愛を叫べ! 10
え?
ここで?
まだ夕暮れ時で人通りも多いビルの路地~
死角ってないような気もしますが・・・(;^ω^)
お巡りさんに注意される道明寺総帥と新米弁護士さんって取り合わせはどうなんだろう。(;^ω^)
「君たちな、こんなとこで何やってるの?」
「もっといいところに彼女連れていってやらないと」
意外と気さくに注意してくれるお巡りさん。
「消えろ!」
鋭く威圧的な視線にお巡りさんも一歩後退。
顔が見られないように司の胸元にしがみつくつくし。
司の態度に思わず緊張が走る。
「何もしてませんから!」
ここでトラブったら大変と気を持ちなおして司を歩道に引っ張って足早に歩く。
「迷惑かけました。もう大丈夫ですから」
頭を下げてそそくさと逃げるようにその場から離れる。
「おい!迷惑ってなんだよ」
「迷惑なもんは迷惑なの!」
「お前は喜んでたろう?」
にんまりと口角を上げてつくしを見下ろす司。
説教しようと開いたつくしの唇はわなわなと震えて閉じることができない。
「喜んでないから!単なる条件反射!」
「それって素直に反応したってことだよな?」
グイッとつくしの顎を半ば強引に司の指先が持ちあげて上を向かせる。
少し角度を変えれば唇が触れ合う距離。
肌に触れる吐息も甘く流れ落ちて胸の奥でドクンと心臓が跳ねる感覚。
「迫るならもっと場所を選んでよ」
唇と唇の間に滑りこませた指先。
その指先に軽く触れた司の唇の熱さ冷たい指先を温まるようになぞる。
「お前が行きたいとこって、そこ?」
艶のある色気のある声は低く耳元をくすぐる。
「バカッ!」
つぶやいたつくしの口元が照れ臭そうに笑みを浮かべた。
こんな展開だと次回はお☆様で終わって完結しそうです。
そう簡単には濃厚な展開にはいけません!
何を宣言してるんだか・・・(;^ω^)
9の番外編のお話も別館にUPしてますのでそちらもお楽しみください。
本編は続きからどうぞ。
「意外と抵抗しないんだな」
笑みを含んだ声は耳元に甘く囁く。
ボヤが白くかかりそうになった頭の中では道明寺の言葉の意味の半分も理解できたない。
太ももに触れいた手のひらの熱は肌から離れた瞬間に物足りなさを身体の奥に残す。
たくし上げられていたスカートの裾がストッキングの上をスルリと落ちる感触で意識を取り戻した。
「邪魔ものはこれでいなくなった」
ちらりと道明寺が向けた視線の先で慌てて姿を隠す二つの影。
「あいつらも仕事だからしょうがないけどな。
デートの時は邪魔だろう」
あいつら・・・
仕事って・・・
隠れた二つの人影・・・
え?
あっ!
道明寺専属SPの相葉さんと千葉さん・・・
もしかして二人を遠慮させて遠ざけるため私たちの姿を見せつけたってこと!
「そのために私を路地裏に引きずりこんだの!」
「人聞きの悪いことを言うな」
当然と言いたげな表情はいつもの道明寺の横柄さを上回る。
「あのね。もっとほかにやり方があるでしょう」
「やり方ねぇ・・・」
なに?
なんなの!
私を見下ろす道明寺の・・・その・・・悪戯を思いついて楽しんでる性悪な顔。
ビルの壁を背にした私には逃げ場は残されてない。
なのに必死で逃げだそうと背中が冷たいコンクリートの壁を押してる。
「お前を楽しませるためだった俺は努力を惜しまないぞ。
合わせる協力も頼むがな」
濃艶の笑みを見せられると、肌に触れる道明寺の唇が肌に吸い付く甘さと指の感触を思いだして結びつけてしまう。
これじゃまるで私が欲不満みたいだよ。
今日はもう昼間から何なのだろう。
道明寺と一緒にいるだけで仕事なんて忘れてしまいそうな展開。
会社が終わってから運動とかどこに行くとかなんとなくソッチ系に行きそうな会話が続いてる。
新婚だし・・
道明寺は忙しくてゆっくりする時間は限られていて・・・
一緒にいれば身体を寄せあいたい気分になるのもわかる。
そこに行くつくまでの過程とか展開とか・・・
もっと柔和であってもいいって思う。
性急すぎる道明寺の行動は私の羞恥心を見事に煽ってくれる。
「こっちだ」
相葉さんと千葉さんがいなくなった方向とは反対の方向に私を連れ出す道明寺。
「すぐに二人も追いかけてくるんじゃないの?」
「あいつらは俺たちが結婚する前から護衛してるんだ。
野暮な真似はしないはずだ。
それに、俺たちの邪魔したらどうなるかは知ってる」
自信たっぷりに道明寺がつぶやく。
私たちが付き合いだしたころから私たちのそばに一番いるのはあの二人かもしれない。
ところかまわず感情のままに道明寺が私に抱き付いてくるのを目撃させられてるのもきっとあの二人がダントツ。
慣れているといえば慣れているはず。
そうだよね・・って!
納得できるか!
また恥ずかしいとこを見られたってことじゃないの。
そして・・・
私たちがいなくなったってことを数分後くらいに気が付いて慌てるんだよ。
あの二人にはどのSPより迷惑をかけてるって思う。
「まだ6時か・・・」
道明寺が腕時計の時間を確かめるように右袖を指でめくって視線を手首に落とす。
ちょっとした仕草と斜めに傾けた横顔が一枚の写真のように絵に様になって魅せられる。
高層ビルを背に夕焼けの空はオレンジから淡い赤色へと変化を見せる夕暮れ時。
その色合いを背景にモデル並みのかっこよさに艶やかすぎるオーラーは人の目を引きつける。
路地裏でこのオーラーは消せていたのだろうかと不安になってきた。
「パシャ」
シャッター音とストロボの光がちらりとどこかで光ったのが見えた。
拍手コメント返礼
りり 様
この二人いつでもどこでも邪魔が入るんですよね・・・(;^ω^)
なぜ?
それは私が意地悪ではなく、話を面白くしたいからにほかありません。