迷うオオカミ 仔羊を真似る 12

おはようございます。

最近日曜日の更新が滞りがちで申し訳ございません。(;^ω^)

以前は書けるときに書きだめして予約投稿していたのでほぼ毎日更新ができていました。

執筆意欲がちょっぴり落ちてきてるのは事実です。

お話のネタはたっぷりあるのですが以前ほど書かなきゃって意識から書きたい時に書くという気持ちに変わってきたんですよね。

更新が止まってる作品もそろそろ再開したい。

それにオリキャラのSP物語の新作も書き始めたい。

以前常連さん盛り上がっていた葉っぱコンビの恋バナに、もちろん絡んでくるつかつくに幼い子供たちを織り交ぜてのドタバタ。

頭の中の妄想はまだまだたくさんあります。

そして今回の短編のはずのこのお話も10話超しちゃいました。

頂いたコメントからまたもや妄想が膨らみ短編のつもりで登場人物も制限するつもりでしたのにF4登場!

あ~このお話は多くなっても今日くらいで終わる予定だったはずなのに・・・

あと数日で終わるのかしら?

微妙・・・

「牧野もいたんだ」

支配人を追っ払って、総二郎とあきらの連れの女は早々に追っ払った。

その後の流れはなぜだか牧野が働いてるプールサイド。

もう迎えに来たのかという非難気味の目が、俺の後ろのやつらを見つけて驚きの表情に変わる。

パラソルの下のテーブル。

そこに席を取った俺たちのそばに駆けつけたのは牧野じゃなくて違う女。

それも3人が肩を押しあいなが抜け駆けを習う競争気味に近づいてきた。

「仕事じゃ無くて牧野に会いに来たんだ」

穏やかな口調で類が俺に微笑んだ。

それは俺が牧野に会いに来たって意味を含んだ類の声。

別な意味にとらえた3人が顔を見合わせて一斉に牧野に視線を射る。

牧野がこの嫉妬じみた意味に気が付くはすがない。

注文を取るのも忘れたように授業員は牧野のもとに飛んでいった。

「なんだか、牧野、取り囲まれてるな」

その原因は俺たちにあるのに、他人事のように総二郎がつぶやいた。

一瞬困ったような表情を見せた牧野は『どうしてくれるの!』そんな感情を顔に貼り付けて俺を睨みつけている。

俺は悪くねぇぞ。

「司のさっきの服、ここのだよな?」

ホテルの授業員の制服はそのフロアーごとに決まってる。

さっきまで短時間ではあるが牧野の代わりに働いていたのだからこいつらにあった時はしっかりここの制服を着せられた。

ほんの1分もあれば着替えられる程度のもの。

「牧野と一緒に司もここにいたってことだよな」

「司がウエーターやっていたってことか?」

あきらと総二郎は珍しいものでも見るような表情を向ける。

「なんだっ」

俺の足元から頭のてっぺんまで舐めるような目つき。

「司に接待なんてできるか?」

「低姿勢で頭下げて、愛想よくだぞ?」

俺抜きで二人で確認するな。

「あのな、俺だって学習してんだぞ」

「学習って言葉も一番無縁なんだけどな」

「俺は、牧野と出会って変わったんだ」

「それは認める」

3人の声がばっちり重なった。

「牧野がやってること真似すればいいだけだからそう難しくもねぇだろう」

「・・・ってことは、あれを司がやってたってことか?」

あきらの視線がとらえた牧野の姿。

数メートル先のテーブルで人なっこい笑顔を浮かべて注文を聞いてる最中。

信じられない

そんな表情が牧野と俺を交互に眺める。

「簡単だったぞ」

「なら、俺たちにもできるか?」

「今は、俺も客だぞ」

誰が二度とするか!!

ふてぶてしい態度で頬づえをついてこいつらからそっぽを向く。

「ドン!」

ドン?

目の前につきたてるように突然見えた白い肌。

腕・・・?

手首を添うように上に向けた視線の先には不機嫌なフェイス。

「俺たち客だぞ」

「騒動を起こしそうなお客様にはお引き取り願ってます」

他人行儀に、下げた頭。

牧野の頭頂部がしっかりと見えた。

「騒がしいのは俺のせいじゃねぇだろう」

こいつら3人が一緒だと嫌でも目立つ。

「あんた意外に誰が騒動を起こすのよ!」

周りが色めき立つのは今に始まった事じゃない。

俺たちが好きで騒がしくしてるわけでもない。

俺は今回は目立たないようにしていたはずだ。

騒がしくしてるのは俺じゃねぇだろう。

「こいつらもいるだろうが!」

「花沢類や西門さんに美作さんなら平和に穏やかにおとなしくしてくれるはずだよ。

道明寺がいると嵐が起きそうでハラハラするんだら」

「ハラハラしろって頼んでねぇぞ」

テーブルを倒しそうな勢いで立ち上がった俺と顔を突き合わせる牧野の強情な顔。

毛を逆立てて反目してる猫。

誰が見ても客に対する態度じゃねぇだろう。

「騒がしいのは牧野と司な気がする・・・」

類の声に牧野の表情から殺気が消えた。

類の一言でおとなしくなんじゃねぇよ。

恥じらいを見せる牧野にムッとなっていた。