Last Christmas  1

たくさんのクリスマスストーリーの投票ありがとうございます。

12月に突入したということでぼちぼちとUPしていきたいと思います。

さて今年のお題はLast Christmas と勝手に命名させていただきました。

Last Christmasといえば随分と前に流行ったワムの歌を思いだします。

知ってる方は同世代♪

クリスマスに愛をささげたけど振られちゃうって歌なんですけどね。

辛い思いをしたけどもう泣きたくないといいながら未練がまだ残ってる感じなんですね。

次は特別な人にこの思いをささげたいってことはまだ別れてから好きな人ができてない。

寂しいクリスマスの歌ってことになるのか・・・(;^ω^)

さて我が家のつかつくには関係なさそうですがどんなお話になることやら~

司と西田の聖夜物語

「冷えると思ったら雪が降ってますよ」

最上階のビルの窓から外を眺める西田はぽつりとつぶやく。

寒々としてるのは雪が降るほどの冷え込みだけのせいじゃない。

どうして聖夜の夜に西田と二人執務室にこもってるのか・・・

泣きたくなる。

「連絡は来たか?」

「まだ情報を集めてるところです」

NYの取引先の倒産の危機の情報。

飛びかう情報はまだ噂の域を出ていない。

「NYに飛ぶことにはならなくてよかったじゃないですか」

日本に残れたことは自分の手柄だとでも言いたげな西田。

今できるのが待つことだけなら西田と一緒より牧野と一緒のほうがいいに決まってる。

牧野と一緒に過ごす聖夜であいつを目の前におとなしくしてる自信はないからしょうがなく会社に残っている。

「私と一緒だと不服ですか?」

不服に決まってんだろう。

言葉じゃなく睨みつける。

「たまにはこんなクリスマスもいいじゃないですか。

私は坊ちゃんとクリスマスを過ごすのは初めてじゃないですよ」

西田が俺を代表から坊ちゃんに変わる時はほぼ子ども扱いで仕事とは離れた話題の時。

西田とクリスマスを過ごしたっていつだよ?

残ってない記憶を探りながら疑問符を顔に貼り付けたまま西田を見た。

「覚えてませんか?」

「ママがいないと犬のぬいぐるみを抱えて寂しそうにしていた坊ちゃんの姿が私の瞼の奥に今も焼き付いてます」

眼鏡を外して西田がわざとらさいく目頭を押さえこむ。

「おふくろがいないのは昔からだだろう」

クリスマスを家族で祝った記憶なんて残ってない。

「あのころは素直に寂しいって坊ちゃんも言えたんですけどね・・・」

西田の遠くを見つめる視線。

今なら素直に言えるぞ。

あいつと過ごさせろ!

言っても邪魔するのはお前だろうがぁぁぁぁ。

今日の牧野とのディナーを勝手にキャンセルして、有能だよな。

これはほぼ皮肉。

俺の皮肉なんて西田にとってはどうでもいいだろうけどな。

「今日は徹夜かもしれませんね」

牧野といてもたぶん寝不足。

背中で腕を組んだまたの西田はまた窓の外に視線を映す。

窓ガラスに映る西田の姿を吐く息が白く曇らせる。

「西田、お前のとこもクリスマスとかやるのか?」

「我が家は仏教徒ですから」

すげー真面目な几帳面すぎる顔で返された。

それを言えば日本人のほとんどがキリスト教じゃねぇだろう。

「冗談ですよ。

子供が小さいころは我が家でもケーキを買って祝ってました。

夜中に子供の好きなおもちゃを枕もとに置いたりしたんです」

ケーキを抱えて帰る西田も、子供のためにおもちゃを選ぶ西田も普段の西田とを遠すぎる。

西田も仕事のために家庭を犠牲にしてんだよな。

窓に映る西田の表情が柔らかく頬を緩ませたように見えた。

静けさをかき乱すように鳴るディスクの電話。

受話器を取って話を聞く西田が「危険は回避できたようです」とつぶやく。

「お前もなんとかクリスマスを家族と過ごせるな」

「私を待ってるのは妻だけですが・・・」

そう言う西田は表情はいつもより人間味があふれてるように俺には見える。

「代表が私に気を使ってくれるの初めてじゃないですか?」

「別に気は使ってねぇよ」

「そうですか?」

いつもの表情に戻った西田とのやり取り。

このほうが落ち着ける。

「秘書室につくし様がいらしてますから」

そう告げた西田は俺の前で頭を下げて部屋から出ていく。

あいつ・・・

気が利くな。

やっぱ有能。

今度は皮肉じゃなくマジで有能だとほめてやるよ。

拍手コメント返礼

打席数は意外と多かったりして~

西田さんとことん何でも研究熱心に没頭するタイプとか?

そんな西田さん想像できないわぁ~(;^ω^)

無表情で眼鏡をかけたままなにをする?

きゃーーーっ。

失礼しました。