PHANTOM 21

司の微妙な不安はここからどういう行動を起こすのか。

もうここまで来ると予測が難しくなってきてるような気がしてきます。

私の頭の中がPhantom状態になりそうです。(;^ω^)

受け取ってくださいと千葉さんから渡された封筒はさっき私が無理やり彼に押し付けたもの。

道明寺に奪われないために千葉さんに渡したのに道明寺の目の前で返されてしまった。

「千葉、お前、今どきの中学生もそんなラブレターの渡し方しないぞ」

相葉さんは千葉さんをからかって楽しそうに笑ってる。

「先輩!変なこと言わないでください」

「だって封筒渡してるし」

私の胸元を人差し指で示す相葉さん。

えっ?

冗談で言ってるわけじゃないの?

相葉さんから自分の胸元そして千葉君と移った視線。

「それにラブレターならもっと可愛い封筒で渡しますよ」

千葉さんは相葉さんにそう言って食い下がる。

そこ!

ラブレターを否定するのは大事だと思う。

離婚届が入ってると勝手に勘違いしていた道明寺。

まさか今度は本気でラブレターとか思ってないよね?

そして千葉さんの言葉の勢いが途切れた。

時間が止まったように微動だしない二人。

動きたくても動けない空気があたりを包み込む。

「千葉、俺の目の前でいい度胸だな」

凄みを帯びた声。

鋼の鎧も突き破りそうな眼光。

「決してそんなことはありません」

悲痛な表情はそのまま弁解を繰り返す。

道明寺と千葉さんの距離はまだ十分に開いてる。

飛躍して飛びかかれば一発で仕留められそうだけど。

「これは私が千葉さんに預けた封筒だから。

千葉さんは返してくれただけなの。怖い顔しないでよ」

これ以上千葉さんに迷惑はかけられないと道明寺に面と向かってつぶやく。

もうこうなれば一緒に見たい舞台のチケットだって言って「一緒に行ける?」って誘ってみよう。

当日のサプライズデートの計画はこの際なくなっても仕方ない。

「お前が俺に取られないように必死になってた封筒だってことは分かってる」

離婚届だと勘違いしていたことを思いだした表情の道明寺。

「そんなに俺に見られたくない内容のものってなんだ?」

「渡せる時がきたら道明寺に渡すつもりだったの。

道明寺はきっと喜んでくれると信じてたんだから」

大きな瞳がますます大きく開いて私を見つめる。

そして・・・

「そうか・・・」

とつぶやいた唇は無邪気にそして嬉しそうにほほ笑んだ。

「待ってやる」

「え?」

「お前が俺に渡すその時まで待ってやるって言ってんだよ」

ほころんだ表情はそのまま有頂天まで到達してそう。

封筒の中身わかってるのかな?

ここまで喜ぶとは思ってなかったんだけど・・・。

「ラブレターならラブレターだって言えよ。

そういや、お前から手紙もらうなんて初めてだもんな」

あっ・・・

相葉さんが言ったラブレターが勝手に動いてしまってる。

封筒の中にはラブレターなんて入ってないから!

それに玲子さんから公平経由で道明寺の目の前で私に渡された封筒の中身がどうしてラブレターになるのよ!

うれしさを隠そうとしない道明寺にラブレターじゃないなんて言えない。

私はラブレターを書く羽目に陥ったことを悟った。

どうして簡単にここまで勘違いできるの?

これでよく大企業のTOP勤まるものだ。

私のことになると本当に単純なんだから。

私にだけに見せるその単純さが好きだ。

まっ、いいか。

そう思える私も単純。

千葉さんに「悪かったな」って珍しく機嫌よく謝る道明寺がおかしくて、愛しくて、かわいくて・・・

ラブレターくらい何枚でも書いてやろうじゃないの。

あっ・・・

その前にお母様とのランチがあったんだった。

拍手コメント返礼

りん様

お久しぶりです♪

拍手ありがとうございます。

どんなランチになることやら~

楓さんを呆れさななければいいんですけどね。

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一時間ごとの集計になるので反映されるのは遅くなるんですよね。

ランキングポチうれしいです。

ありがとうございます。