エロースは蜜月に溺れる 5

ここからもっといろんな登場人物を投入したいと思っています。

T3に楓さんにタマさんに忘れちゃならない西田さん。

どんな設定で登場してもらいましょう?

織部順平が登場したらややこしくなりそうなんですよね。(;^ω^)

PWのご連絡

ただいまたくさんのPW申請をいただいてます。

お待たせして申しわけなく思ってます。

今回ようやく本朝8時まで申請いただいた方には返信いたしました。

ご確認できなった方は再度ご連絡をお願いします。

「なに、甘いこと言ってるんですか。

今この子に必要なのは坊ちゃんではないですよ」

部屋の中から突然怪しく浮かび上がった姿。

気配も見せず突然暗闇から現れたのが、しわしわの老婆じゃなくてもかなりのインパクトがある。

腰の曲がった身体を三本の脚で支えた身体でむくっと首をもたげて臆することなく司を見上げる。

「おっ!」

道明寺家の生き字引使用人頭のタマだとわかっていても司は思わず驚きの声を上げた。

「びっくり、させるな」

寿命が縮まった。

そんなことを言うもんならタマの波動の攻撃が司に容赦なく降りかかることを知ってる。

『ぼっちゃんのおかげでタマの寿命がどれだけ短くなってるか知らないんですか?』

まずここから始まる。

自分の年も覚えてないほど随分と年をくってて、ここから先も長生きしそうなタマの寿命は減るどころか追加されてる気がする司だ。

「このばーさんが、お前の面倒見てくれるから何でも相談しろ」

自分の考えをタマに悟らせないように司は慌てて意識をつくしに向けた。

司の背中からそっと顔を出しているつくしと視線が重なる。

肩に触れそうな至近距離のつくしの顔にドキンとしてその焦りがわずかな沈黙が二人の間に生まれた。

「ちょと、うるせーかもしれねぇけどな」

コツンと床を押しつけた杖の音が司の言葉を非難するように響く。

杖なんていらねんじゃねぇの?

そんな力強さでもう一度杖をつく音が響いた。

「疲れたろう、まずはおいしいものを食べてなにも考えずにゆっくり寝ることだよ」

ジロリと司に向けられた視線は直ぐにつくしに向けられた。

皺がれた低い声には親愛の情を感じる。

ここにつくしが連れてこられて多くの召使が傅いて世話をしてくれた。

昼間の薄っぺらな布に包まれて競りにかけられたつくしの姿は今ここにはない。

「男が年頃の女性の部屋に勝手に来るものじゃありません」

司の背中にいたはずのつくしを引き離すように腕をとってタマは野良猫でも追い払うように手首を前後に振る。

「しっかり、面倒見てくれよ」

「いわれなくてもわかってます」

傅かれるのが当たり前の司にとっていいたいことをずばずばいう使用人頭のタマは稀有な存在だ。

ちやほやするやつらより信頼できると司は思っている。

だからこそつくしの世話を任せたのだが、自分でも邪魔だと追い払われることに不満が残る。

もう少し、例えばあいつが眠るまで一緒にいたいと思うことがダメなのか。

ようやく取り戻したあいつに触れたのは一瞬。

大した会話もまだかわしてない。

そして夢にまでみた俺に微笑むあいつの顔も見てはない。

「くそっ」

傍を離れたくない思いと今の状況を戸惑ってるつくしの思いを感じながら司は自分の部屋に戻るしかなかった。

「さぁ、少しでも胃になにか入れたほうがぐっする眠れる」

懐かしいテーブルの上に湯気をたてた作りたての料理が数品並ぶ。

ここ数年、冷めた残り物しか口にしたこともないつくしにとっては贅沢な料理に見えた。

それがわかってるかのようにタマが用意したのは消化がいい煮込みスープに柔らかいパン。

「あんたも、大変な目にあったもんだね。

いなくなったあんたを必死で探してた坊ちゃんもあんた同様につらかったことはわかってやってくれないかい」

ゆっくりと口から喉を通る暖かいスープ。

温かさが身体にしみいると同時にタマの言葉がつくしの心に沁みこんでくる。

自分を必死に探してくれていたことは自分を大事に扱ってくれる態度でわかる。

それは信じられないくらいで、眠って目が冷めたら何もかもが夢で粗末なベッドに寝てるような不安につくしをさせてる。

突然何不自由ない生活から朝から夜中まで働きずめの生活に身を落とさなかればならなかったことをつくしは身をもって経験してる。

「もう、あんたを傷つけることは誰にもできないはずだから」

そっと頭を撫でられるように温かく包みこむ声。

そのタマの声に重なるように「俺が守る」といった司の声が思い出された。

「さは、あとはベッドに入ってゆっくりおやすみ。

明日から坊ちゃんが邪魔に感じるくらいあんたのそばから離れないと思うから覚悟してたほうがいいよ」

つくしの心を解きほぐすような冗談じみた声はそのままにタマが微笑む。

決してタマは冗談を言ったつもりはない。

司の性格とつくしを一途に思う司の激しい感情を思えばだれにもつくしをとられないように宮殿の奥に閉じ込めることもいとわないとタマは思っている。

そうならないように手綱をとる必要があると本気でタマは考えてる。

不幸な状況に陥っても自分を見失わず、自分の信念を押しとおして嫌な相手には媚びを売ることもせず生き抜いた強さがこの子にはある。

つくしがおとなしく司の言うことに従って守られて満足するタイプではないとタマは見抜いていた。

「私も、ここに置いてもらえるようにしっかり働きます」

「働くって・・・」

生き生きとそうつぶやくつくしをまじまじとタマは見つめた。

何事もなければ数年前に司の結婚相手としてこの宮殿で妃としての教育が始まったはずだ。

そして、今も司はつくしを自分の妃としてここに連れてきている。

そのことはつくし付きの使用人たちには伝えられてる。

単に競り落とされた買われたわけじゃないと気が付いてもよさそうなものだ。

それに、あれだけ司がつくしを大事にしてる光線を出してるにも関わらない状況で働くことを考えてる。

楽なことを考えるという人間のずるさがない素直さ。

よくあんな最悪の状況のままでこんなまっさらのままで成長したのは奇跡だとタマは神に感謝せずにはいられなかった。

「面白い子だよ」

司の思い人じゃなくてもタマはつくしが気に入った。

坊ちゃんを最高の国王として支える最高の王妃になる。

「まだ当分死ねないね・・・」

少し折れ曲がっていた背筋をすっと伸ばしてタマはコツンと気を吐くように杖で床を鳴らした。

拍手コメント返礼

チェリー様

くー✨ のコメントが~♪

川平慈英さん思いだしちゃいました。

ソフィ様

楽しみにしてるのお言葉が何よりのエネルギーになります。

こちらも秋晴れが続いてます。

栗のきせつになりましたね。

実は私は須木に行ったことないの~。

栗ジャムってあるんですね。

知らなかった・・・(;^ω^)

Pomozuku様

すべての作品を読んでるということは今回のお話の違いもわかってるってことで楽しんでいただけてるんですね。

ドキドキ感を最後まで継続していただけるように書き上げたいと思ってます。

私は原作も読んでたのですがはまったのはドラマからなんです。

映画を見なければ二次の世界には足を踏み入れなかったと思います。

それだけ二人の演技がよかったんですよね。

私も二次を書くときは二人に映像変換して書いちゃってます。