
「あのな、俺らの前のやつらみんなカードをかざしてただろうが!」
俺は間違っちゃいないの強気な態度。
でもね、カードが違うんだもん。
笑を止めようと息を止める。
そして壁を支えにして立ち上がって大きく息を吐いた。
ぷっ!
不機嫌な表情の道明寺を見てまた吹き出しそうになる。
子供みたいに拗ねた顔がそっぽを向いた。
その道明寺がスーツのポケットに手を突っ込んでごそごそと探すそぶり。
そして取り出したのはスマフォ。
「あっ!」
第一声は誰が聞いてもわかる超不機嫌な声。
「しらねぇよ。お前に任せる」
ドスの利いた声にちらりと視線を向けた男性は関わりたくないというように歩行速度を上げ通り過ぎる。
私・・・
笑いすぎたかな?
ごめん。
バカにして笑ったわけじゃないから許してほしい。
道明寺財閥を背負ってる時の道明寺は隙がなくて、自信に満ちて、人を寄せ付けないオーラ全開で近寄りがたい。
年齢より大人びた容姿はいつもの道明寺じゃなくて、私を不安にさせるには十分。
だって、あんまり道明寺が道明寺らしい間違いを見せてくれるから・・・
それがほっとするっていうか・・・
やっぱり道明寺だってうれしいといううか、かわいいといううか・・・
そんな世間知らずなところが私を安心させてくれるんだよ。
「それじゃ、約束が違うだろ」
いまだに電話のかかってきた相手と通話中の道明寺。
道明寺の眉間には険しさを漂わせたまま。
ここまで道明寺を不機嫌に追い込むことができるのは西田さん?
スマフォの向こうがわの相手が想像出来ちゃった。
「覚えてろ」
うわ~チンピラ並みの捨て台詞を吐いて道明寺が電話を切った。
「仕事のこと?」
遠慮がちに尋ねる私。
「帰って来いだとよ。あの!無能秘書!」
西田さんを無能呼ばわりできる道明寺がすごい。
「一人で大丈夫か?終わらせたらすぐに行くから会場で待ってろ」
大丈夫って・・・
道明寺よりは心配はないと思うけどね。
「それより、道明寺のほうこそ帰れるの?」
地下から地上に出れるかどうかそっちのほうが心配。
「あいつらがいるからな」
あっ・・・忘れてた・・・
道明寺が一人のわけないか・・・。
しっかり柱の陰から私たちを見守る顔見知りのSPさんを見つけた。
拍手コメント返礼
うさこ 様
満員電車に司を乗せたい気持ちわかります。
意外と満員すぎて司君に乗客気が付かないかもしれませんよね。
そうそう、二人にとっても記念日ですよね。
友達のお祝いしてる場合じゃないよ~
Gods & Death様
世間知らずも愛しくなるのは愛ですよね。
桁違いのお金持ちにとっては未知の世界。
こんな世間知らずならなってみたいです。
なる様
さぁ司君無事に会社に帰れるのか!
初めてのお使いを見守る親の心境に陥っちゃいそうなですけど・・・
つくしちゃん気になってストーカーさせる話も面白そうな気がしてた。
いつもの司とつくしが反対の行動パターン。
そうなったら・・・
公平クンすっぽかされちゃうな。(^_^.)
akko様
つくしちゃんは笑えるからいいけど、笑えなくても笑えないSP君たちは大変ですよね。
それでもきっとSP君たちも楽しくお仕事で来てるはずです。
ゆきこ 様
久々のSP君たち。
まさかここで葉っぱコンビの恋バナを思い出していただくとは!
仕事が増えた~
灰原さんと千葉君どうなってるかなぁ~
mizuta 様
司君やってくれそうですよね。
逆にマネーカードを持っていたらつくしちゃん仰天かもしれません。
道明寺にはひつようないでしょう。なんで持ってるのの疑惑を持って私の知らないところで何してる?なんてね。
西田さんに呼び戻されたところで落ち着きを取り戻して次に行きましょ♪
まちゃこ様
そうですよね。どうせなら地下鉄に司を乗せちゃいたいですよね。
朝のラッシュには乗れそうもないですけどね。
それでもなんでこんなに混んでるだ!って文句を100はいいそう~。