エロースは蜜月に溺れる おまけパート 3

二度あることは三度・・・

まさかおまけも3度目があるとはだれが想像したでしょう・・・

え?

期待してました?(;^ω^)

今回もふにゃろば様からありがたい頂き物がありましたのでそれをもとに再構成させていただきました。

司王子とつくし姫の初夜はいかに!(初夜じゃないけどね・・・)

世継ぎの王子の結婚式の祝宴は国を挙げてのお祝いとなる。

いつもは厳重に閉まっている正門も解放されて中庭まで国民が押し寄せて祝いの声に包まれた。

大広間でも続く祝宴はいつまでも終わりそうにない様相を見せてる。

「抜けよう」

そっとつくしの耳元で囁く司の腕は離れることを許さないというようにつくしの腰をずっと抱いたままだ。

「主役が抜けていいわけないでしょう?」

司が意味するところを瞬時に理解したつくしの頬はほんのりと赤く色を染める。

まだ自分の身体の奥に司がいるようで・・・。

昨夜の身体を重ねた甘い痕はつくしが思うよりも身体の奥に残っている。

司の肌を、熱を、敏感に感じずにはいられない。

「無事に終わりましたね」

甘い雰囲気は一瞬で緊張に変わる。

もちろん緊張でビクリと震えたのはつくしだけで司にしたら珍しい上機嫌な顔を楓に向けて微笑んだ。

「式は終わりましたが、司さん。これから一週間、つくしさんはご家族と一緒に過ごします」

「あぁっ!? ふざけんなっ」

一瞬の間を置いて聞こえた司の声に広間に流れていた音楽もざわめきも音を失う。

「ふざけてなぞいません。

 つくしさん付きの侍女からの 報告です。

つくしさんは、今朝から 月のものが始まったと・・・」

「本当か?」

つくしの視線を映した司の目の前でごにょごにょと言いにくそうに口をすぼめるつくしの顔は熟して落ちる柿のように赤みを増している。

「どうなんだ?」

「だから・・・それは・・・」

チラチラと楓を気にするようにつくしの視線は落ち着かず定まらない。

まさか前日に司がつくしのところに忍んできて、もう初夜が終わってるなんてことをつくしの口から言えるはずがない。

破瓜の痕が残されたシーツを次女が月のものと勘違いしたなどとどう説明できるだろう。

そこに気が付いてほしい司はいまだに勘違いしたままの表情をつくしに向けている。

もうっ!

耐えられないといった表情のままつくしは司に背を屈めさせるように催促して司の耳元を自分の口に近づけさせた。

「・・・昨日の・・・道明寺の・・・

・・・だから・・・」

え?

あっ?

小さく動く司の口の動きがそのまま固まる。

月のものに勘違いされた原因が自分にあるとようやく理解して司も耳まで赤く色を染めた。

「何です? 何か異論でも?」

ただでさえ反論できない厳格の強い母親の眼力。

すべてのものを押さえつけるその凄みは女王としての気品と威厳を見せつけてくる。

さすがに結婚式まで待てずに我慢できずに城を抜け出してつくしに会いに行ったとは口が裂けても言えない。

それこそ1週間つくしと離れることじゃ済まなくなりそうな罰を与えられる恐れもある。

冗談じゃないッ。

司はその罰を恐れた。

俺の母親なら澄ました顔でこの結婚は無効にしますととんでもないことを言いださないとも限らない。

「女性は繊細なもの。

このところ様々なことが立て続けに起こりましたし、体調に変化があってもおかしくありません。

つくしさん今日からあなたは大切なこの国の世継ぎを生む身体じゃないんですからね。大事にしてもらわないと」

つくしに向けた楓の微笑みは慈愛に満ちたやさしいものだ。

「だったら尚更! 俺の傍にいたほうがっ」

滅多に見せない楓の柔らかい表情に司の気も大きくなる。

「あなたの傍で安らげるのですか?  余計に消耗するのではなくて?」

楓の言う通りつくしと一緒に寝て何もせずに眠る自信は今の司にはない。

自分の愛撫で甘い反応を見せたつくし。

口からこぼれる吐息に混じる切なく自分の名を呼ぶつくし。

つながったつくしの奥の柔らかく包み込む甘い感覚は思った以上に自分を追い込み初めて経験した高み。

すべてが最高で我を忘れて夢中になった。

「っ! ///」

思いだしただけで身体が反応してしまいそうだ。

「少しはつくしさんのことも 考えておあげなさい。

ずっと離れ離れだったご家族とやっと再会できたのに、ゆっくり 語らう時間もなかったのでしょう?

何年も離れていたのですから、 一週間くらい一緒にいさせてやりなさい。 狭量な男は、嫌われますよ?」

「だから式前には実家に帰してるだろう」

反抗にならない弱い声で抵抗を見せる司。

「結婚式を急がせたのは司、あなたですよ。

本来ならもっと婚約期間を置くものです」

これ以上反論してもすべて楓にいいまかされる恐れを司は感じ始めてしまっている。

「チッ…。わかったよっ!」

司の焦りがいったん了承したように思いとは裏腹な言葉を吐きだした。

そんな自分を意味深な微笑みを楓が浮かべた見ていることに気が付いた。

あっ!

このくそババぁ!

俺が昨日、城を抜けだして明け方に帰ってきたのを知ってる。

司の感が頭の中でそうつぶやく。

普段なら自分の行動は近習には筒抜けで城を一人で抜け出すなんてことは不可能に近い。

つくしに会いたい思いが、誰も自分の護衛についてこない不可解さを打ち消していた。

俺も間抜けだ。

結婚式前夜に城を黙って抜けだした司が行く場所など考えなくてもわかる。

つくしの月のものの意味もきっとお袋は理解してるに違いない。

そして、突然新妻を実家に帰せって言ってくるのはとんだ意地悪じゃねぇか。

やっぱダメだッ!

お袋の言いなりにはならない。

「こいつは俺の妻だ。

こいつのことはすべて俺に権限がある。

誰にも邪魔させない。

お袋にもなッ」

背中からグイッと回した腕は厳重につくしを拘束した。

噛みついたら雷が鳴っても離れること はないというすっぽんの執拗さを見せる。

「お母様、そのくらいで許してやって下さい。

二人がどれだけこの時を待っていたか考えたら仕方ないですから」

にっこりとほほ笑んで3人の中に割って入ったのは今まで温かく司とつくしを見守っていた椿である。

椿の一言で楓も司も和んでいく空気の流れがわかる。

「人の恋字を邪魔するやつは馬に蹴られて痛かったって言うんだぞ!」

司の言葉に呆れた表情を見せた楓が3本の指先で前頭部を抱え込む。

「それって・・・馬に蹴られて死んじゃえって言わなかった?」

つくしは半分自分が思い違いをしてるんじゃないかとのあやふやさで上目使いで司を眺めていた。

「え?そうなのか?」

司も自分の言い間違にきょとんとした表情でつくしを見つめた。

「つくしちゃん・・・こんなバカだけどよろしくね」

つくしの両肩に腕を置いた椿がそういってほほ笑んだ。

結局司の夜這いはばれていたというオチでいかがでしょうか?

楓さんにもばれていたってつくしちゃんが知ったら恥ずかしてしょうがないでしょうね。

その反動で寝室を追いだされる司君も見たいかな~

やっぱり結婚後の初夜はお預けとなったとかならなかったとか・・・

そんなお話の続きがUPされるかどうかは定かではありません。(;^ω^)