戯れの恋は愛に揺れる 17
さぁこれでつくし姫の誤解も解けるかな?
ここは椿さんに任せます!
って、ことでめでたしとなるのかなぁ・・・(;^ω^)
「姉宮様にお願いがございます」
ぶしつけすぎるほど長く顔を上げていた顔を三つ指をついたまま畳の上に擦りつける額。
自ら言葉を発することが無礼に当たることも今のつくしには及ばない。
そんなつくし姫を諭そうとした女官を椿皇女は制して部屋から下がらせた。
「この婚儀をなかったことにしたいのです」
椿に聞こえたつくしの震える声にその切実さがにじんでいる。
「嫌なのですか?」
本来皇室との婚儀を貴族は切望するものだ。
ましてや今までどんな美しいと評判を聞く姫でも見向きもしなかった弟が自ら名を上げたのがつくしであった。
司の話では二人とも気持ちは一緒で、自分が迎えに来るのを待っていると頬を染めて離す司をうれしく思っていたのだ。
「嫌などとは・・・」
さすがのつくしも嫌だと発言することをためらう仕草を見せる。
ここで思い人がいると正直に話せれば心は楽になるのだろうが、司に害が及んではと思うとそれ以上の言葉をつくしは発することができない。
「約束をした相手でも?」
この時代、親の決めた相手に嫁ぐのが常である。
姫宮からかけられた言葉はつくしを驚かすには十分であった。
驚きのままにつくしは顔を上げた。
じっとつくしを見つめる姫宮の瞳はどこまでもやさしく包み込むような感情を示す。
「好きな人がいます」
「誰?」
「山里に私がいた時に知り合ったのです」
つくしが都を離れていた理由も山里に司以外にも御付きの3人の若者が一緒だったことも椿は聞いている。
若い姫を持つ貴族の誰もが婿にと望む3人だ。
つくしが誰に好意を寄せても椿は不思議だとは思わなかった。
弟の思いこみの強さは十分に感じている。
あの子の独りよがり・・・だったら・・・
司は未来の忠臣まで失うことになりかねない。
「その若者はどんな性格なのですか?」
4人とも容姿も性格も異なる。
椿はつくしの思い人が誰なのか探ることにした。
「我儘で、横柄で、独りよがりで・・・
それでも私のことを第一に考えてくれて守ってくれます」
つくしの話す人物はどう考えても司と重なる。
あの四人の中というよりこの国で司のすることに拒否をいれられる人物は限られてる。
あの弟が一番独裁的なのだ。
「だから東宮様のもとに参ることはできないのです」
頬を高揚させてつくしは言いきった。
東宮って・・・
ここで椿はつくしが現東宮と次期東宮の司をとりちがえていることに気が付いた。
二人ともどこまで勘違いしてることなのか・・・
勘違いだと気が付けばこのややこしく絡まった糸は直ぐにでもとける。
つくしもこんな辛い思いをして司のもとを逃げだす必要もなかったはずだ。
「そのものの名前は?」
すぐにでもその間違いを解いてやりたいところではあるが、変わり映えのない日常に少しの楽しみを見つけた気分に椿はなってしまった。
「言えばその方にも迷惑がかかります」
「大丈夫です。罪は問いません」
司の姿を脳裏に描きながら椿はつくしに言葉をかけた。
あれほどつくしを妃に迎えたいと自分たちに訴えた司は、つくしに自分の身分を明かしてはいなかったのだろう。
我が弟ながら詰めが甘すぎる。
どこか抜けている司が椿には可愛くてしょうがない。
そして東宮としての地位より司本来の姿を愛しいと慕うつくしを椿は気に入ってしまった。
「それならそのものに東宮との婚儀が進められてることを話せばいいではないですか?」
司を慕うはずのつくしから婚儀のことを聞いた司はいったいどんな表情を浮かべるのだろう」
想像するだけで椿は口元に笑みがこぼれる。
「今、ここに呼びましょう」
「えっ!今ですか!」
突然の椿の申し出につくしは狼狽えてしまっていた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
これでお話はうまく転がるのか!
もう少しと思う私とそろそろおしまいと思う私のせめぎ合いです。
ここは司皇子に大人の対応を期待!
いよいよ夏休み突入ですね。
我が家の姫は今日は課外に出ていきました。
この時間が私の執筆の時間となってます。
りり 様
つくし姫とつかさ皇子は以外は皆簡単にそこに気が付いてるんですよね。
なぜこの二人は!!
あと少しでほつれたいとがほどけるかな?
yumi 様
最終話見えてきました♪
勘違いがわかった後の二人が見物ですよね。