0.1% までの恋(すべての恋を終えるまで) 12
このブログのカテゴリは大まかにリターンズその後とファイナルその後のふたつとなっています。
大学時代と結婚後にわかれてお話を作っています。
ほぼこの二つのカテゴリーを各1話ずつ同時進行で更新させていくスタイル。
これにジュニアの話があるので数個の話をいつも持ってることになってます。
時間経過とともに1話~二話とタイトルの上につけていたのは初期。
書き終わった後に大体の時間を合わせて追加しているのが現在です。
ファイナルその後は新婚の設定が多いことに気が付きました。
1話「100万回のキスをしよう」と2話「抱きしめあえる夜だから」の間のお話がどんどん増えていってるのよね。
この連載が終わったら子育て真っ最中のお話を久々に書いてみようかと思ってるところです。
小さい駿君好きなんですよね。 ← なんの告白だぁ~~~~。
*「好きだ」
「と、言えた。」
スマホの向こう側から告白の言葉と次の距離の間は私を誤解させるのは十分すぎる間。
思わずスマホの手のひらで抑え込んであたりを見渡した私の動揺を鮫島社長は全く気が付かずそのまま会話は一方的に終わった。
中途半端な疑似デートはなぜか男性3人と女性一人のグループでのティータイムで終わる。
鮫島社長と深山さん、二人でいろいろ恋愛論を出し合っていたと思う。
結論的にこの二人はなかなかの恋愛の曲者だと思う。
マイペース、自分本位。
二人とも独特の世界観を持るってるみたいでめんどくさいそうなタイプ。
めんどくささからいったら道明寺も負けてないけどね。
結局結論が出ずに別れたあの日からなぜか毎日私のスマホの着信音を鳴らしてくるのは鮫島社長。
着信の履歴は道明寺の次に多くなってきた。
スマホの道明寺に見られたらアウト!!
そんな気もしてる今日この頃。
「スキの二文字にも随分と手を焼かされたがキスの二文字にも悩まされてる」
そんなボヤキを聞いたのは私との出会いから1週間を過ぎたあたり。
つきあい出した彼女とキスのタイミングがつかめないってことらしかった。
鮫島社長・・・
中学生?
女性との付き合い経験がないってことはないはずなのに、自分からしたことはないとか好意を持った相手とつきあうのは初めてとか・・・
ある意味道明寺より奥手?
女性経験で言えば西門さんとか美作さんと同等でも恋愛経験は道明寺以下ってこと?
道明寺も私とキスするの悩んだのかな?
あいつの場合それはなかった気がする。
本能!のままに行動してくるタイプだもの。
キスをされそうになって逃げた記憶がかすかに残る。
高校生の私って、恋愛では希少価値に分類されてたって思うもの。
まさかキスをする方法の相談!
鮫島社長から連絡が来るたびに違う意味で緊張が走る。
そんななかスマホの画面に表示された名前は深山さん。
大手法律事務所に努める深山さんとは最近仕事がらみで会うことが多くなった。
一緒に行った玲子さんが深山さんを二度見したのは正常な反応だって思う。
「つくしちゃん、仕事やりにくくない?」
そう・・・
やりにくいです。
法律用語をスラスラとしゃべる道明寺にだんだんと見えてくる。
現在出張中で道明寺に会えない寂しさを深山さんで紛らわそうとしてる自分もいる。
これで髪型まで一緒なら間違いなく私は道明寺と一緒だと錯覚してしまうだろう。
道明寺には絶対真似できないであろう髪質でよかった。
上にくるりとカールするほど長いまつげ。
真剣な眼差しの奥が何かを見つけてきらりと光る瞬間の輝きは半端なく艶やかな色を見せる。
深山さんに会った後はすごい脱力感が私を襲う。
深山さんの中に道明寺を探す私。
道明寺にも深山さんにも失礼なことしちゃってるよ。
道明寺が私のそばにいないのが悪い。
今日で一週間。
道明寺欠乏症になりそうなのはきっと深山さんを見てるからだって思う。
いつ帰ってくるのよ!
寂しさと不機嫌さを混ぜ合わせてベッドにもぐりこんだ。
ウトウトしてるベッドの中の私。
目を覆うように動いた影。
感じる人の気配。
だれ?
「寝てるのか?」
覗き込んできた表情を寝ぼけた私は必死で瞼を開けようと格闘。
閉じかかった瞼は重くて持ちあがらない。
道明寺?
まだ帰ってくるの先だよね?
深山さんかな?
今日も仕事で会った。
夢で出てくるんだったら深山さんじゃなく道明寺でしょ。
「みや・・・ま?」
聞きなれた声が深山さんの名前を呼ぶ。
もう道明寺そっくりの顔を見せないで深山さん!
伸ばした腕が深山さんの顔を見なくていいように胸元に引き寄せた。
何?
触った感触が・・・ある・・・
どうして?
抱きこんだ頭の髪の毛の感触を確かめるようにクシャクシャ動く。
指先に巻き付く細い髪の感触。
え!?
本物!?
腕に抱きよせたものを突き放してベッドの上に飛び起きた。
ベッドわきに呆然と立つシルエット。
警備の厳しい道明寺邸の最奥。
もっとも厳しい私たちの寝室に不審者が侵入するのは0.1%も無理。
ってことは・・・
道明寺?
帰ってきた?
ゆらりと動いた人影私の前でベッドの上に両腕をドンとつき下ろした。
「え・・・と・・・
お帰りなさい・・・
早かったね」
道明寺だと思わずにほんの一瞬浮かんだ深山さんが私の気まずさを大いに刺激してくる。
似てるからしょうがないんだよ。
道明寺がいない間寂しさを埋めてくれるというか・・・
道明寺がそばにいるように想像させてもらっていた。
「おい!俺が帰ってきたのにその微妙な空気はなんだ?」
「寝ぼけてたっていうか・・・
夢見てたっていうか・・・」
ベッドに這いあがるように膝をのせた道明寺が目の前に迫る。
「深山って?」
「みみ・・・深山?
私、言った?」
深山って聞かれてオウム返しの私に道明寺の目が怪しく光る。
反射的に私の身体は道明寺から離れるように後ろに下がる。
それももうほぼ後がない状態。
「俺がいない間に浮気してんじゃねぇよ」
「浮気なんてするはずじゃないでしょう!」
深山さんだけじゃなく公平に鮫島さんに会っていたことを道明寺が知ったら不機嫌になるのはわかり過ぎる。
すぐ浮気って言いだすんだから。
「うっ・・・」
噛みつくくようなキス。
逃げようとしても後頭部を抱え込まれて抗おうにも抗えない密着度。
すべての熱を道明寺の唇が私から奪っていく。
「帰ってきた俺にお前から熱烈に出迎えるってのが常識じゃねぇの?」
離れた唇から漏れる熱はそのまま私の唇に触れる。
「深山でも、なに山でもいいけどな。
俺のことしか考えられないようにしてやるよ」
一気にベッドの上に転がされた私の身体の上に道明寺のしなやかな肉体が乗っかった。
え?
おっ!
頭より身体ほうが真っ先に目覚めて騒ぎ出す。
ダメっ・・・
形だけの抵抗は簡単に道明寺に押さえこまれてしまった。
mizuta 様のコメをいただき更新させていただきました♪
そして今日もいいとこで寸止め劇場で申し訳ないです。(;^ω^)
拍手コメント返礼
りり 様
司と深山君と二人並んだらどうなるかしら~
つくしちゃんパニック!
そうでした、類の記憶喪失のお話のほう最近更新してなかった・・・(;^ω^)。
スリーシスターズ 様
司が登場すると他の詞さ2倍。
つくしちゃんの苦労も2倍。
2倍どころじゃないかなぁ~
99.9%間違いじゃんないですよ~
ちょうどコメントいただいてる最中に別な赤ペン修正をいただきましたちょうど読みなおしてるところでした。
ここ、99.9%? 0.1?どっちにしようと思っていたところにスリーシスターズ 様からのコメ投稿のお知らせが届いたんですよ。
そこで変更しました。
>「ないしょ!ないしょ?ないしょ!?」と「迷うひつじを惑わす狼」の二本立て読破しました。
この話は筋立ては同じ方向性ですもんね。
つくしちゃんを振りまわす場の読めないオリキャラがぴかいちなんですよね。
私も楽しんで書けた作品です。
まい2様のコメント。
あの手紙をもらったら司君崩壊しそう。
コメントから大発展して大変身するのことは手放しで喜んじゃう私です。
今回の手紙の内容どう使おう・・・(;^ω^)
ソフィ様
お久しぶりです。
お元気でしたか?
ソフィー様のお名前を拝見するとうれしくなりますよ。
長い付き合いですからね。
最古参ですもの~
駿君の幼少期早めにお届けできたらいいなぁ。
heorakim 様
考えていたの司じゃなく深山君ですからね。
司より深山君が気になるのもわかりますけどね。
でもやっぱり司じゃないとそこで興味は途絶えると思うけど司の出方次第ではどう転ぶかわからなくなるかも~
>底なしに愛されるのも楽ではありませんね。
問題はそこか!
うらやましいこと間違いなし。