DNAに惑わされ 37

あたらしく登場のオリキャラお坊ちゃま君。

男版真美氏のような匂いがしてます。

この新キャラはどんな成長を見せるのか楽しみなところです。

不機嫌な鮎川の表情は僕に向けられたまま何かを訴える。

助けてよ。

そんな弱いところを見せる鮎川じゃない。

でも見てるだけの僕を責めてるってことはわかる。

ごめん。

はっきりと断る鮎川に見惚れてた。

「だったら、それはもう聞かないから放課後付き合ってよ」

断れるはすがないの強引さで青葉は鮎川の机の前に両手をつく。

相手にしない態度で立ち上がりかけた鮎川の肩に手を置いて押しとどめる。

「悪い、鮎川は今日は僕と付き合う予定だから、明日も明後日もずっとね。

だから鮎川を誘うことはやめてくれるかな」

鮎川の横からくいっと身体を青葉に近づける。

「鮎川は俺のだから」

鮎川に聞こえないように青葉の耳元でつぶやいた。

低い声は自分でも驚くほど冷気を含んでた。

「いこう」

青葉から鮎川を引き離したくて鮎川の腕を握って教室から抜け出した。

今、すごくムカついてる。

鮎川に言い寄るやつを全部殴りつけて排除したい感情。

誰にもとられたくないって思う剥きだしの独占欲。

今、鮎川を離したくなくて、離れたくないって思ってる。

鮎川は俺のだから・・・

自分言った言葉が自分の知らない感情を引き出したみたいだ。

自分の言葉に酔うってこんな気持ちなのだろうか。

「ねぇ、どこに連れて行く気?」

休み時間のにぎやかな声がとぎれとぎれに聞こえる少し教室から外れた廊下。

美術室から絵の具の匂いが漏れる。

どこか行きたかった場所があるわけじゃない。

「ごめん、あいつから君を離したくって」

ドアに持たれた背中からゴトンと音が響く。

「だからって、美術室?誰もいないんだけど」

声のしない方向に気が付かないうちに自然に連れてきてしまってた。

なのにわざとこっちを選んできたみたに思えて、悪いことをしてるようなそんな気まずい感情が生まれてる。

「ごめん」

「いいけど・・・」

俯き加減で目を伏せる鮎川の長い睫。

少し震えてるように見えるのは鮎川がくすっと笑ってるからだと気が付いた。

交差させた足もとはあるはずのない小石をけるような動作を何度か繰り返してる。

「こうやって、二人で話すのって帰国後初めてだよね」

僕より遅れて帰ってきた鮎川。

確かにそれは久しぶりの二人だけの時間。

「鮎川は俺のだから」

そうつぶやいた鮎川の声に見つめあったまま流れる沈黙。

「聞こえてたんだから」

少し照れくさそうに染める頬。

やんわりと色づく肌の変化は胸の奥に甘づっぱい思いをあふれさせる。

「抱きしめたい」

照れくさそうに僕を見つめる鮎川の返事を待てる間もなくて僕は鮎川を抱きしめていた。

拍手コメント返礼

アーティーチョーク 様

そうなんです!

青葉君KYな性格なのです。

問題はそこ!

自分が一番だと思ってるの~

井の中の蛙だと知るまであとどれくらいだろう?

駿君しっかり教えてあげないとダメだよ。

なる 様

新キャラ投入でこのお話も楽しくなって来ました。

駿君の相手になるのかしら?

俺のだから。

旦那に言われたらなった覚えはないと返しそうです。(笑)

うさこ 様

>はっきりしてる鮎川さんと冷気を含んだ低い声の駿くん。

>まるでつくしちゃんと司君みたい。美術室に連れ込んで・・抱きしめて・・止められなくなって・・そんなとこも父親譲りなのかな?

きゃーーっ止められなくなるの~~~~

どうしましょ♪

人気のない美術室♪

つかつくで音楽室のパターンはどこかであったような♪

小道具は筆?

それは早いでしょ。(^_^.)

鮎川さんにひっぱたかれる駿君は見たくないかも・・・

しにょ 様

美術室に入って出てきたときには鮎川からなのはに呼び名がへんかしちゃったりしたら?

きゃーーー

それはそれは早急すぎです。

まだ駿君には大人になってほしくないのと願う私です。