エロースは蜜月に溺れる 11

一緒に寝るのは成功!

展開早いですがその事情はお察しください。

そうです!長くなりそうなのを短縮したいからにほかありません。(;^ω^)

決して坊ちゃんが急がせてるわけではないんです。(笑)

「いいんですか?」

「司もそれほどバカじゃないわよ。

それにつくしちゃんが嫌なら司はベッドから追い出されて床に転がってるだろうし」

椿はタマの言葉にこともなげてそう返事を返した。

椿の言葉に司が床の上に叩きおとされて座りこむ映像がタマの頭に思い浮かぶ。

「私は、早く坊ちゃんの子供が見たいんですけどね」

当分は無理だというようにタマがため息をついた。

つくしの部屋では床に落とすどころか司に抱きしめられたまま二人がベッドに横たわる。

司の腕は一向に緩む気配をみせず、つくしを強く抱いたままだ。

長い足は余すとこなくつくしの足をとらえてまとわりつく。

少しでも動けばまだ寝てないと司に悟られそうで息をするのも気をつかう。

何もしないと証明するには十分な時間が過ぎたと思う。

それなのに眠たくなどころか一向に眠気が来ない。

目をつぶれば自然と背中が敏感に司を感じてしまう。

自分とは違う逞しい身体。

強引に抱き寄せられてるはずなのに包みこむ熱は甘くやさしく真綿に包まれてるような心地よさを感じる。

目を開くと、司が自分のために取り寄せたという調度品が目についてまたジンとした感動が生まれる。

背中から聞こえる規則的な寝息。

司はもう眠ったのだろうか?

この状況で眠れる司がうらやましくもあり置き去りにされたような不満も感じる。

「寝なきゃ・・」

独り言のように聞こえたつくしの声に司は薄めを開けて視線をつくしに向ける。

わずかに見えるつくしの寝顔。

まだ眠れないというように愛しい顔は小さく吐息を漏らす。

眠れるわけない。

男とは違う柔らかな肌の感触。

胸元の下に寄せた腕は少し動くと親指にわずかなふくらみに触れる。

触れた瞬間に反射的に下にずらすしぐさを何度となく繰り返しては司の眠気を飛ばす。

「牧野・・・」

小さくつぶやく声はバカな約束をしたと自分を責める。

名前を呼んだ声に反応を見せるようにつくしの身体が動いて寝返りをうつ。

胸元の押しつけられた頬。

ふっくらとした唇は半開きのままで小さく息を漏らす。

少し顔を下に落とせば触れあえる距離。

スーっと息を吐いた唇は何かをつぶやくように動いて閉じた。

寝てる・・・?

眠れないといったあれからそんなに経ってねぇだろう?

ガバッと司が身体を起こした拍子につくしの頭が一度跳ねてベッドの上にガクッと落ちた。

熟睡・・・

こいつ・・・

本当に何もされないと思ってるのか?

そこまで俺を信用していいのかよ。

「襲うぞ」

身体の中の疼きその奥でくすぶったまま。

また抱きしめたら我慢する自信がない。

そっとつくしの背中になぞるように右腕を置く。

左手は膝をついて司の頭を支えるようにしてそっと身体をつくしの横に置いた。

無防備すぎる寝顔の無邪気さは出会った頃の面影を残す。

「そんなに我慢できないからな」

つぶやいた唇は軽く唇に触れる。

俺・・・

眠れるか?

一度冷めかけた熱は一気に司の欲望を全身に放出させる。

たったあれだけのキスでどれだけ俺は熱くなれるのだろう。

我慢ッ!

布団を頭からかぶると司はつくしに背を向けるように身体を反転させた。

そして拗ねた猫のように背中を丸めて目を閉じたのだった。