花丸食堂の奇跡(whitedayの夢のあと 番外編)
つくしと司がいった定食屋さん。
この後道明寺HD社員の憩いの場になったとかならなかったとか。
そんな番外編をおーじ様のコメントをもとに書いてみました。
*ここは一流企業が立ち並ぶオフィスビルの一角。
ビルの陰に隠れて昼間でも暗い路地裏に昭和初期に暖簾を下ろして開業。
紺色に白抜きした花丸の文字も今は茶色く色を変える。
昼時は家庭の味を求めた企業戦士たちが「おばちゃん日替わり一つ」と780円の定食を食べにやってくる。
ほとんど入れ替わり立ち代わりにやってくる常連客。
時には恋愛相談もありの気軽なやり取りの会話に笑顔がこぼれる。
そんないつもと変わらぬ日常にそれは突然やってきた。
若い女の子と高そうなスーツの男性。
上司と部下にしては女性というよりは女の子の呼び名が似合うかわいいタイプ。
年齢の割には近寄りがたい雰囲気の男。
こっちはどこかで見たことがある。
「でもいい男だね」
思わず見とれてしまった60過ぎの花丸定食屋のおかみタメさん。
掃き溜めに鶴とはこのことか。
一流企業の多い土地柄、仕立てのいいスーツを着こなすサラリーマンも多い。
その中でもめったにいない上質性。
一歩足をふみいれただけで変わる空気感。
定食を食べてた常連客の一人は持っていた箸をポロリと落としてしまった。
「知ってる人?」
新しい割り箸を渡しながら小さな声で聞くタメに常連客は「俺の会社のTOP」と上の空の声。
驚きの声はそのあと感嘆符の声に変わる。
それはアイドル並みの興奮。
定食を食べるのも忘れたように写真を撮る音がパシャッとあちこちから響く。
水を運んで注文を取る。
運んだ定食を前におかずを交換したり取り合いっこしたり、それは年相応のカップルのノリ。
そこいらで手をつなぐ若いカップルと変わらない。
優しく微笑み表情だけでなく甘い雰囲気はおばちゃんでもわかる。
私もあんな頃が・・・
3つ年上の長年連れ添った旦那は厨房で腕を振るう。
あれでも昔はもっとほっそりとしててかっこよかったはず・・・
体型だけはでっぷりと肉をつけて社長の貫録だけはついている。
彼らが食べ終わって出ていくまで一心に注目を浴びていた。
店から出て行った途端に空気が変わった。
その数分後バタバタと飛び込んできたお客。
「えーーーもう帰っちゃったの?」
落ち込んだ声に「すぐさっきまでいたんだから」と告げる先客。
「いやーん!私も花丸食堂行けば良かったぁ~」
「みてみてよ!この代表の顔~いつものクールなイケメンが、子供みたいに無防備な笑顔~」
手の中の小さな四角に収めた写真を見せて自慢?
「写真じゃなくて、実物見たかった~♪」
実物のほうが何倍もいいと横から写真を覗き込んだタメは思う。
「えー代表は、何食べてた?
唐揚げ定食
まっまじで! 」
うちの旦那がつくる味はそんじょそこらに負けない家庭の味。
「で、あの噂の婚約者はしょうが焼き定食! 」
あの子・・・
婚約だったのかい。
よくある政略結婚じゃないってわかる甘さ。
「しかも、花丸食堂ってお昼時なんて道明寺HDの社員ばっかりじゃん!
A子の話では、会社のエントランスを颯爽と出ていったらしいけど、まさか!隣の食堂にいるとはね~
レアな社長と婚約者を目撃した社員は、まさにラッキーってことよね! 」
盛り上がるノリは空腹なはずの彼女のおなかは鳴らさずに喉を鳴らす。
「代表、また来るかな」
ちっこい彼女のほうはおいしかったって言ってくれたよ。
あんたらのTOPはただ笑顔で愛しそうに彼女を見てただけだったけど。
「さて、お昼どーする?花丸食堂行く?代表が見れるかも 」
「行くー!! 」
そんな会話が会社で広がってあの日から我が家の店の前は行列ができる。
「ちょっとーみてよ~…唐揚げ定食としょうが焼き定食……完売だって!!」
今までも人気のあった定食なのにここ数日完売がつづく。
代表と婚約者が食べた定食が食べたい!
何…皆考える事一緒って事なんだね。
今道明寺司とその彼女隠し撮りの写真を定食メニューの隣に張りたくて常連客と交渉中のタメ。
定食1年分でく口説き落としてところであった。
拍手コメント返礼
ゆみん 様
このコメいただきました。
定食屋夫婦の設定ばっちりじゃないですかぁぁぁぁぁ。
>ちゃっかり者のタメさん、そんな古女房のワクワクした顔をチラリと確認して、
>黙ってキャベツの千切りをする大将、口の端が僅かに笑ってる絵が…
>噂のラブラブ定食屋さんは御夫妻も実はラブラブ?
次回作決定?
オリキャラ増産中!サイドストーリー・・・どこまで増える?
なる 様
小汚い食堂が新名所となるのも司だから♪
誕生の瞬間に立ち会えるのは宝くじに当たるよりレア♪
司に会えるのと6億円・・・
即答は無理だ~~~悩む。
隣同士の席にすわれば、椅子を引くこともできずたがいの背中の位置を確認できる距離の小さな定食屋さん。
司と背中合わせな座ってたら食事どころじゃないでしょうね。
ドキドキ感半端ないだろうなぁ。
ヒロコッコ 様
ほのぼのコメありがとうざいます♪
Gods & Death 様
そうなんですよ~
番外編は何にもとらわれず気ままに書けるので楽にかけちゃいます。
こうしてサイドストーリーがまた出来上がるのだ~
それはそれでヤバいんですけどね。(^_^.)
店員になって有名人会う。
確かに夢だ~~~。