情熱は迷宮で愛に迷う 5(完)
情熱~4でいただいたふにゃろば様のコメ♪
『類君、そこはもーちょっとフォローを!』
私も同感!!
思いきりコクコクとうなずいちゃいました。
ということ早速拝借して仕上げてみます。
何考えてるのよ!
子供相手に本気になりすぎ。
まあ、私もリュウ君に最初にあった時は大人げなく本気で相手しちゃったけど。
私と泊まりたいって意味が違う。
道明寺の泊まりたいには願望!本能!欲望!が見える。
リュウ君とのそれとは違いすぎるもの。
一緒に寝るったってお休みなさいっておとなしくネルのネルじゃない。
わたしもそろそろ道明寺と次の段階に行くのは不本意じゃない。
期待してないといったらうそになる。
経験はなくてもそれなりの興味はあるし、道明寺とならそうなってもいいかなぁなんても思ってる。
道明寺とじゃなきゃ無理だよ。
「このままホテルに牧野と泊まっても誰も何も言わないと思うよ」
花沢類からホテルとか泊まるの言葉は聞きたくなかった。
冗談でそんなこという花沢類じゃない。
これが西門さんや美作さんなら冗談って笑い飛ばせるのにッ。
花沢類の言葉には敏感に反してしまって頬が強張った。
リュウ君の「僕もつくしとお泊りしたい」って声に便乗したくなる。
その横で道明寺は必死で怒りを押さえこんでるのがわかる。
「これ以上、暴力振るったら帰るからね」
道明寺をセーブするつもりで言った言葉に自分で危うい意味が込められていることに気が付いた。
リュウ君とこれ以上喧嘩しなければ私は帰らないって意味にならないか?
帰らない=道明寺と泊まる・・・ことに、なるの?
「牧野、今夜は泊まってあげなよ。
大丈夫、牧野が本気で嫌がったら 無理強いする司じゃないだろ?
『牧野にとって、俺が一番!』って自覚がもっと強くなれば、 小学生相手に大人気ない態度をとることもなくなるって」
にっこりとほほ笑んで澄んだビー玉の瞳がやさしく私を、見つめてる。
その場に私と花沢類しかいないような錯覚を生む和らいだ空間。
ここで横に首を振れるはずがない。
気が付くとこくんとうなずいていた。
確かに道明寺が子供にまでこんなに嫉妬を見せるのは私と道明寺との先に進まない関係にモヤっとしたものがあるのかも?
先に進まないのは女と思われたないとか、恋人じゃないって大学で盛り上がっていた話題がふと頭をよぎる。
私たちの関係が先に進めば道明寺もまた変わるのだろうか?
だからって、今?
そこに躊躇する私がいる。
初めてはやっぱりなんとなくその雰囲気を匂わせたところで何かの記念日とか?
考えてもよくないか?
「それなら、遠慮なく。
この可愛くねぇガキのことはお前らに任せた」
え?
おっ?
道明寺に首を巻き取られて引きずられてる感覚。
「ちょっとッ」
必死で絞り出す声。
私の苦しそうな表情に道明寺の腕が緩んだ。
その腕は首から胸元に落ちてきただけで逃げられない状況はなんら変化してない。
そのまま巣に連れ込まれるようにエレベーターの中に詰め込まれて目の前で静かに左右からエレベーターのドアが閉まった。
ソファーの上で両膝を抱え込んで座りこんだ牧野は心細そうな危うさのなかに自分を閉じ込めてるように儚い。
そんな牧野をベッドの端に腰を下ろしたまま俺は眺めてる。
ここからどうすんだよ!
牧野の隣に居場所を移して肩を抱く?
こっちにこいと俺らしく命令口調で牧野を呼びつける?
どっちも逃げられそうな気がして躊躇してる。
「牧野」
上ずりそうになる声は必死で冷静さを装う。
「私が本気で嫌がったら何もしないんだよね?」
いきなり強烈なアッパーを最初からぶち込んできやがった。
こっちにこいって呼ばなくって正解か?
「いやなのか?」
「え?」の形に開いた口元からは小さく息遣いだけが漏れた。
「そうじゃないけど・・・
いきなり婚約で・・・
そのままの流れで泊まるって・・・
なんだか流され過ぎじゃないのかなって・・・思って・・・」
「俺は随分と待ったって思うけどな」
ベッドから立ち上がって、牧野の身体を押さえつけるようにソファーの背もたれに両手をつく。
座ったままの牧野は俺の熱から逃げるように身を捩った。
「それは、そうだけど・・・
タイミングってものがあるでしょう?」
「それが今でも俺には問題ねぇけど?」
「婚約もしたことだし」
「それは勝手に道明寺がッ」
牧野の言葉を遮るように口を塞ぐ。
チュッと吸い付いた音を残して離した唇、
目を開いた先で牧野が驚く表情を作っていた。
「今更、キスでそんな顔を見せんじゃねぇよ」
「いきなりだから」
俺のキスのあとをぬぐうように牧野が唇を手のひらで拭き上げる仕草を見せる。
「てめっ、俺のキスをなかったように拭くんじゃねぇよ」
「え?あっ・・・」
無意識で拭いたって態度は逆に俺のプライドを傷つけるって知らねぇのか?
許さねぇ。
強引に抱き上げた牧野を腕にのせたまま二人でベッドの上に落ちた。
二人の重みで跳ねるベッドの揺れにドクンと俺の心臓も跳ね上がる。
「道明・・・寺・・・」
不安に揺れる牧野の瞳が俺を見つめる。
「いやか?」
自分でもこんな哀願じみた声が出るって思わなった。
組み敷いた下で感じる柔らかい感触。
牧野の熱も、牧野の匂いも、肌に感じる牧野の吐息も、俺を見つめる瞳のすべてに体中の細胞が刺激されてる。
いやだと拒絶されても止められそうもねぇ。
「だめなら、今のうちに俺を振りはらえ」
牧野の肩を、両足を押さえこんでる身動きの取れない牧野。
それがわかっていて告げる俺は最悪に意地悪だ。
「ずるいよ・・・」
甘ったるく聞こえた牧野の声はいつまでも耳の奥に残って俺の理性を吹き飛ばした。
拍手コメント返礼
やなぎ 様
6周年の記念ですからここで終わるはずないじゃないですかぁ~
御用します!
ご用意させていただきます☆印の濃厚?な、おやつ♪
次回はPW付ですよ♪