愛を叫べ! 17
出張♪
出張♪
つくしと二人で出張♪
「代表・・・仕事です・・・」
ステップ踏んでる司を渋い顔で見つめる西田さん。
「二人きりじゃないですよ。
私も同行します。
代表の秘書ですからね」
言ってやりなよ~西田さん。
司は・・・・
聞いてないかぁ・・・
出張・・・
出張・・・
道明寺と出張!
頭を抱え込んでるつくしちゃん。
フランスで愛を叫べるのかなぁ・・・(;^ω^)
「大丈夫?」
床に落としたスマホを拾ってくれたのは玲子さん。
今回の出張のメインは玲子さん。
企業とのやり取りを覚えるいい機会だと助手を言いつけられた私。
二人もフランスまで出張させられるのはさすがは大企業だと思った私の考えが浅はか。
外国出張を渋るであろう道明寺の餌にさせられたんだと早く気が付けばよかった。
「フランスには道明寺が行くそうです」
声が震えそうになるのは必死で抑え込む。
道明寺が不機嫌になるのを気にしながら連絡を入れたのにッ。
「そこ、俺も行くぞ」
だもんなぁ~。
気が抜けたというか・・・
ほっとしたというか・・・
最低3日は会えないだろうと思っていたから、離れないで済むと思えばうれしいんだけど・・・ 。
出張のことをどう告げようかと思案の末に西田さんをクッションにしようと道明寺の前に連絡を入れた。
「代表がおとなしく気分よくお留守番させる施策があります」
屋上でコーヒーを両手に準備して道明寺が来るのを待った。
普段なら社員の目があるから絶対道明寺に自分からは近づかない。
その鉄則を破るどころか猫舌の道明寺のためにコーヒーをフーフーまでした。
機嫌よく道明寺が戻ったところで出張を告げる計画。
その上を行く西田さんの秘策があったなんて!
これからは西田さんを当てにはしないから!
「つくしちゃん・・・それ、誰でも予測できる」
ポンと玲子さんが私の両肩に手のひらを置いた。
「出張に行く社員が男性なら、直ぐに首をすり替えて代表がいくことになるに決まってるでしょう」
スーツからポロリと落ちたへのへのもへじの顔。
その首の上にすがすがしい表情の道明寺の顔が私の頭の中でのっかった。
腕を組んで長い脚を軽く肩幅に開いた颯爽と立つ道明寺。
派手なオーラーをまき散らすその姿を頭の中から首を振って追い落とす。
落ちない・・・。
「お前をほかのやつに任せると思ってるのか」
高笑いの道明寺の声まで聞こえてきた。
「すぐに準備して空港に行くわよ」
え?
すぐ?
「いろいろとリサーチすることもあるから代表より先に現地に行くの。
それとも代表と一緒に行きたい?」
「いえ!そんなことはないです!」
力を入れ過ぎた私の声に玲子さんがクスリと笑みを浮かべる。
道明寺・・・拗ねないかな?
成田から飛び立ってフランスまでの飛行時間を考えたら、どうして待ってないんだって言われそうだもの。
「行くわよ」
玲子さんの声にデスクの上の鞄を抱えて事務所を後にした。
「おい!今どこだ!」
成田についてすぐのスマホから聞こえた怒鳴り声。
ほら!
やっぱり道明寺は私と行く気満々だ。
「代表、私たちは先に現地に行って代表の仕事がスムーズに進むように手配をしておきます」
私のスマホに横から玲子さんが顔をつきだして一方的にしゃべって通話をを切った。
そしてスマホの電源を落とす。
「代表が着いたころにには私たちの乗った飛行機は雲の上だら」
コツコツとパンプスの音を立てながら搭乗口に向かう玲子さん。
その後ろ姿を私が追いかける。
私に追いついてきた道明寺の機嫌はどのくらいまで悪くなってるのだろうか?
私の不安をよそに楽しそうに鼻歌を歌う玲子さんが見えた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
西田さんと玲子さん♪
この二人にはうまく遊ばれそうですよね。
最後はしっかりまとめてくれる二人だからここは安心した楽しんじゃいましょう。
あはは、新カテゴリーもう発見されちゃいましたか(笑)
昨日追加したばかりなのにな~
さすがです♪
「戯れの恋は愛に揺れる」
物語の構想は大体出来上がってるのですが、題名をいつも考え込むんですよね。
ようやく浮かんだ題名がこれ!
忘れないうちに題名だけUPしちゃおうと追加したわけです。
今回のパラレルはベルサイユ調で行くか平安絵巻で行くか舞台設定にもう少し迷っております。
連載が一つ終わったら開始する予定です。