ANSWER 19

そろそろ新しい展開に話を進めたいと思って構成を進めてますがなかなかそこに行きつかない。

舞と佑に恭介と薫子。

翼とすずなちゃんも忘れたらダメですよ。

そう思いながら翼の恋愛の興味が減少中。

思い返せばこの子供たちの恋バナのお話は翼が主人公のはずだったのに・・・

さてこの3様の恋バナはどう決着を迎えるのか!

今のところ私の中でも未定です。

「何か怒ってる?」

私の腕をとって歩く佑は、この場から少しでも早く離れたい態度の速足。

いつもの佑なら私の歩調に合わせるように気遣って・・・

こんな一方的で強引なことはしない。

廊下を進むたびにほかの生徒の視線が私たちを見送ってる。

私の声にも、その視線も無視。

そんなの佑らしくないよ。

非難気味に見上げた背中。

歩くたびに揺れる背中から穏やかさは消えて、不機嫌なオーラが見える気がした。

「佑・・・怒ってる?」

もう一度、さっきより少し大き目な声を不機嫌な背中に投げかける。

グッと佑について歩くのを拒むように腕を後ろに引いた。

私の動きにつられるように佑の身体が少し斜めに角度を傾けて足を止めた。

やっぱり怒ってる・・・

振り向いた佑の表情はわずかに口角をむっと結ぶ。

普段と対して変わらない微妙な変化にすぐに気が付いてるの・・・

きっと私だけだって思う。

立ち止まった佑にキャーってうれしそうな声がところどころから聞こえてきた。

「嫉妬してるの気が付かないの?」

いつもよりトーンの低い声はそのまま私に覆いかぶさるように響く。

「キャー」

悲鳴に近い声は私じゃなく煌びやかな声を佑に向けて発していた女生徒からのもの。

身体を押し込まれて頭上にガタンと響いた音と悲鳴が重なった。

私の頭上の上に置かれた佑の上腕が私たちの距離を近づけてしまってる。

少し視線を上げただけですぐ目の前に佑の表情が迫る。

「佑・・・近いよ」

佑の胸元を両手が押し出すように動いた。

その腕は直ぐに佑につかまれて・・・

手首を握る佑の指先の感触。

心臓がキュンと悲鳴を上げそうになった。

「舞・・・聞いてる?」

真剣なまなざしに真剣な声。

「嫉妬したって言ってるのわかる?

俺以外のやつを舞が気に掛けるのが気に食わないって言ってるんだけど」

大人びた雰囲気の諭すよう瞳がさっきより私に近づいてる。

それってきっと大内先輩のこと?

たぶんそうで・・・

佑が大内先輩のことで不機嫌になるのは今日だけじゃなくて・・・

悩んだこと忘れてただなんて・・・

私ってバカだ。

でもそんなんじゃないから。

ほら、今回は本城さんがかわいそうだって思っただけで、大した意味はない。

「俺だけを見て」

胸の奥をむずっとした感触が湧き出てドクンと心臓が飛び跳ねて、佑に伝えたいことが何だったのか頭の中から抜け落ちてしまった。

「教室に戻ろう」

手首を握っていた佑の指はそのまま私の手のひらに位置を移す。

交互に差し込まれた指先はそのままギュッと私の指を握りしめる。

恥ずかしいのにその手を離したくなくて握り返してしまってた。