情熱は迷宮で愛に迷う 2

まい2様のポイ捨てから始まったお話。

やっぱり一話完結にはならなかったなぁ~

今回はふにゃろば様のコメントをもとにお話を創作させていただきました。

いつも私の妄想をかきたててくれるふにゃろば様のコメント大好きです♪

相変わらず可愛くねぇガキ。

お前が牧野をどうこうするには100年早い。

・・・って、俺もまだキス止まりなんだよな。

一緒のお風呂・・・なんて想像させるだ!あのガキ!

アブねぇ・・・

鼻血がでそう。

それじゃなくても頭に血が上ってるつーのに。

事の起こりは1か月前。

バイトに負けて一人でパーティーに出席する羽目になった夜。

葉山コンチェルン主催のパーティーだったからあのマセガキももちろん来ていた。

あいつは俺を見るといつも対抗心丸出しで向かってくる。

牧野のこともつくしって呼び捨て。

小学生が大学生を「つくしー」と呼び、大学生が小学生に「リュウちゃん」と抱き付く。

ナメられてるなんてもんじゃね。

同級生だと思われてんじゃねぇのか?

極めつけは俺にライバル意識を持ってるってこと。

相手なるはずなんてない。

牧野は俺にぞっこんだからな。

「あれ、とうとうつくしに愛想を尽かされたんだ」

のこのこと俺に近づいてあたりを見渡して勝ち誇ったようにつぶやいたリュウ

「お前、愛想の意味わかってるのか?」

「自分が日本語弱いからって甘く見んなよ」

子供だからと思って対応したのもここまで。

「このガキ! 牧野は俺のもんなんだよっ !

 いいかげんあきらめろっ!」

こいつが牧野のことを好きなのはわかってる。

初恋は失恋で終わるもんなんだよ。

それにお前と牧野いくつ離れてるって思ってるんだ。

恋愛対象になるわけない。

「そんなのわかんないだろ? つくしだってお前みたいな乱暴なオジンより

 若くてピチピチしたおれのほうが絶対いいって♪」

前に少し顎をつきだして、ピンと張りのある頬を3本の指でピタピタと軽くたたく仕草。

俺に理性がなきゃ殴ってるぞ。

「フンッ、牧野がお前みたいなガキ相手にするもんか」

「おれとつくしは何度もデートしてるんだぜ。 いつも邪魔して、 お邪魔虫ってわからないかなぁ」

50センチ下を見下ろしてぶつかる視線。

手のひらを広げて頭を上からガバッと押さえこんだ。

「フ、フンッ。牧野は俺にプロポースしたんだよっ。

 近々俺と牧野は婚約するからな。

 その時になって吠え面かくなよっ」

「それ、お前のカン違いじゃねーの? 」抑え込んでる手のひらの下でもがくリュウ

カメが必死で頭を甲羅から出そうと手足をばたつかせる感じに似てる。

俺を甘くみんなよ。

俺はお前と違ってすぐにでもあいつを幸せにできるんだよ。

 「つくしは忙しくて大変だって言ってたぞ。

お前と結婚とする訳ないって」

「んな訳あるか! パーティーにはお前も招待してやるよ。

その時に牧野に確認するんだな♪」

「恥かかなきゃいいけどな」

「お前こそ、盛大に思い知れっ」

そんなこんなでリュウも招待してやった。

約束だからね。

俺は約束はちゃんと守る男なんだよ。

なのに!

この大事な婚約披露パーティーにきてもあいつは自分の負けを認めない。

呼んでもいないのに人の控室に勝手にやってきた。

何がまた今度今度デートだ!

あれは寂しい子供を相手に遊んでやってるボランティア見たいのもんだ。

決してデートじゃねぇよ。

お泊りデートってお前が牧野に何ができる。

本当のお泊りデートの相手は俺しかいねぇよ。

それに俺は電信柱じゃねーぞ!!!

「………あのやろう、ただじゃおかない!」

ムカついた声が身体の奥から外に飛びだした。

ガタッ。

小さく響く物音。

「誰だ!」

あ・・・牧野・・・と・・・類。

「ようやく来たか」

「ようやく来たかじゃないわよ!」

牧野、お前そこ感情間違ってねぇか?

俺との婚約披露だぞ?

ここは満面の笑みで感動を見せるとこじゃねぇの?

それなのに荒れた口調に乱れた息遣い。

「いきなり、何の前触れもなく突然婚約ってなに?」

「怒るほどうれしかったか?」

「うれしいわけないでしょう!」

「素直じゃねぇな。それに突然じゃねぇだろう?

俺はプロポーズしたお前にしっかり応えただけだ」

「だから、そこが違うって・・・」

頭をかかえるように牧野がソファーに座りこんだ。