エロースは蜜月に溺れる 4

この世界でのつかつくの関係も徐々に明らかになってきました。

ここからは司がつくしを幸せにするんだぜ~

道明寺王国(なんかそれらしい名前つけろとの突っ込みはご容赦ください)

世界に巨大な繁栄と栄華を誇る大国の司王子。

牧野家の長女つくし姫。

我儘し放題の司王子に媚びることなく食ってかかった幼いつくし。(この話も書きたいなぁ)

そこから司王子のつくしえの悪戯攻撃がはじまる。(赤札なみ?)

仄かな恋心はそのまま司を突き動かして「つくしとじゃなきゃ結婚しない」宣言。

まぁまぁのハルさんと貴族の間で呼ばれる牧野パパは人畜無害。

次期国王の妃としてはなんの野望も持たない未来の王妃の父親は良縁に思われた。

それを良しとしない悪役がいるのはお約束。

次期王妃の戦いに否応なしに巻き込まれていく牧野家。

あれから4年。

ようやくつくしを探しだした司王子。

ここからは甘いお話に行くはず・・・(;^ω^)

こんな流れになっております。

目の前がいきなり暗くなって何も見えなくなった。

しっかりと強く身体をつかまれた感覚につくしの思考が一瞬静止する。

懐かしいような、安心できるような温もり。

柔らかい上質の絹の下に感じる硬い筋肉質。

いきなり抱き付かれる経験は初めてじゃない。

逃げられなくなる前に必死で抵抗した経験は回避するそのすべをつくしに叩き込んできた。

だから以前の雇い主のバカ息子に抱き付かれた時もしっかりと逃げおおせたのだ。

女に殴られたなんて公にできないものだからすべてはつくしが悪いように噂されたのは心外なのだがそれを打ち消すことが無駄なこともつくしは身をもって知った。

なんの下心も感じないその腕の温もりは確かに記憶があって拒めない何かをつくしに感じさせていた。

「本当に変わってない。ちゃんと食ってたのか?

全然成長してねぇな」

密着した身体を突き放して胸元に下げられた瞳。

つくしをからかうような司の声に何を言われてるの気が付いたつくしは頬が熱くなるのを感じた。

「出るとこが出てればいいってもんでもないんだから」

突き放すように司の胸を両手で思いきりついた。

司の身体はそのまましっかりとつくしの力を受け止めてわずかに揺らいでククッと唇を小さく揺らす。

「俺はグラマーなほうが好みだけどな」

「腰のくびれもこう・・・キュンとなぁ」

あきらは手で身体のラインを形作りながら総二郎に相槌を返す。

「司の場合、昔から牧野一筋だし」

自分が小さいころその周りにこの4人がいたのかどうかつくしは思いだせずにいた。

それでもこの人たちは自分が小さいころのことを知っている。

それだけは信じられた。

「今日はそこまでにして、つくしちゃんもいろいろありすぎてつかれているでしょうから」

椿の声に促されるように「じゃやな」と言葉を残して類と総二郎とあきらは部屋を後にした。

「司も、さっさと出ていく」

少し強めの椿の声。

「こいつを、部屋に案内するから」

「そのまま一緒の部屋に入って出てこないつもりじゃないでしょうね」

椿も司が本気でそんなことをするとは思っていない。

「するわけねぇだろう」

少しむくれた表情を司が見せる。

それじゃなくてもつくしはこれまでどんな目に男たちに合わされていたのか、自由を奪われ男たちに辱めらて与えられた屈辱。

考えただけで気が狂いそうになる。

そんな男たちと一緒のような行動をとることは司のプライドが許さない。

我慢できずに抱きしめたことだってわずかな後悔を司は感じていた。

グッとつくしの筋肉が強張って動けなかったつくしに自分は恐怖を与えたのではないか?

思いだしたくもない記憶をよみがえらせたような気がしてならなかった。

だからわざと怒らせるようなことを言ってつくしを煽ってみせたのだ。

「ついて来い」

つくしの一歩踏み出す足音を確認しながらゆっくりと司は足を進める。

椿の部屋からそれほど遠くない一室。

そこはつくしのために、つくしがいつ来てもいいように司自ら準備した部屋だった。

こんなにつくしを取り戻すまでに時間がかかるとは思わなかったのが司を切なくさせる。

「気にいるか、どうかわからねぇけど、

お前の好みが以前と変わってなければいいんだけど」

背中を向けたままのぶっきらぼうな声の司の先で見覚えのあるテーブルをつくしは見つけた。

それは自分の部屋に置いてあったテーブル。

テーブルの脚に彫刻された猫。

テーブルの脚にまとわりつくように彫られた猫が可愛くてつくしは一目で気に入った。

欲しくても自分では買えずにあきらめたはずのテーブルは数日のつくしの部屋に届けられていた。

司が届けてくれたものだとわかったのはそれからまた数日達った日。

あの時護衛を目を盗んで屋敷からつくしを連れ出したのは司だったのだから、だれから届けられたのか直ぐにわかりそうなものだが幼かったつくしにはそれが直ぐにはわからなかった。

乱暴だけどやさしくてあの時から司が自分のことを大事にしてくれるって気が付いた。

テーブルを見ながら初めて司との接点をつくしは思いだていた。

こんなこと忘れていたなんて・・・

胸に込みあげる思いは愛しくて、切なくて泣きそうだ。

「お前が俺のこと信頼してくれるまで、何もしないから安心しろ」

「一生お前は俺が守る」

振り向いた司のまっすぐな瞳がきらきらとつくしを見つめる。

あの時のひざまずく少年の真摯に輝く漆黒の眼差しと目の前の司の姿がつくしの記憶の中でしっかりと今重なった。

拍手コメント返礼

りり 様

ここからは司がつくしを癒して信頼を勝ち取ることにかかってます。

どちらかといえばこの役目は類が似合うような気もしますけどね。(;^ω^)