天使は聖夜の夜に舞い降りる 3
去年に引き続いての大学生の駿くんはいかがでしたでしょうか?
大学生になった舞と佑と翼とすずがなかなか思い浮かばないんですよね。
双子の恋の行方はもう少しハラハラとた感じで進めていきたいと思ってます。
「あのな、俺がいるときに澪が起きてること滅多にねぇんだから遊んでやってるんだろうが」
「だからって駿や舞や翼にまで抱かせないって独占欲強すぎでしょう。それに遊んでるようには見えないから」
目の前で繰り広げられる攻防。
集中するためにママの腕から澪が私の腕に渡ってきた。
たぶん初めて見た人なら仰天しそうな本気の言いあい。
慣れちゃってる私たちは『また始まったか』そんな感じで視線を交わし合う。
この中で目をクルクルさせてるのは私の親友のすずだけ。
それはそれで新鮮に感じてる。
普通はそれが当たり前の反応。
「相変わらず仲いいよな」
「喧嘩してるのにそのうち喧嘩してるの忘れちゃうんだからどうしようもないよね」
火花を散らし合ったそのあとで、いつの間にかパパが自分の腕の中にママをすっぽりと隠しちゃう展開にもみんな驚かない。
世間の夫婦がみんなそうじゃないことは佑の両親を見て気が付いた。
いい感じで見つめ合って言葉にしなくても通じ合てるってそんな雰囲気。
「舞?」
気が付くと交互に自分の両親と佑の両親を見比べてる私がいた。
どっちも好きなんだよね。
私と佑はどんな風になるのか?
自分と佑の将来を想像してる私を思いっきり動揺させる佑のやさしい微笑み。
瞳の中がきらきらと輝いて私を気にするように寄せる眉。
近すぎる佑の顔をどうしようもなく意識しすぎてドクンと心臓が跳ねる。
つややかな形のいい唇。
私の唇にかすかに触れた感触を思いだしてまた心臓がドクンとなった。
「ぺしっ!」
ん? ぺしっ?
佑にドキントしてたぶん私の反応が鈍ったのは許してほしい。
気が付いたときには澪の手のひらが佑の鼻の先を叩いてた。
小さな指先はそのまま佑の鼻を今にもつまみそう。
澪は鼻をつまむの好きだったんだ。
我が家のイケメンすぎる男性陣はみんな形のいいかっこいい鼻を持つ。
澪が目をつけるのもしょうがないかも。
それにパパなんて澪に鼻をつかまれて喜んじゃってるらね。
澪がますますつまんでいものなんだって勘違いしたままなんだから。
「澪、メっ」
ちょと叱っても無邪気に笑うからこれ以上叱れなくなる。
澪の腕を押さえて佑から少し離すのが限度。
「痛くはないから大丈夫だよ」
澪の手を佑の指が握って握手して軽く上下に揺らしてる。
「ダメなことはダメって教えなきゃ我儘になるんだから」
「舞の妹なんだから性格は悪くならないと思うけど」
さわやかにそう言われるとそんなことわからないと反論したいのに言えなくなる。
パパみたいな頭ごなしに拒否する態度じゃないやさしい口調。
パパと佑のパパの違いが佑を通して分かった気がしてきた。
「こんなクリスマスもいいね」
大会場でパパの会社関連の大掛かりな1000人規模のクリスマスパーティーはしんどい。
終わった後は愛想笑いで頬が引き攣りそうになるもの。
「舞をほかのやつに取られる心配もないからね」
冗談だと受け流すにはつややかすぎる声。
佑のほうがその容姿と性格でモテてるって思う。
佑だって、若い女の子に囲まれるのは見慣れた風景。
言い返したい気持ちはあるのに何も言えなくなる。
「クリスマスは毎年この感じがいいって思わないか?」
佑の指が私の口元に近づいて口の中に丸いものを押し込んできた。
「このチョコ好きだよな?」
私の口にチョコを押しつけ長い指を佑の舌がぺろりと舐める。
自分の唇を間接的に舐められた感触と佑のキスの感触を私の唇が思いだして落ち着けなくなる。
チョコの味なんてわからないよ。
口の中で蕩けたチョコの甘さが飲みこめない。
舌が唇を舐めるように動かして必死で解けたチョコを喉元に流しこむ。
コクリとうなずいたのはチョコを飲みこむためなのか佑の言葉にウンと応えるためだったのかわからなくなってきた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
この状態に司が黙ってるはずがないですよね。
どこかにガード役がいるのかな?
佑の場合自分に火の粉が降りかかるのを恐れるというより舞ちゃんに迷惑がかからないように守っていてくれそうな気がします。
チョコあ~んを司が目撃してるとしたらもう澪ちゃんどころじゃないだろうなぁ~
ご相談の件はアメブロよりメッセージを送らせてもらいました。