天使は聖夜の夜に舞い降りる 2

2話目から子供たちを主役にしたクリスマスバージョンをお届けします。

駿君は大学生の設定で舞や佑に翼とすずちゃんはただいま連載中のお話とかぶる設定です。

今年はどんなクリスマスになることやら~

個人の家としては広すぎる部屋。

各界の要人を招いて時折行われるパーティーもこじんまりとは言い難いスケール。

屋敷の一室。

そこからつながる庭はクリスマスに彩られたイルミネーション。

誰でも知ってるキャラクターにトナカイの引くそりにはサンタの姿もみえる。

この飾りつけは数年ぶりの子供仕様。

今の澪には記憶にのこらないはずの賑やかさ。

それでも冷気に映る光の環に小さな手を伸ばす澪のあどけない笑顔に心は温かくなる。

間違いなく今夜の主役はこの小さな末っ子。

スーツもドレスもないクリスマスパーティー

普段着のラフな格好。

スーツを着てない父さんやその親友。

正装した4人よりシャツに軽くカーデガンを羽織っただけの装いも花があって、目立って見入ってしまうような艶やかさがある。

そこだけオーラが違うのは小さいころから見慣れてる光景。

この4人ならみすぼらしい格好もきっとかき消して目立たなくなるくらい自分たちを輝かせることができるんだとって思う。

部屋の中央に配置されたクリスマスツリーさえもただの季節の季語の脇役。

「家族だけの小さなパーティーって言ってなかった?」

「君が知らない人はいないって思うけど?」

僕の横に肩を並べて立つ菜花が贅沢だと小さく唇を動かす。

「F4の話題いまだに大学で聞くことあるんだから」

「あの4人はますます有名になってるからね」

いまだに独身の花沢のおじさんは結婚したい独身の社長1位の座の連続で今年殿堂入りになってる。

西門のおじさんは茶道の家元として日本だけでなく世界を飛び回って芸能人以上の名声を得てる。

父さんと美作のおじさんは経済界のTOPで活躍中。

妻一筋ってラベルもしっかり張られてる。

澪が生まれてから父さんが一歩リードってところか。

「駿も十分有名だって思うけど」

小さく揺らすグラスの中で銀色の液体の中で振動が気泡を作る。

気泡を見つめるその横顔は少しすねた表情を見せて笑った。

いまだに時々モデルのような仕事をさせられるのは菜花の親父さんのせいだからな。

あの監督に頼まれると断れないのは惚れた弱みってやつ。

僕を試すように菜花と付き合いだした頃からいろいろ仕掛けてくるんだから。

それも大学を卒業するまでだと思うから我慢できる。

触れあう肩にそっと寄せるように菜花の頭が傾く。

頬に触れる菜花の髪から香るシャンプーの香り。

「僕と同じ香りがする」

同じ香りのはずなのに菜花から香ると柔らかくて艶やかで、鼻から入りこむ香りは鼻腔をくすぐって胸の奥に甘く落ち込んでくる。

「当たり前でしょ。

一緒のシャンプー使ったんだから」

「あっ、そうか、今朝一緒にシャワー浴びたんだだっけ?」

わざと耳孔に近づけた唇。

耳に触れるか触れないかの距離に今朝の密着した熱い二人の身体が思いだされる。

コツンと僕のわき腹を菜花の肘が付いてきた。

「もしかして、思いだした?」

「あのねっ!」

言いかけた声は僕の瞳と菜花の瞳が重なって唇を閉ざす。

僕を非難する瞳が、少し熱ぽく思えるのは独りよがりだろうか?

華奢な身体に回した腕は菜花に拒まれることもなく細い腰を抱く。

ガラスに映りこむチカチカと点滅のリズムが変わるイルミネーション。

背中を押しつけた透明なガラスの冷たさが上昇しそうな熱を寒いくらいに冷やしてくれる。

「抜け出せないよな?」

「まだ、始まったばかりだけど」

一杯目のグラスの中見も一口程度の量が減ってるだけ。

料理もまだほとんど手を付けられてない。

「料理、とってくるね」

僕の誘惑から逃げるように窓際から離れた。

焦ってるような照れて逃げだす菜花は結構新鮮で楽しめる。

「澪の相手でもするかな・・・」

ため息の出た唇は澪を抱こうとする翼と澪を渡したくない父さんの姿に固まった。

またやってるんだ・・・。

「澪は私が見るから!」

いい加減にしろと切れた母さんの声に一気に部屋中が笑いに包まれた。

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

クリスマス編はどうしても道明寺一家中心になっちゃいますね。

連載中とはまた違った子供たちのカップルの関係をかけるのも楽しみの一つになってます。

おっしゃる通り去年の駿君&菜花ちゃんのお話につながってますね。

大学生の二人の大人の関係。でもまだ濃厚な表現は使わないさらりとした文章で表現したいって感じの二人ってとこかな。あとは想像でお任せってって状態にいつPWの話が読みたいとリクが来るかとドキドキしてます。(笑)

この後はクリスマスまであと6日。

どこまで書けるかが勝負です!

葉っぱ 様

なるべくリクをいただいた方に楽しんでもらおうと頑張ってなるべく多くの登場人物を設定してお届けしたいと思ってます。

つかつくが多くなるとは思いますけどね。(笑)

年末で忙しいはずなのに大丈夫か私!

そろそろ大掃除も待ってるというのに半日はブログでつぶれちゃうんですよね。やばし!!

りり様

年がちかい兄妹より年の離れた妹のほうが可愛いでしょうね。

澪ちゃんどんな女性に育つんでしょう。

宝塚の男役TOPになるって妄想があったんですよね。

そこまで書けるかな・・・(;^ω^)

二人になりたくてパーティーをみんな抜けだして結局は司とつくしだけってことのなるのかしら?