DNAに惑わされ 65
やっと・・・
やっと・・・
大人の仲間入り♪
「俺より早ぇじゃねぇか。
俺なんて何度我慢させられたって思ってるんだ。
寝られるし、熱出されるし、けり入れられるし、逃げるし・・・」
子供相手に昔を振りかえる司は不満をぶちまける。
「鮎川が結構頑張ってくれたから勇気が出ただけなんだよ」
何かを思いだして首筋まで赤くなる駿。
「相手が誘うタイプなら俺ももっと早くいけたはずだけど、相手があの超鈍感なつくしだからなぁ・・・」
悔やむ表情に浮かぶ憂い。
「駿相手になにしゃべっってるの!」
二人の間割って入ってきたつくしは切れる寸前。
「なにって?
何だよ!
お前と俺との黒歴史」
ボクッ!
今回は大事なところにけりが一撃。
悶絶する道明寺代表なんてみたくないなぁ・・・(;^ω^)
ベッドから身体を起こした鮎川のやけに白い背中が印象的。
照れ臭くて顔を見れないのに鮎川から目が離せずにいる。
何度も菜花と呼んでのぼりつめたのは少し前のはずなのに。
夢の中の出来事のように感じてる自分がいる。
湾曲する形に浮きあがった背骨。
その背骨をなぞるように指で触れる。
ビクンと肌を震わせて振り向いた鮎川が照れ臭そうに笑って僕を覗き込んだ。
ゆらりと揺らいだ身体はもう一の僕の身体の上に落ちる。
「見るな」
小さくつぶやくその声はさっきまでの欲情を思い起こさせる。
夢じゃなかった・・・
そう胸の奥でつぶやく自分がなんとなくおかしくてしょうがない。
鮎川の柔らかいふくらみの感触が僕の胸と重なって心臓がもう一度飛び跳ねた。
『柔肌の熱き血潮に触れもみで寂しからずや道を説く君』
女性の情熱的な恋心を詠んだのは与謝野晶子。
明治の歌人のうたが僕に触れる鮎川と重なった。
能的衝動というか・・・
鮎川に触れたくて・・・
抱きたくて・・・
離したくなくて・・・
いつまでも一緒にいたくて・・・
押さえつけてる理性の奥底で僕はどれだけ鮎川を求めていたんだろう。
感情の部分ではすでに抑えきれなくて、ごまかしきれなかった男としてのとしての正直な感情を突き動かしたのは鮎川の情熱。
ためらいと不安で踏み出せない僕の背中の押してくれたのは間違いなく鮎川だ。
胸元に頬を寄せたまま感じる鮎川の温もり。
そっと髪を梳くように撫でる指先からも甘い余韻と愛しさを感じてる。
髪に落とした唇。
そのままもう一度鮎川の存在を確かめるように柔肌を抱く腕に力を込めた。
「あのさ・・・
その・・・大丈夫だった?」
僕の声に鮎川が顔を上げる?
「何が?」
挑発するような瞳で僕を見つめる鮎川は僕が気にしてることは分かってるはず。
「だから、ほら、女の子は大変だって聞くからさ」
「痛い・・・」
「え?」
「大丈夫だから・・・
駿がくれるものだったら・・・・
痛みでも耐えらるって思って頑張ったんだぞ」
とにッ
悪戯っぽく笑う魅力的な小悪魔はわざと僕を煽ってるとしか思えない。
背中に回した腕から逃れるように僕を突き放しにかかる菜花。
鮎川から菜花に心の中で置きかて名前を呼ぶ僕の照れ臭さを菜花はわかっているだろうか。
弾けるような笑い声を見せた菜花の笑みを固まらせたのは、菜花のバックの中から聞こえてきた着信音。
「今日は、もう、帰るね」
誰からの着信かもうわかってる真顔の表情を菜花が見せた。
泊まっていけよと誘える隙のない菜花はベッドから下りて脱ぎ捨てたシャツを拾って腕を通した。
「送ってく」
ベッドから離れようとする菜花を引き止めるように腕を伸ばして手首をつかんだ。
「殴られるかも」
振り返った菜花の僕を試すような口ぶり。
「黙って2、3発殴られてもいい」
きょうの僕らの出来事は一生忘れないと思うから。
そこに監督に殴られるようなことに付け加えられたとしてもそれは勲章。
「この時間ならぎりぎりセーフかも」
日付が変わるまでの25度のところが今の長針の位置。
「ばれるようなこと自分から言わないでよね」
ツンと鼻を付きだすように顔を寄せてきた菜花。
今日一番に気恥ずかしい表情を僕に見せた気がした。
親にばれるって一番照れてしまうことかもしれない・・・。
*柔肌の熱き血潮に触れもみで寂しからずや道を説く君
与謝野晶子 『みだれ髪』より
ネットでもいろんな解釈ありますが・・・
あなたがほしいのにどうして触れてくれないのなんて女性から積極的に誘ってるという解釈。
俵万智さんは、 『チョコレート語訳みだれ髪』で 「燃える肌を抱くこともなく人生を語り続けて寂しくないの」
こう口約されてましたね。
高校生の駿君が思い浮かべるにはまだ早い感じもしますがなぜかふと浮かんで引用してしまいました。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
なぜかこのままお泊りにしたくなかったの~
少しの希望を監督に残してやりたくて♪
きっといろいろ考えこんじゃう罰を少しは翔五郎さんにも与えなくちゃね。
司なら国家権力私物化で舞ちゃん探しだそうとしたりして・・・(;^ω^)
冒頭のお話に翼くんも参加?
翼くんの感じは私の中では総ちゃんにあきらくんのタイプなんですよね。
すずちゃんと付き合うまで来るもの拒まずでしたからね。
「俺?俺の初体験聞きたい?」
翼の表情に司と駿を見下してる雰囲気。
早いだけが自慢じゃねぇんだよ
同じ感情が司と駿の胸に湧き上がるのであった。
聞きたくねぇッ!
アーティーチョーク 様
菜花ちゃん道明寺御曹司夫人内定!?
いや~わかりませんよ。
恋愛は何が起こるかわからない。
二人の場合は反対されることはないと思いますけどね。
そうか・・・
道明寺邸にまだ菜花連れて着てませんね。
蒼君は泊まってたのにここで蒼君有利!
・・・そして話はBLに!
なんてことあるわけない。