SP物語 (ウエディングベルは二度鳴らす 番外編)

久々の葉っぱコンビ物語にお付き合いをお願いいたします。

この物語は『ウエディングベルは二度鳴らす 15』の番外編となります。

番外編に行く前にのうさぎ様のコメントから思いついたショートをお披露目♪

仕事終わりの今日の報告書。

俺には回さず先輩が率先して書くって珍しい展開。

「いつも俺たちばかり、ドキリとさせられるのは面白くないしな」

にんまりと笑った先輩はやけに楽しく日報帳にペンを走らせる。

そしていつもより長めな時間で書き上げた日報をSPが集まる休憩室のテーブルの上にポンと置いた。

それも開いたままで・・・

それは読めよと言わんばかりの大雑把さ。

自然と俺も目が行く。

役所に行って電車に乗って、そして・・・っ

えーーー?

代表の初体験って・・・

おーーーーーっ。

俺の脳裏に浮かぶのはつくし様を抱きしめた代表の姿。

結構見慣れてるのに・・・

いきなり妄想は二人を裸にしてる。

って・・・これ以上想像しませんからーーーーっ。

許してください。

俺は何も見てなません!!!

「おい、これって・・・」

俺の後ろから覗き込んだ同僚の一人が腕を伸ばして日報を手に取る。

穴が開くほど眺めて叫んだ初体験!

「代表たち・・・まだだったのか?」

「付き合って4年だろ?」

「それは婚約してからだろう?知り合ったのは高校の時だろう?」

「ありえねぇ~」

「でもさ、俺ら二人の外泊何度か付き合わされたよな?」

一行目を読んでからそのあと読んでない同僚たちはそのまま盛り上がってる。

「千葉、どこまで見たんだ?」

「見るわけないでしょう!!!」

相葉先輩、なんで見出しに初体験をつけるかな。

「おい!初体験って・・・地下鉄か?」

一気に同僚のトーンが下がる。

初体験だろうが初体験じゃなくてもそんな色っぽいアダルトは報告書が書けるわけない。

相葉先輩、報告書で遊ばないでください!

「今日は一段と派手だな」

このままだと役所に人だかりっでもできそうな艶やかさ。

役所の中からきらびやかな光が閃光になって見れるようだ。

俺たちも最近F4がそろったところを目撃するのはめっきり少なくなった。

しかし・・・

いきなりつくし様が会社やってきて、執務室のドアを蹴り上げそうな勢いだったときは何事かと驚いた感情は隠せなかった。

婚姻届を出し忘れたらしい・・・

なんで、出してない?

「先輩・・・婚姻届って結婚式の時に提出するもんじゃないんですか?」

「俺は、婚姻届を出しただけだから結婚式挙げてねぇし」

離婚届提出も経験のある先輩は俺に聞くなと難しい顔を作る。

「代表たち、派手に結婚式挙げて何か月たったっけ?」

俺も相葉先輩もそんな思いで顔を見合わせて代表を置いて役所に行くと花沢類様と出ていくつくし様を見送った。

一度帰ってきたつくし様と仕事を終えた代表が今度は一緒に出ていく。

もちろん代表のSP担当の俺たちも後を追う。

そして今俺たちは役所の外で代表を待つ。

不機嫌な表情のつくし様。

それを追う代表。

「喧嘩してるぞ」

声に出さなくてもわかるその言葉の裏に隠された相葉先輩の一抹の不満。

僕も一緒ですよ。

婚姻届だした後って一番ハッピーな瞬間じゃないんですか?

こんな時は姿を隠して追跡するのが一番。

下手に近づくとイラつく代表の矛先が俺たち向けられる危険性は多々ある。

人のいいつくし様は俺たちをかばおうとするからそれに対しても代表の機嫌が悪くなるから始末が悪い。

落ち着くまでまとう。

そんな暗黙の了解が俺と先輩の間では出来上がってる。

「なぁ、どの辺で仲直りするって思う?」

「それより、代表たち地下鉄に向かってますけど・・・」

下に降りる階段の一番上で目撃したのはすでに甘い恋人同士の雰囲気を出してる二人。

仲直り最短コース。

見せつけられてる俺たちのほうが照れくさい。

そして、二人で地下に向かう二人を見送った。

数秒後現実に戻った俺たちは二人の後を追う。

「先輩・・・代表、カード取り出してますけど、地下鉄のマネーカードってあんなのでたっけ?」

「千葉、代表が地下鉄・・・いや・・・公共の交通機関利用するの見たことあるか?俺はない」

俺もないですよ。

言ってるうちから代表が改札機に向かって喧嘩を売ってるように見えた。

それをすかさず助けつくし様と二人で改札を抜ける。

そしてすぐにすぐに座り込んでしまったつくし様。

「一平・・・俺・・・もうダメだ・・・」

柱に腕をついてその上に顔をうつぶせて相葉先輩が笑いをかみ殺してる。

ずるいですよ。

俺だった吹き出す寸前なんですから。

二人から目を離すわけにはいかないから、先輩が先に仕事を放棄したら俺は二人から視線を外せないですよ。

「おい、代表をつれも戻せだと」

こっちに引き返してきた代表の姿を確認した直後、相葉先輩が真面目な表情を作る。

二人が離れるってことはどっちかがつくし様ですよね。

俺は、今日はつくし様でいきたい。

「二人ともつくしに付け」

聞こえた代表の声。

「千葉、急ぐぞ」

その声に促されて俺たちは改札を抜けた。

先に俺たちが電車に乗りつくし様が乗り込むのを待つ。

代表が気になるように何度も振り返るつくし様。

終電の列車で恋人を見送りなかなか別れられない恋人たち。

昔見たCMの曲とホームえ手を振り見送る切ない女優の表情と甘酸っぱい感情を思い出す。

俺なら無理だ。

ホームに飛び降りる。

あっ・・・

ドアが閉まる瞬間に代表が電車に乗り込んできた。

俺が思うくらいだから代表が振り切れるわけぇか。

電車の込み具合は朝のラッシューよりはましなほうだがすでにわずかな隙間を残すだけの詰めあい。

動けなくなるのを予想して俺たちは二人の間に詰める。

10センチにも満たない近さでつくし様に触れないようにためを作る俺たち。

痴漢に間違われないようにいつもなら女性には近づかないのに、今は3人の男でつくし様を取り囲んでしまってる。

離れてみれば俺たち異様に見えないだろうか?

脚の踏ん張りどころ根性の見せ所。

離れて護衛してる時より緊張してる。

「送る」

「今は、少しの時間でもお前と一緒にいたい。

やっと本当に夫婦になれた記念日だろう」

線路に響く音に消されそうな声なのに、しっかり聞こえてくる。

その場にいちゃいけないような気分。

それは毎度のこと。

喧嘩してれば、てたら落ち着かないが、仲が良ければよかったでまた落ち着けない。

電車が突然右に大きく揺れたところで代表の身体も傾く。

俺たちの右側に立つつくし様に倒れそうになる身体をいつもよりも耐えた。

普段はどうでもいいことで俺たちは苦労してる。

「大丈夫?」

「慣れてねぇんだよ」

代表・・・

俺たちがいるって、忘れてませんよね。

「頑張れよ」

和らいだままの代表が俺たちを見てもその表情を保ってる。

代表が・・・代表が・・・

あの代表が・・・

俺たちに見せるいたわりの表情。

すげー レア!

すげー 感動!

ありえない。

あり得ないですよ!先輩!

このまま頬をつねって叩いて夢じゃないと確かめたい。

俺、やっぱ代表が好きです。

先輩、今日は仕事が終わったら付き合ってください。

この感動を分かち合いましょう!

言葉にする前に相葉先輩は俺から視線を外すように天井を向いた。

拍手コメント返礼

うさこ 様

アダルト報告書。

いやいや、違いますって(^_^.)

期待しちゃう内容を妄想した殿方達はその後代表とつくしの護衛につくたびに思い出さないか心配です。

代表が好きってそっち系?

千葉君言われちゃってますよ~

俺はノーマルです。

同僚の灰原さんが好きですから!

ここで告白させてどうする(^_^.)

なる 様

見せつけられて、彼女欲しい!

結婚してぇーと叫んでそうですよね。

目の毒だろうなぁ。

でも不機嫌な司クンより断然こちらのほうがお得ですよね。

ゆみん 様

家政婦は見たならぬ、Spは見た絶賛放送中。

ついでに社員は見た!

見たもん勝ちなんてカテゴリー作ったりしてね。

ゆきこ 様

そうなの~

さらりと相葉君既婚歴を暴露しちゃった♪

もうね頭の中で動いちゃってますよ。

まだ公開できないですけどね。

『相葉君が離婚しちゃったわけ』

そして千葉君の恋の行方は!

>足の踏ん張りどころ、根性の見せどころ♪ このフレーズ気に入りました♡

ありがとうございます♪

今夜は居酒屋ドッカンにみんなで集結して酒盛りします?