史上最強の Birthday 1

今日はつくしちゃんのHappy Birthday

すっかり忘れるところでした。

さて今年はどんな誕生日にしましょうか?

それと何歳の誕生日にしましょうか?

そんなことを考えながら28日が残り少なくなってきちゃいました。

 *

「ゆっくり、のんびり、身体を休めろ」

駿は俺が面倒見るって私のそばで遊ぶ駿をひょこっと抱き上げて、どうだと満足そうに笑みを浮かべた司に背中を向けられた。

ぽつんと一人残されたリビング。

駿の無邪気な声が聞けなくなった部屋はそれでだけで異空間にかわる。

私の誕生日のために仕事を休んでくれたのかと思ったのにッ!

誕生日を祝ってくれるんじゃないの?

まさか忘れてるわけじゃないよね?

私の26歳の誕生日。

結婚して4年も経つとこんなもん?

いなくなった司の姿を思い浮かべて不満が募る。

別に祝ってくれなくてもいいけど・・・

誕生日が来てもうれしくないし。

今は駿の誕生日のほうが断然楽しみ。

男の子にしてはおとなしくて、育てやすくいとタマさんなんて我儘大王の血を引く子供には思えないと褒めまくってる。

だから司に抱かれてもおとなしくしてるってわけじゃないんだろうけど。

今お気に入りのミニカーを片手に持って司に抱かれた駿は私と司の顔を何度も見比べてた。

じっと私を見つめる顔は少し不安そうにしてたけど泣かないんだよなぁ。

しばらくしたら私が恋しくなって泣きだして司が手に負えないと駿を連れてなきつくことになっても知らないから。

一人じゃないからいいかと気をまぎらわせるように6か月にして少し大きなお腹を撫でる。

双子だとわかってるから駿の時より大きいのはしょうがない。

「君たちがいるから寂しくないか・・」

とはいっても、何もすることがない。

一緒にいてくれるだけでいいのに。

こんな安上がりな奥さんはいないんだぞ。

ソファーに横になってクッションの上に頭を乗せた。

司が駿の面倒を見てくれなくてもダイジョブなのにッ。

何も考えずに身体を休めようと思ってもやっぱり私を置いていった司への不満がわきあがある。

これじゃ精神的に!胎教に悪い!

とにかく目をつぶって横になって頑張ってみる。

どのくらい時間が過ぎたのだろう。

鼻先に感じる甘いお菓子の匂い。

うっすらと目を開けた私の目の前にきょとんと見つめる小さな司・・・って

あっ・・・駿か・・・

「ママ、おっきした・・・」

目覚めた私を見て嬉しそうに司に駆け寄って報告。

駿の頭をほめて撫でる司に満足そうな無邪気な微笑み。

司から小さな箱を受け取った駿が再び私のもとに駆け寄ってきた。

小さなちょこちょことした足取りに合わせるように司が並んで歩く。

司の一歩が駿の5歩。

一緒のスピードで歩くよりは抱いた方が早いよね。

「ハイ」

膝の上に両手に持った箱を駿が置く。

司の片手に隠れてしまうような箱も駿の両手にあまる大きさ。

「駿が選んだんだ。支払いは俺だけどな」

私の横に座った司が私の背に腕を回してソファーにもたれかかる。

相変わらずの横柄さ。

そっと背に触れる司の腕から伝わる温もりを感じるからその横柄さ笑って受け入れられる。

「こいつ、赤が好きでそれ以外えらべねぇの」

明けた箱の中にはプラチナでつながるいくつものハートの形のルビーのブレスレット。

「もっと、いいの選べって言ってるのに、駿はこれが気に入って、離さねぇの」

「つけてやるよ」

箱から取り出したブレスレットを私の左の手首に回す。

確かにブランドでも一品ものでもない学生でも買えそうなもの。

司が私に送ってくれた装飾品とは重さが随分と違う。

司と駿がどんな顔して選んだのか想像しただけで楽しくてしょうがない。

「なんだ?駿がつけてやるのか?」

それを見ていた駿が横から小さな手を伸ばして司の見よう見まねで指を動かす。

駿のたどたどしい指の動きを見つめる司のこれ以上にない甘ったるい表情。

駿のじれったい指の動きを助けるように司の指がやさしく動いてる。

ブレスレットをつけるこのたどたどしい時間が幸せに流れてる。

「誕生日忘れられたかと思った」

「忘れるわけねぇだろう」

ぶっきらぼうにつぶやく唇は魅力的な笑みを浮かべた。

「俺の誕生日を忘れてもらっても困るしな」

ニヤリと意味深な表情を浮かべる司。

え・・・っ?

何?

身重の私に何をさせる?

何がほしい?

今までの司の誕生日を考えると・・・

濃厚なもの欲しがるから・・・

やばいッ!

「私も駿に何か選んでもらおうかな」

わざとらしく気づかないふりで駿を膝の上に抱き上げた。

「なんもいらねぇよ。

俺が欲しいものはすべてお前からもらってるから」

熱く、甘く見つめる司の顔が私に近づいて来るから条件反射的に瞳を閉じてしまう。

司の顔が見えなくなって唇に柔らかい感触を感じた。

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

司だったら派手に祝いそうですけどね。

パパになってつくしちゃんは妊娠中だから司なりの気遣いでしょうか?

そして、濃厚なのは無理だよ~

大人な駿君からの母親へのバースデープレゼントはなんでしょうね。

何をもらってもつくしちゃんうるって来るだろうな。

おおきちゃん 様

つくしちゃんうらやましいですよね。

家族のほっこり幸せ感が好きなんですよね。

ゆみん様

何もいらなくはないですよ。

いやらしいかどうかは別にしてね。(笑)

つくしちゃんがいなきゃ大騒ぎは間違いないのになぁ~

正月用の赤ワイン飲んじゃいました?