PHANTOM 6

久々の西田さん日記はいかがだったでしょうか?

西田さんの性格もだんだんと変わってきておちゃめになってる気がします。

そんな西田さんに愛着を感じる今日この頃の私です。

次回はいつ坊ちゃん観察日記書こうかな。

SP日記の千葉君と相葉君の葉っぱコンビも出番を待ってたりして・・・(^^)/

「ただいま帰りました」

事務所のドアを開けて帰社を告げる私に驚いた表情が二つ見つめる。

「つくしちゃん、どうしたの?」

どうしたって?

甲斐さんのまん丸く見開いた瞳は私を通り越してすぐ後ろの人物に注がれていた。

松岡公平。

私の大学の同期で一緒に司法修習を受けてただいま新人、検事なりたての彼。

弁護士と検事裁判所では敵となる相手も今は気心のしれた仲のいい友達。

私の数少ない男友達の一人。

道明寺に言わせると「お前の周りをウロチョロする奴はあいつらだけで十分だ」といい顔はしない。

花沢類、西門さん、美作さんのあいつらだけで十分だと言い張る3人でも道明寺が一緒じゃないと機嫌が悪くなる。

仕事の指導者の甲斐さんにだって威嚇するからたまらない。

公平だと完全に気に食わないって威嚇に警戒を加えるからこれも大変。

できるなら公平と道明寺は会わせたくない。

「あっ・・・途中で偶然会って・・・

仕事で玲子さんに会いたかったみたいですよ」

身体をわきに寄せて公平の前に道を開けた。

「お久しぶりです」

公平もこの事務所で実務実習を受けたからみんなとも顔見知りだ。

すぐにくだけた雰囲気で事務所内の空気の中に公平は溶け込んでしまってる。

「あぁ、例の裁判のことね」

直ぐに理解して二人は仕事の話を始めてる。

「つくしちゃん」

焦った様子で甲斐さんが私の袖を引っ張って部屋の隅っこに連れていく。

「何かあったんですか?」

「あのさ・・・松岡と一緒のとこ代表に見られてないないよね?」

道明寺HD本社ビル。

道明寺が近くにいれば周りがざわついて空気が変わる。

ピンと張りつめた空気に混じる艶やかな色合い。

一点に集まる視線。

目立つオーラに吸寄せられてそのオーラのあとを視線が追う。

道明寺の動きのあとにできるオーラーの道筋。

そんなものはありませんでした。

「まさか、私が出てったあと道明寺が甲斐さんに無理難題いいました?」

道明寺を無視する態度でほっといて出ていった私。

気にはなってたけど仕事を優先。

これは道明寺だっていつもそうだから文句は言わせない。

忙しいあいつに約束を破られても今まで文句ひとつ言ったことなんだから。

大変だね。

がんばって!

身体大丈夫?

寂しさを紛らわせるように笑顔を作っていたことわかってないでしょう。

いつもいつも道明寺のいいなりに時間を作っていた学生時代とは違うんだから。

仕事だぞ。

「つくしちゃんが帰ってきたら執務室にきてくれって、伝言を頼まれたよ」

「甲斐さん、その言い方はやさしすぎだよ」

伝言じゃなく絶対命令口調に決まってる。

「戻ってきたら速攻で執務室に来るように伝えろ」

両目に人差し指を当てて目じりを釣り上げて不機嫌な口調を真似する。

「こんな言い方ですよね?」

「よくわかるね・・・」

早く行ったほうがいい、そんな催促の哀願の表情を漂わせる甲斐さん。

「でも、まだ昼休みまで20分ありますよ」

話し合いの結果をすぐにまとめたい私。

昼休み前の貴重な20分を有効に使えば今日は定時で上がれるから夜はゆっくりできる。

自分のデスクに戻ろうとした私をグイと甲斐さんが引き止めた。

「つくしちゃん、甲斐君生きた心地しないだろうから直ぐに代表に会いに行ったほうがいいわよ」

玲子さんは甲斐さんと違って余裕な声。

「20分早く休んで、そのことでつくしちゃんを責める社員はいないから」

それがヤダから私なりに頑張ってるんですけど。

「あっ、つくしちゃん、代表がなにを言っても、それは誤解だってしっかり弁明してくるのよ」

弁明って・・・

道明寺が誤解するようなこと何か・・・した?

まさか!私が気が付かないうちに公平と一緒にいるとこ見られたとか?

もう!

仕事でいっぱいいっぱいなのに!

頭が重い・・・