十六夜の月は甘く濡れて 8

このお話の謎は解けるのか!

そして残された司はつくしにたどり着けるのはいつ?

謎が謎を呼ぶ誘拐事件勃発!

しかし・・・

つくしちゃん・・・

誘拐されるの何度目よ。(^_^.)

司君もしっかりSPつけてなきゃだめじゃいかぁぁぁ。

今回葉っぱSPコンビは連休中だったとか?

司ーーーーーっ

早くつくしちゃんのもとに!

そんな御訪問者の叫びを聞きながら執筆に励んでいます。

*

寒くも暑くもなくて肌に感じる心地よさは雲の上にいるみたい。

少し重たく感じる瞼をゆっくりと開く。

目覚めたいのに目覚めたくない思い。

それはきっと夢見が悪かったせいだ。

真新しい白いシーツは敷き詰めた羽の上を覆ってるようでふわふわとした感触を身体が感じてる。

記憶にない見覚えのない部屋。

あれは・・・

夢じゃない?

ここはどこ?

勢いをつけて起こした身体。

まだ頭がふらつくのはきっと嗅がされた薬のせいだ。

もし・・・あのまま・・・目覚めなかったら・・・

そんな不安な思いが身体を震わせる。

その震えを抑える様に自分の両手で身体を抱きしめた。

私・・・

口をふさがれて・・・

目を開けてることができなくて・・・

ぼやけた視線の向こう側に花沢類が霞んで見えた気がした。

助けて・・・

そうつぶやいた感触は今でも唇に残ってる。

幸い身体を拘束されてることはなく自由に動ける。

生活の匂いを感じない白い壁の部屋。

調度品は必要最低限に整えられたホテルの部屋って感じだ。

浴槽とトイレまで備付られた部屋は生活するには支障のない部屋。

いつもの私なら、うちの居間何個分?

なんて考えて笑える余裕なんてあるわけない。

連れ去られた部屋のお約束通り入口のドアは開くわけなかった。

閉じ込められてる現状。

テーブルの上に置かれたミネラルウォーターの瓶がカーテンから差し込む光に反射して屈曲した光が私の足もとを照らす。

まだ夜にはなってない。

ということは私は眠っていたのは数時間ってこと?

窓に向かって歩いてカーテンを開けて外を眺める。

茶色の目立つ芝生の先に広々と開けた海。

港の近くなのだろうか・・・

小高い丘に建つ建物ってイメージ。

窓から抜け出せないかな?

窓を開いて下を覗き込んだそこには訓練された軍人の雰囲気を放つ黒い大きな犬の放し飼い。

逃がさない。

そんな視線を向ける犬と視線がぶつかった。

吠えるわけでも唸るわけでも威嚇。

数秒後私のことは興味ないというように視線を外してうろうろと歩き出す。

簡単には逃げ出せそうもなかった。

それよりも・・・

花沢類・・・

私のそばにいたはずなのに・・・

どうして?

助けてくれなかったの?

今までの花沢類には何度も助けられて、私を守ってくれたはずなのに・・・

私を取り囲んだ男たちはサングラスしてたから人相をはっきり見たわけじゃないけど全く知らない相手だと思う。

道明寺やF3の周りにいる屈強なSPなら大体が顔見知り。

誘拐するのに知ってる人間を使うとは思わないけど、花沢類が私をさらった理由がわからないよ。

本当に私をさらったのは花沢類なのだろうか?

考えれば考えるほど悩みは大きくなって深い迷路に迷い込むようだ。

考えるのをやめたほうがどれだけ楽か・・・

そんな思いがぐるぐると頭の中に渦巻いてる。

その思いを断ち切るように階段をゆっくりと登るような足音が響く。

その音は徐々に大きくなって、この部屋の前で止まった。

それはまるで死刑執行人が私の目の前に近づいてくるような緊張感。

ごくりと喉を鳴らす音と心臓が胸を大きく打つ音だけが部屋中に響いて、私はドアのノブが回されるのを今かと凝視してる。

開いたドアから見えたスニーカー。

響いた足音は革靴のイメージ。

なぜかその違いにわずかに気持ちが落ち着いてる。

スニーカーの上にはジーンズとシャツのラフないでたち・・・

逆光で表情がわからないがすらりとした長身が私を見下ろしてる。

花沢類・・・・

顔は見えなくてもこのシルエットを私が見間違うはずがない。

「気が付いた?」

私を気遣うような声。

その声はいつもの花沢類の優しさと甘さで私を惑わせる。

「どうして?」

「どうしてだと思う?」

私がときめきを感じる微笑。

見えないはずの花沢類がそんな微笑みを浮かべてる気がするのはなぜだろう。

「牧野のことが大切だからかな」

こつんと一歩部屋に足を踏み入れた花沢類の表情がやっと読み取れた。

ビー玉の吸い込まれそうな瞳はいつもみたいに優しくて、いつもと変わりなく私を見ている。

それなのに・・・

近づいてほしくない。

距離を置くつもりで後ろに下がる。

すぐにベッドに阻まれて私は逃げ場を失ってしまった。

拍手コメント返礼

ゆきこ 様

>気になる~気になる~続きが気になる~♪

ありがたや~ありがたや~ありがたや♪

わ~い息してもらえてうれしいねぇ類君♪

『おれはちっとも嬉しくねぇよ』by 司。

司とF2は何してんでしょうね。

精神上ドキドキする展開にもうしばらくお付き合いをお願いします。

ゆみん 様

じっちゃんの名にかけて!

金田一君を連れてくるのはもうしばらくご猶予をお願いします。

謎は解けた!

まで秒読み開始ですよ~

Gods & Death 様

コメントありがとうございます。

無理なさらないでくださいね。

温かくなったら土筆とともに顔を見せていただけたら嬉しいな。

なる 様

この類君謎が深まるばかりの展開ですが、最後はいつものつかつくにもどります。

早く司がつくしちゃんを見つけちゃうとお話は終わっちゃうんですよね。

さぁ~この話は何話まで行けるかな・・・(^_^.)