Happy Xmas (家族編 2)
久々登場のちびっこ3兄姉弟。
なかなかもう一人の澪が登場しませんが・・・(;^ω^)
司のパパっぷりがいいんですよね。
ちびっこのお話書いちゃうと高校生に成長した子供たちが書けなくなってしまいそうで困ります。(;^ω^)
「マテ!」
道明寺HD本社ビルのエントランスについてすぐに左右に駈け出そうとする舞と翼。
しつけ途中の子犬のほうが聞きわけがいいはず。
背中に背負う動物の顔の形をしたリュックは可愛いというだけではない。
ウサギとクマの耳は腕を伸ばして、つかむにはちょうどいい目印。
「お待ちしてました」
司・・・
本当に手配したんだ・・・・
西田さんを真ん中に千葉さんと相葉さんが柵を作るように私たちの前を遮った。
クマとウサギの耳を離しても安心なはずなのになぜかその手が動かない。
蟹股気味に大きく開いた脚。
斜め前方に差し出してる腕。
優雅さのかけらもない子育て真っ最中の人の目を気にしてられない母親。
そして周りには私を道明寺代表夫人だと知ってる視線。
セットしたばかりの髪型がまだ乱れてないことだけは救い。
「走っちゃだめですよ」
腰を下ろした相葉さんが翼を抱きあげる。
舞を抱いてるところを司に見られた不機嫌に眉をひそめることを知ってるから翼を選ぶところはさすが。
人見知りのしない翼はその腕に直ぐになじんでいるがおとなしく抱かれているわけがない。
きょろきょろとあたりを見回した腕は直ぐにきらきらと輝やくクリスマスツリーに興味を奪われて、連れていってと相葉さんの肩を叩きながら薬指でツリーを示してる。
「舞、行こう」
駿が舞の腕をとって二人でツリーのそばにかけよった。
頭一つの身長差。
舞の脚に合わせてゆっくりと走る駿が頼もしいお兄ちゃんに思える。
ツリーの前に立つ子供たちの後ろに立つのは西田さんと千葉さんと翼を下におろした相葉さん
この立ち位置をどう表現したらいいんだろう。
後ろからは子供たちの姿は見えないからスーツ姿の男性3人がツリーを眺めてる構図ができてる。
いつもは近づきがたいSPと秘書課室長が司のいないところで、ツリーを眺めている不釣り合いな光景に驚きを見せるのは私より社員。
ツリーよりおじさんたちが目立ってる気がしてきた。
「噂以上に派手だな」
よっと気さくに腕を上げて声をかけてきたのは美作さん。
その横に肩を並べる葵さん。
一人息子の佑君はおとなしく葵さんの手を握ってる。
「舞たちツリーの前にいるよ」
腰を屈めて話しかける私から葵さんがいいとうなずくのを待って嬉しそうに佑君は葵さんから手を離して駈け出した。
翼に佑君のお行儀のよさを分けてほしい。
「だんだん派手に大きくなるな」
「子供たちの成長に合わせて大きくするといってるんだけど子供たちの成長より数倍は大きくなってるよね」
「司らしいって言えばあいつらしいだろう。
加減を知らないからな。
ギネスにでものせるつもりじゃないか?」
司が聞いたら本当に申請しそうだ。
「司は?」
「まだ仕事してるんじゃないかな?」
司の姿を探すようにビルの天井に視線を送る。
「どうだ、俺が厳選したベビーシッターは」
司が現れたのはそれからそう時間はかからなかった。
「西田さんがいると翼が大人しくなるんだよね」
ツリーを囲む二段の階段の上で飛んで跳ねて降りる遊びを翼と一緒にやってる西田さんが笑える。
その表情は楽しいのか楽しくないのか見た目では判断できない。
「西田のやつ明日は腰が痛くなるんじゃねぇだろうな」
心配してるというよりは司の目が大いに笑ってる。
「仕事じゃないのか?」
美作さんに気が付いてちらりと司が視線を送る。
「クリスマスくらい家族で過ごさなきゃな」
「で・・・俺の会社に来るのかよ」
「お前がツリーを自慢するから来てやったんだよ。
類も総二郎もくるんじゃねぇか?
司がうるせーくらい自慢するってぼやいてたぞ」
「別に自慢じゃねよ」
久しぶりに親友と会えてうれしッて表情は絶対見せないんだから。
横柄に言葉を発しても不機嫌に見せてるって感じをつくるのは素直じゃない。
それを知ってるから美作さんも来てくれたのだろうし花沢類も西門さんも来てくれそうな気がする。
仕事の就業時間を過ぎたエントランスに徐々に集まる社員。
エントランスで今年はクリスマスパティーをやる予定で、企画部の社員たちが頑張ってエントランスがクリスマスの飾りつけの様相
を見せたのは数日前。
ツリーの木の下にはプレゼントの包みが山積み。
盛り上がったところでビンゴゲームとかするのかな?
クラッカーの爆音にまう色テープに紙吹雪。
缶ビールや紙コップで乾杯をするのはドレスコードのあるパーティより楽しめる。
無礼講な気さくな感じにいつもは遠目で見てる社員たちが司だけじゃなく美作さんも囲まれている。
「プレゼントは小さなサンタたちに手渡してもらいます。
さぁ未来の社長に今から気にいられれば将来の昇進は間違いなし」
テレビで毎日見かけない日はない有名アナウンサーの司会。
その声で現れたのはいつの間にサンタの服に着替えたのか駿、舞、翼、佑君の四人。
「かわいい」
テンション高めの声を上げたのは私に葵さんに周りの女子社員たち。
西田さんや相葉さん、千葉さんに渡されたプレゼントを持ってきょろきょろと社員の中に入っていくちびサンタ。
社員のみんなもサンタからプレゼントをもらうために気を引こうと必死だ。
舞と翼と佑君はわからないままに言われたままにプレゼントを渡してる感じがする。
駿は西田さんの前にいってプレゼントを差し出してる。
「私にですか?」
西田さんの秘書課の部下が「室長ずるいです」「いいな~」の声。
さすがに少し困ったような表情を西田さんが浮かべたレアな室長に笑いが漏れる。
「僕、西田さんが好きだから。
ママとパパが結婚できたのは西田さんのおかげなんでしょう?
パパとママが結婚できなかったら僕らは生まれてなかったってことだから・・・」
そんなこと言ったような気がするけど駿が覚えてることにキュンとしちゃう。
「ありがとうございます」
駿から受け取ったプレゼントを西田さんは腰を下ろして駿をしっかりと抱きしめてる。
そんな西田さんにも感動して涙がこぼれそうだ。
「駿は司とは別の意味で人の心をつかむのがうまいよな」
聞こえた声は西門さん。
「俺の子なら当たり前だろう」
「牧野の育て方がいいんじゃない?」
口元に柔らかい笑みを浮かべる花沢類。
F4の勢ぞろいに艶やかさと会場の熱気が上昇を見せる。
「俺も育児はしてるぞ」
「寝かせるより起こすほうが多いけどね。それに泣かせるのもうまい」
私の声にちょっと焦ったような表情を司が見せる。
「駿は俺に見た目も性格も似てるだろうが!」
「牧野、司に似てるのが容姿だけでよかったよな」
自分の言葉を無視するように私に話しかけてきた美作さんに司がムッとした表情を見せる。
「本当に駿ぼっちゃんは代表の性格を引き継いでなくてよかったです」
すくっと立ち上がった西田さんのしみじみとした声とまじめな表情のアンバランスな感じがおかしくて、小さな笑みがこぼれた。
拍手コメント返礼
さっちき様
お久しぶりです。
年末にお名前拝見してうれしくなりました。
常連さんのお名前を見るとテンションが上がります。
この際全員登場させたらどうなるのでしょ。
楓さんに椿さんにT3と会社に集めたらどうなるかしら?
あとは澪ちゃんなんですけどね。
澪ちゃんは一人占めでしょうね。
どれだけのベビーシッター希望者がいるのかしら?
ゆみん様
道明寺HDは優良な素敵な会社ですよね。
こんな会社に就職したい。
西田さんからのお歳暮!催促したいですよ~
絵梨 様
きゃー♪
お久しぶりです。
拍手ありがとうございます。
外から外部者がきらきらに引き寄せられて入ってきそうですよね。
これ以上に豪華なクリスマスってあるのかしら?
スリーシスターズ 様
クリスマスまでにあと数話クリスマスバージョンのお話を予定してます。
高校生の子供たちのお話ももちろん含む予定。
あはは、カテゴリー見つけちゃいました?
カテゴリーまで見てもらってる思うとうれしいです。
お正月からUPしようと思ってます。
一話は別館にて限定記事で公開してます。
こちらでUPするのは別館の記事にもっと付け足したものをUPしていく予定です。