PHANTOM 20

楓さんが登場、ついでに椿さんも♪

なんてね。

椿お姉さまがいてくれたほうがつくしちゃんはたすかるかな?

さてどうなる。

今どうして執務室を目指してるのか?

その理由がわからなくなってきた。

そして、どうして、あそこでババアと出会う。

本社に来る理由なんかあったか?

なんも聞いてねぇし。

誰かが俺たちを邪魔してるとしか思えない。

つくしのやつは私を見捨てようとしたってさっきから耳元でざわざわと騒ぐ。

俺は見捨ててねぇぞ。

俺が食事に行かないっていったのはお前も行かせないってことも含んでる。

普通気が付くだろうがぁ。

パタンと閉まるドアの向こうから出てきたのは千葉と相葉。

俺のSP

そうだった・・・

つくしが何やらやたらと千葉を気にする素振りが気になった。

なんせ俺から逃げ回った直後・・・こいつら一緒だったんだよ。

なんかあったろう?

「千葉」

声をかける前から緊張の表情を浮かべてる。

「こいつと何があった?」

俺の後ろにいるつくしを指でさしながら視線は千葉に釘づけ。

動揺を見せたらそこが千葉の最後。

「変な言い方をしないでくれる。

千葉さんと何かあるわけないでしょう」

うるせぇ雀のさえずり。

だれもお前と千葉の関係を疑ってはいない。

千葉よりも相葉がもつくしの言葉を裏で解釈した表情でポカンとしてる。

そしてククっと笑いを漏らす。

俺の考えを理解してないのはつくしと千葉の二人だけとか・・・。

「だったら、白状しろ」

「だから何もないって」

言葉でつくしを攻めながら視線は千葉を射ぬく。

ごくりと千葉の喉元が動くのが見えた。

「偶然一緒になっただけだって、千葉さんは心配してついてきてくれただけだから」

人間気まずいことがあると気は多弁になるって言ってなかったかよ。

さっきからつくしが一番しゃべってる。

「それより、お母様待たせたらいけないんじゃないかな?」

「待たせとけばいいんだよ」

俺は行くつもりねぇし。

つくしと二人で食事の予定は根本的に変えるつもりはさらさらない。

お前も行きたくなかったんじゃないのかよ。

千葉たちから俺を引き離すほうをつくしは選んだってことは・・・

やっぱり俺に隠してることあるだろう。

「嘘つくのが下手すぎなんだよ」

「俺をだませると思うのは100万年早い」

「だから何もないって」

「千葉とお前が俺に言えないような関係あるわけねぇだろう。

あいつも命はおしいだろうしな」

言葉をつなぐたびに近づく距離。

息の触れ合うまで追い込めた俺に追い込まれたつくしは壁際まで下がって逃場をなくす。

「そこは、うたぐってないんだ・・・」

こいつ・・・今ほっとしたか表情を見せなかったか?

なんかあったのかよ!

一瞬浮かんだ疑惑はあたふたな表情を浮かべる千葉を見た瞬間に消えた。

顔面蒼白。

よく漫画で見かける顔半分に黒い縦線が数本書かれたような落ち込んだ表情。

必死で考えを俺への言い訳考えてるって表情の千葉。

その横で相葉は苦笑を漏らしてる。

「あの、これ受け取ってください」

こらえきれなくなったように千葉がスーツの内ポケットから取り出した白い封筒をつくしの胸元に押し付けた。

その封筒・・・

離婚届じゃねぇよな?

千葉っ!

言うに事欠いて受け取ってくださいって!

どういうことだ!