PHANTOM 22
つくしのラブレター・・・
書くの?
今更なんですけど~と・・・
そう筋書をもっていった私が悩んでます。
つくしが司に書くラブレター。
う~ん~悩む。
ドラマの中の最終話でつくしが司の手紙を読んで涙するシーン。
今度は司で再現させられるかは疑問だな。(;^ω^)
「西田、いきなりおふくろが帰国したわけ聞いてるか?」
一度執務室に戻った道明寺はラブレターで浮かれていた様子は微塵も見せずに西田さんと向かい合う。
「突然帰国されることは珍しいことではないと思いますが?」
「最近はなかったろう」
「代表を信頼して会社を任せられてましたからね」
西田さん語尾が過去形になってる?
西田さんの次の言葉が気になるように思わず背伸びをして道明寺の後ろから顔を出してしまった。
「ご結婚されてから浮かれてるとは大きな声では言えませんが・・・」
十分西田さんにしては腹の奥から出てる声。
普段の話声の30%は増量されてるって思う。
「今までと変わりねぇだろう」
「社員食堂に行ったり、廊下を走り回ったりはなかったはずです」
パカッと片手で開いた携帯。
その画面を見てついたため息。
そして、西田さんは携帯を閉じて上着の内ポケットにしまい込んだ。
その一連の流れだけで携帯の中見を鼻先に押し付けられたような気分になる。
執務室にいなかった道明寺の姿が今西田さんの携帯の中にどれだけあるのだろう。
「お前か?」
「いいえ」
言葉数は少ないやり取り。
鋭い視線に対抗する落ち着いた態度。
二人の中に流れる空気は言葉の数より重い。
『おふくろにチクったのか?』
『私がそんな愚かなことをすると思いますか』
3文字の言葉の影にそんな会話が隠されてるのがはっきりとわかる。
いくらなんでも今日の追いかけっこの騒ぎのことはお母様の耳には届いてないと思う。
最近同じようなことあったっけ?
「今日の予定はすべてキャンセルにしておきましたから」
「手回しがいいな」
「代表がつくし様を追いかけられて出ていかれた時点で仕事にならないと判断させていただきました」
責められているような、責められてはいないような・・・
相変わらず西田さんの感情を表情から読み取るのは至難の業。
舌打ちをする道明寺は思春期の息子が父親に見せる反抗的な態度に見える。
主従を超えた関係がこの二人にはあるんだよね。
「あんまり苛めないでくださいと会長には言っておきましょ」
先手を打つようにつぶやいた西田さんに「必要ねぇよ」とふてくされたように道明寺がつぶやいた。
ランチと言うには贅沢な懐石料理が並ぶテーブル。
お昼からこんな豪華な料理って・・・
大きな皿に絵画のような盛り付け。
和紙に書かれた献立の文字。
草書の文字は達筆すぎて、全部読めない。
夏野菜の・・・スズキ・・・の・・・
諦めた。
「つくしさん」
おもむろに名前を呼ばれた私は「ハイ」と答えた声が裏返りそうになった。
食事中の正座を苦にならなくなったのは花嫁修業の成果。
着物を着てないだけまだ呼吸は楽で食事もなんとか喉を通る。
なんども一緒に食事をしたか分からないのに、いまだに道明寺の嫁としての厳しいチェックを受けてるようで気を抜けない。
食べた気がしないのはしょうがない。
私の横に座る道明寺は行かねぇとか言ってた割には機嫌よく箸を動かしてる。
時々思いだしたように道明寺が笑みを浮かべるからお母様は怪訝な表情と訝しげに眉をひそめる表情を見せてる。
ラブレターを私が書いてるって勘違いしてる道明寺のことを言えるわけがない。
追及されないとホッとしてたところで名前を呼ばれてしまった。
「そんなに、緊張しないで」
ニコッと笑顔を向けられても緊張するなって言うほうが無理だ。
ここから何を言われるのか・・・
まさか本当に結婚してから道明寺の行動が目に余るとかのお小言なのか・・・
それを止められるのであれば私が会社中を逃げ回るようなことにはなりません!
言えるはずないかぁ・・・。
ピンと張りつめた背中。
緊張はそのまま部屋の空気を確実に変えてる。
微妙な変化に気が付いたのか、ようやく道明寺の箸の動きが止まった。
私は、次ぎに出てくる言葉を聞き逃さないためにじっとお母様の口元を見つめ続けてた。
拍手コメント返礼
りり様
司が喜ぶのはまだ先になりそうな気配です。
つくしちゃんお母様のことでいっぱいになっちゃってラブレターのこと忘れなければいいんですけどね。