史上最強の Birthday 2
今年も残りわずか、大掃除がおわらないのに二次を書いてる場合じゃないんですよね。
今日から家族みんな家にいるし・・・(;^ω^)
さぁ頑張ろう!
もち大掃除です。(笑)
*「来い 駿!」
なんの迷いもなく俺に手を伸ばす駿。
両腕にかかる重みはちっとは重くなったか?
大人なら気にならない100グラムの程度の差でもなんとなくわかるような気がする。
素直におとなしく俺に抱かれる駿に気が緩む。
「ゆっくり、のんびり、身体を休めろ」
俺はこれから駿とお前の誕生日のプレゼントを買いに行くつもり。
子供を連れて宝石店に行くのはつくしからダメだしされそうだらないしょの行動。
遠ざかるつくしを見つめた駿の不安げな瞳が俺を見つめる。
泣くなよッ!
ちょっと会わないだけだ。
「駿、今日はパパと出かけるぞ」
俺の言葉が近いで来てるのかできてないのかまだ少し微妙な2歳児。
「ママ・・・」
その、ママのあとの口元はどうして一緒じゃないのかとか細い表情を浮かべる。
「駿、お前の好きなミニカーあるぞ」
ポケットから取り出す俺は子犬をしつける訓練士になってる気分。
スラックスのポケットの中にはあと一つはミニカーがある。
嬉しそうに両手の指がミニカーをつかむ。
小さな手のひらよりまだミニカーのほうが大きい。
その手からポロリとミニカーを落とすたびに俺は拾い上げて駿の手の中に戻す。
「ありあと」
両手で握ってまだたどたどしい日本語でにっこりと礼を言う駿の頭をクシャクシャに撫でたいくらいに可愛くてしょうがねぇ。可愛いって思える感情つくしのそれとはまた別物。
見ていて飽きねぇのはつくしも駿も一緒だけどな。
クリスマスを過ぎた年末の店先。
装飾品を見る客はまばら。
子供ずれの俺は目立つようで数人の客もガラスケースから頭を上げて俺たちを見てる。
いつもの店なら奥の部屋に通されてテーブルの上に並べられた宝石を見る。
今日は腰の低い店長も媚びを売る女性店員もいない。
チラチラと見る視線は駿の笑顔につられるように笑顔を見せる。
かわいいという言葉が俺に向けられるのも初。
まぁ、俺が抱いてる駿に向けての感想だけどな。
「駿、つくしにはどれがいいと思う?」
おもちゃ以外は興味を示さない幼児。
ガラスの中に並ぶ指輪やネックレスがどんな意味があるのかわからねぇよな。
それでも店のライト受けて輝きを放つ宝石の艶やかさには興味があるようでしっかりと見てる。
口の中に指を入れてテカる小さい指はご愛嬌。
食いもんじゃねぇからね。
「あれー」
口から抜けたテカった小さい指はガラスケースの真ん中。
腕の形にディスプレーされたブレスレット。
華奢なつくしの白い腕に映える赤いルビーがちりばめられてる。
10万の値札。
もっと高けーやつ。
この並びは似たり寄ったりの値段。
「駿、あっちの方がいいのあるぞ」
「ヤダッ」
俺の身体を棒と勘違いしたように這いおりやがった。
ちょこまかと走る姿がガラスケースに這いつく。
ガラスケースまで届かないちっこいのは中を見ようとピョンピョンと跳ねる。
「これが、いい」
「ママ、赤いの好きだよ」
赤が好きなのは駿、お前だろうが。
「駿が初めてママに選んだものなら喜ぶかもな」
駿の目線に合わせるように腰を落としてガラスケースの中が見えるようにションを膝の上に置いた。
「パパこれ~」
期待する駿の瞳を裏切れるわけがない。
「これを、包んでくれ」
「プレゼントですか?」
女性用のブレスレットがプレゼントじゃなきゃどうするんだ。
マニュアル通りの受け答えに苦笑。
リボンのかかった小さい箱の入った小さな紙袋。
それを大事そうに胸に抱え込ん駿。
落とさないようにしてるのかいつもより慎重に歩く小さな歩幅。
そのちっこい後ろ姿はたとえようもないほど愛らしくて愛しい。
あいつがこの場にいたら俺以上に緩んだ嬉しそうな表情で駿を見つめるんだろうな。
「駿、落とすなよ」
数歩で追いついた駿を抱き上げてつくしの待つ屋敷に帰るために店を出た。
つくしはどんな表情を俺たちに見せて喜んでくれるのだろう。
想像するだけでいい気分になれるそんな午後。
来年は生まれてくる子供たちとも一緒にプレゼント選べっかな?
予定日を考えればまだ赤ん坊。
再来年だな。
車の後部席でそんなことを考える自分がどうしようもなく単純に思えて、可笑しくてしょうがない。
こんなありふれた家族との時間が大切で宝物で何よりも守りたい。
この俺が信じられねぇよな。
来年は俺らしものをあいつに贈ろう。
拍手コメント返礼
りり様
駿君が選んだことに価値がある。
司が計画してお金を払ったとしてもつくしが感動するのはそこなんですよね。
まさかそこに大人な司は突っ込まないと思いますけどね。
突っ込むのも面白いかな♪