十六夜の月は甘く濡れて 19
このお話もいちゃこら仲直りを目指して最終章を目指してます。
久々のお☆様にたどり着けるといいなぁ。(;^ω^)
さてこのお話が終わったら久々にあきらと葵ちゃんのお話し書いちゃおうかなって思ってます。
ただいまANSWERで不安定な立ち位置の佑君。
誕生編や子育て編が見たいというリクも以前いただいてました。
さてどのあたりのお話で書こうかなとただいま思案中。
ご希望があればリクよろしくお願いします。
いつもたくさんの拍手ありがとうございます。
拍手コメなかなかお返事できなくて申し訳ないです。
ようやく拍手コメまでお返事できそうな状況に戻りました。
昨日のコメの分よりお返事を返していきたいと思ってます。
「司らしいな・・・」
開いた窓から身体を乗り出した私の横で空を眺めながら花沢類が静かに微笑む。
パラパラと誰でも気が付く騒音をまき散らしたヘリはこの島の中心の立つ建物の上。
建物の中から飛び出している人影もちらほら。
なのにあれはなに?
鳥か!
飛行機か!
スーパーマンか!
一昔前の映画じゃないつーの。
ヘリの中から下ろされた縄梯子。
その梯子の真ん中にぶら下がってるのは道明寺。
海の真ん中にヘリが飛んできただけでも目立つのにヘリ以上に道明寺が目立つ。
地上では道明寺を指さしながら男たちは騒ぎ出してしまってる。
「ねぇ、あの人たち私たちのところに来るんじゃないの?」
一応私は人質的な要素があるわけで・・・
道明寺をおとなしくさせるために、私の喉元にナイフを近づけて「どうなってもいいのか!」的に脅されるとか・・・
それが一般的なドラマの筋道だと思う。
「ターゲットはどちらかというと、俺たちより司だから大丈夫だよ」
「大丈夫って・・・」
あんぐりと口を開けた私の前には涼やかすぎる花沢類の微笑。
「それにまだこの屋敷に残された連中は俺が敵だとは気が付いてないしね」
「つまり、牧野と一緒に俺がいるかぎり別な奴がここに近づくことはないってこと」
花沢類のこの余裕がどこから来るものかは納得できた。
それじゃ危険を一身に道明寺が受けてしまってことにならないの。
「司なら、このくらいの人数一人で片づけるよ。
俺たちが助けに入ったら俺だけで十分って文句を言うだろうし」
少し遠くに目をやる花沢類の視線は船着き場を見てる。
そこには見慣れないクルーザー。
そして降りてきた二つの長身の人影。
その影は私たちと同じようにヘリを眺めて立ち止まっていた。
西門さんと美作さん・・・来てくれたんだ。
ホッとするには十分すぎる二人。
同じように眺めた私の目の前で、縄梯子から手を離した道明寺が颯爽と地上に膝をつく形で舞い降りた。
さすがにかっこつけて、くるりと一回転とまでは行かなかったがそれでも道明寺が降り立った瞬間に花弁が舞い散ったような華やかさ。
数人の男たちも散らばったまま無言で見入ってる。
「人が助けに来てるのにいちゃつくんじゃねぇよ」
私と花沢類が並んで見下ろしてるその下でポケットに片手を突っ込んだままで道明寺が叫ぶ。
「このくらいじゃいちゃついてるとは言わないでしょう」
窓のさんに両手についたままの花沢類の肩がわずかに私の身体に触れた。
離れるつもりで身を乗り出し過ぎた私は少し態勢を崩しかけて落っこちそうになった。
直ぐ様花沢類が危ないと助けてくれたけどしっかりと花沢類に肩を抱きとめられてしまってた。
「あっ・・・ありがとう」
横に向き合った顔が何気にさっきより近い。
「類!それ以上牧野に近づくな」
「近づかなきゃ牧野は下に落ちてたよ」
「俺が受け止めるに決まってるだろうが」
道明寺の視線は私たちに向けられたまま。
それなのに道明寺がしゃべるたびにその周り倒れてる男が増えている。
「弱すぎるだろ」
つばを吐くように言葉を吐き捨てた道明寺。
「お前が強すぎるんだよ」
そう言って上に伸ばした指先をパチンと鳴らして美作さんは合図を送る。
パラパラとクルーザーから降りてきたダークスーツの集団。
倒れこんでる男たちより一回りは大きくて屈強な肉体は服の上からも容易に想像できる。
「SPでも差があるな」
倒れてる男たちを確保してるSPを眺めながら西門さんは優雅に微笑んだ。
まさか・・・西門さん・・・
ここに茶道を教えにきたの?
そんな古風印象も受ける佇まいはさすが家元の風格。
「ベッドの上の映像より今のお前らのほうがムカつく」
今この島の上には私と花沢類と道明寺と西門さんと美作さんだけになった。
「ベットって・・・」
思い浮かぶのは花沢類に言われてベットの上に倒れこんでる私たちのアレ?
あれ・・・見られたの!
なんにもしてない!
なにもない!
不安と恥ずかしさのいれ混じった感情は過去の記憶を呼び起こす。
ことの始まりの豪華客船の中で花沢類抱きしめていた私。
それも見ていた道明寺の怖いくらいの嫉妬。
たぶん今もあの時に道明寺につけられた嫉妬の烙印は体中に残っていはず。
戸惑った心を隠せないまま恐る恐る道明寺を見た。
「俺様が助けに来たんだ。もっと嬉しそうな顔を見せろ」
ムッとしてるはずなのに・・・
道明寺の声はいつもより特別でやさしくて甘く耳に届く。
高く差しのべられて大きく広げられた両手。
二階までの離れてる私たちの距離が一瞬すごく近くなった気がした。
「・・・っ、大丈夫か?」
地上にしりもちをついた格好の道明寺の上にはしっかりと抱きとめらた私がいる。
「大丈夫・・・」
「囚われて食欲もないかと思ったら、結構食ってたな。ぜんぜん痩せてねぇな。心配して損した」
飛び降りろって言ってきたのそそっちでしょ。
すぐに階段を下りれば済んだのにすぐに道明寺のそばに行きたくて・・・
どうしようもなくて・・・
もっと優しい言葉言えないのかな?
言葉を出そうと唇を動かした瞬間に頬に感じる道明寺の手のひら。
やさしく私だと確かめるように輪郭を包みこむ手のひらの温もり。
「牧野・・・」
道明寺が言葉を紡ぎだす前に身体が動きて、両手を道明寺の首に巻き付けて思いっきり抱きしめてしまってた。
拍手コメント返礼
やなぎ様
行く!いけ!行く!のお誘い?励まし?に弱いのよ~
ぜひ最終話は限定公開でやりたいな~
ぬ?やるって~~~キャッ。
ゆみん様
羽が生えちゃったら坊ちゃんヘリに逆戻り♪
その時はつくしちゃん忘れずに連れていかないとだめですよね。
くるくる頭にパタパタの羽の坊ちゃん想像したじゃないですか~。