ラストシーンは夢の中 13

司に抱きしめられちゃったつくしちゃん。

じたばたしないでしっかり司の愛を受け止めてあげないとだめだよ。

・・・って、つくしちゃんおとなしくできるだろうか・・・(^_^.)

逆鱗に触れる。

野獣のしっぽを踏んだ。

頭からがぶりと食われる覚悟であいつの名前を呼んだ。

心なしか震えた声で小さく、それでも・・・しっかりと道明寺と・・・

思いもしなかった極上の微笑み。

それは南極の氷も解かす甘ったるさ。

愛されてるって言葉にされるより甘酸っぱい想いが満ち溢れてキュンと胸の奥が鳴った。

怒ってないの?

聞かなくてもわかるはずなのに確かめたい。

それなのに道明寺の腕が私を抱き寄せて胸元で包み込むから何も言えなくなった。

頬に触れる固い胸元。

そっと髪をとかすように何度も撫でる指先。

手のひらが私をもっと引き寄せる様に後頭部を抑え込む。

そして「会いたかった」の声が私の髪を震わせた。

「これはいったい・・・」

驚きを隠せない声は私の後ろから響く。

私と花沢類のすぐ後ろにいたのは萩野の奥さまとその家族。

花沢類が奥さまの前であんなこと言っちゃうからその気持ちもわかる。

「俺も牧野のことは今でもまだ好きだよ」

道明寺に抱きしめられて熱くてしょうがないのに、あの時のさわやかな花沢類の反則的な笑顔がその熱に輪をかけそうだ。

「俺の女だ文句あるか」

「ないよ」

そう答えたのは花沢類。

ヒトをモノみたいに言われるの好きじゃないのに。

「牧野、ここは司をおとなしくさせる努力を忘れんな」

私の右横に寄ってきた美作さんにくぎを刺された。

好きにさせておけ、私もおとなしくしてろってことだ。

「俺たちの努力を無題にするなよな」

私の左側に近づいてきた西門さん。

西門さんも美作さんもなに努力したの?

助けてもらった記憶はない。

道明寺のわがままに付き合える数少ない人たちってことはわかってるんだけど・・・

今回はそれは私に関係ない。

つーか、今回は私は逆に虫よけにいいように使われたんでしょうがぁぁぁぁぁ。

F4が私を取り囲んだこの状況。

道明寺、花沢類、美作あきら、西門総二郎

人数が増えるたびに悲鳴と熱が上がってる。

この状況で私はどう思われてるの。

萩野の奥さまだけじゃなく船の上では花沢類とずっと一緒で、恋人同士に見られての嫉妬の視線。

花沢類だけでも火傷しそうだったのに、天下のF4が私をににこやかに取り囲んでる。

道明寺には抱きしめられたまま私は身動き一つできずにいる。

華やいだ4人が発するオーラはエントランスの天井からつるされたシャンデリアの明るさをも消失させてる。

萩野の奥さまじゃなくてもどういうことだと思いたくなるのはわかる。

たぶんここでわかってないのはこの艶やかな空間を作り出してる張本人達だけじゃないのだろうか。

これじゃ見世物だよ。

「花沢類さんの彼女じゃなかったの?」

「俺の婚約者だ」

いち早く反応を見せたのは道明寺。

さっきの甘い雰囲気は一気に消え失せてしまってる。

「俺の言ったとおりでしょ」

俺が否定しなくても必死で否定する奴がすぐそばまで来てる。

船の上で花沢類は私にそう言った。

言ったけど、ここで道明寺の顔色が変わるとは言ってなかったよね!

言ってなくても想像は容易だけど・・・。

花沢類!

正解だと言いたげに楽しそうに言わないでほしい。

「婚約したとは聞いてたけど・・・どうしてそのあなたがバイトなんてしてるの?」

状況がいまだに飲み込めてない萩野の奥さま。

御曹司集団を目の前にさすがのセレブの奥さまにも緊張が見える。

バイトをしてるのはまだ結婚したわけじゃない私は、苦学生には変わりはないからです。

道明寺に授業料を払ってもらってるだけで心苦しいのにこれ以上の負担はかけたくない。

だからバイトの掛け持ちやってます。

心中でつぶやく声は誰の耳にも届かない。

「俺もやめろって言ってんだよな」

うわーーーー

頭の上から稲光と一緒に雷が落ちてきたような凄味のある声。

道明寺!

首!

首絞めちゃってるよ。

苦しいっ・・・

道明寺の腕に体重を必死でかける様にぶら下がる。

「あっ、わりっ」

謝ったはずなのに私の身体は道明寺から全く離れてない。

じたばたしてた私の身体の向きは前向きに変わって、道明寺の腕の位置は首から腰に降りただけだった。

そして、見せつける様に道明寺の片方の腕が私のふくらみを押さえつける様に斜めに置かれてる。

「勝手に俺から離れるんじゃねぇよ」

耳元でつぶやいた唇はそのまま頬に触れる。

このままただじゃ済みそうもない予感・・・。

「きゃーっ」

失神しそうな甲高い声がどこからか響いた。

私も気を失いたい・・・。

拍手コメント返礼

ゆきこ 様

司君の腕の中ならわざと気を失ったふりしてもいいかもですね♪

そのままお姫様抱っこされてどこに連れて行かれるの~

ピンクのお部屋はまだ先よ~

ゆきこ様の場合は熱に当てられて倒れるさきはあきら君でしたね。

「危ない」って紳士なあきら君だったら腕をさしださいて助けてくれそう。

司なら床に転がされたまま無視されそう。

こちらはいちゃこら、あちらの船は精神上よくないドキドキ。

この違いは!なんだぁぁぁぁぁ。

それは司君が冷たいからかも?

mizuta 様

気が付いた時はもちろん司君の腕の中ですよね?

ゆみん 様

愛の執着、束縛!

F4だったら許せる。

失神してもしなくても結末は同じだと思いますけどね。(笑)

なる様

ただではすまない。すんでほしくない~

ですですそうですよね。

野獣のエサはちょうど程よく練りこまれて卓上に並べられる段階へスムーズに突き進んでほしいですよね。

うさこ 様

>船では類くんを独占し港ではF4に囲まれてそれだけでも十分凄いのに更に司君に抱きしめられて頬にチュッって・・

つくしちゃんうらやましさ通り過ぎてジェラシーの集中打受けてもしょうがない状況。

誰かひとり頂戴~~~~~。

え?

速攻?

何がですか?(やぁ~ん)

一応カマトトぶってみました。