0.1% までの恋(すべての恋を終えるまで) 8
司君今頃日本に向かってるかも・・・
不機嫌満載の顔で席に座ってたりして~
ポンと二人の前に飛び出てきたら修羅場?
鮫島社長危うしとなるんですけどね。(;^ω^)
*「ちょうど、いいものを持っていました」
UFOキャッチのクレーンのように動いた鮫島社長の腕がスポッとスーツの右ポケットに入りこむ。
そして取りだして開いた右の手のひら。
その上でコロッと丸めのものが転がった。
「キンコンカン!ていうんですけど、早い話が痒みに効く万能薬です。
よく効きますよ、差し上げますから試してみてください。」
なぜかキンというとこだけがやけに強調して聞こえたのは私の思い過ごし?
「・・・あ・りがとうございます。」
別に見られても困るものじゃないのに早くそのキンコンカンのロゴを隠さなければならないような気になってしまった。
急いで鮫島社長の手のひらに腕を伸ばす。
「あれ?つくし?」
上に向いた手のひらに下に向けた私の手のひらが乗っかったまさにその時。
斜め横から聞こえてきた声に私の動きが止まった。
呼ばれて反射的に顔を向けたその相手は松岡公平・・・
なんだ、公平かと思った私の目がドカッと見開いた。
その後ろにたたずむのは・・・道明寺・・・っ!
慌てて鮫島さんの手のひらから自分の手を引っ込める。
んなわけない。
道明寺はただいま海外出張中。
耳の見える短く整えられた髪の毛。
背負ったリュック鞄の茶色い紐。
少し緩んだタイ。
え・・と・・・
同じ弁護士の深山大翔。
公平と仲良し・・・
どのくらい仲なのかほんのちょっと、ちょっとだけ私の妄想が入る。
気が合う仲間というより・・・甘いものがほんの少し二人の間に見えたんだもの。
あっ・・・
鮫島さんはまだ手のひらにかゆみ止めをのせたままだ。
金武根幹!
じゃない!キンコンカン!
なにわざわざ漢字を当てはめてるのか自分に動揺。
慌ててキンコンカンを奪うように取って自分の上着のポケットにしまいこんだ。
「偶然だな。何してるの?」
そう言った公平の瞳は鮫島さんをとらえて軽く会釈。
「あっ、こちら鮫島さん。このホテルの社長さんでね。偶然というか、道明寺のお母さんと食事してたら紹介されちゃってね」
公平を通り越してなぜかその後ろの深山さんに言い訳してる。
道明寺のお母さんにはあったことのない二人にやけに道明寺のお母さんを印象付けようと必死になってる。
どうも調子が狂う。
道明寺じゃないってわかってるのに背中に感じる冷汗。
「相変わらず、忙しいようだな」
くすっと笑う公平とその後ろで意味深な笑みを浮かべてる深山さん。
その笑みが道明寺の意地悪な笑みに重なって心臓に悪い。
「そうだ、僕たちは忙しい」
ちらりと腕時計に視線を落とす鮫島さん。
「デートの時間がなくなりますよ」
えっ!
鮫島さんの発言に一番焦ってるのは私。
「行こう」
私の腕を掴んだ鮫島さんは思ったよりバカ力で私を引っ張って二人の前を横切った。
「つくし!」
鮫島さんに掴まれていない反対の腕を公平にとられてる。
「あいつ・・・知ってるの?」
ぼそっと小さく耳元に聞こえた公平の声。
たぶん・・・
公平の前で私は困惑気味の表情を見せてたんだと思う。
「知るわけないよな・・・」
道明寺の嫉妬心を一番知ってるであろう公平の切実な声。
「デートじゃないから」
小さく慌てて返した声には動揺が混じってる。
公平に言葉を返しながら・・・
道明寺には通じないだろうなぁと後悔してる自分がいた。
熱が上がりそうだったので早く発散させなきゃ~と・・・
まい2様のコメを採用させていただきました。
あの数行のコメでどこまで私を妄想させるつもりなのよ~。
ちなみに熱は出なかったんですよね。(;^ω^)
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
キンコンカンで遊びすぎちゃいましたが・・・(;^ω^)
かゆみ止めといえばムヒでしょうと突っ込まれたところもありますが、
昔はキンカンとう塗り薬があったはず。
>ひ~様、コメントからのお話作り上手すぎです。
>まい2様とおーじ様のコメントもすごすぎるんですよね♪皆さんの楽しすぎる発想に脱帽です。
ありがとうございます。我が家の常連メンバーも小躍りして喜んでると思いますよ。
そしてまた妄想暴走列車が走りだすのです。
大翔と公平がBLも何気に待ってる方いらっしゃるんですよね。
BLが書けるかどうか私には、未知の世界であります。
もんた 様
更新お待ちいただきありがとうございます。
今週はなぜか急がしくて~
なるべく早くUPしますね。
アーティーチョーク様
デートまでまだいっちゃいないんですよね。
ホテルの出口でばったり~
別な誤解が生まれたりするかも?
公平なら誤解しないとは思いますけどね。
司の帰国はいつになるのかな~