0.1% までの恋(すべての恋を終えるまで) 19

このお話もいよいよ最終話が近づいてきました。

その前にたっぷり楽しく遊んじゃおうと思っております。

 *

「お久しぶりです」

「え?松岡君?久しぶりじゃないの」

公平のさわやかなあいさつの声に玲子さんも懐かしそうな表情を浮かべた席を立った。

そんな玲子さんにつられるように立ちあがった甲斐さんは、珍しいものでも見たという表情で立ちあがったまま微動だにしない。

もちろんその理由は公平じゃなくその後ろにひょこっと立ってるいつもとは違う雰囲気丸出しの道明寺・・・

じゃなく深山大翔が理由。

深山さんと公平を交互に見る甲斐さんの視線が私とぶつかった。

公平のことを敵視してる代表がどうしてにこやかに隣にいるのか!

そんなありえない構図に甲斐さんはしっかり動揺してる。

「初めまして、弁護士の深山です」

軽く頭を下げて深山さんから差し出された飯を受け取る玲子さん。

少し驚く表情を浮かべたのはほんの一瞬。

「深山・・・大翔・・・」

小さくつぶやいて納得できたって表情で玲子さんは私を見てる。

冷静さを失わないのは道明寺に対する恐怖心の違いではないのだろうか。

甲斐さんの場合は道明寺が睨みすぎだもの。

私の新人教育指導についたとこから気にいらない道明寺に私と一緒にいることがい多いという理由だけで甲斐さんは睨まれてしまってる。

生きた心地がしない

というのが私の指導者としての甲斐さんの口癖になりつつある。

「・・・なんだ、代表じゃないのか・・・」

甲斐さんも名刺を受け取って安堵のため息を漏らす。

ここまで甲斐さんを脅えさせる道明寺ってやりすぎじゃないのだろうか。

だから私は道明寺に事務所に顔を出してほしくないのだ。

「つくしちゃん、よく間違わずに抱き付かなかったね」

いきなり生気を取り戻した甲斐さん。

「抱き付きません」

抱き付いてくるのは私じゃなく道明寺からですから。

「代表は会ってるの?」

私の、耳元で玲子さんが囁く。

「いえ・・・まだ・・・」

でも公平が会社に来てることは道明寺も知ってる。

西田さんがどのくらい道明寺をとどめられるのかそれが問題。

そして公平も深山さんもすぐには帰ってくれそうもない。

二人は訴訟の相手の情報をうちの事務所が持ってると聞きつけたやってきてるのだ。

ここからしばらくは仕事の話になるって思う。

もちろんその相手は私じゃない。

甲斐さんの受けってる弁護人とつながりがあるらしかった。

だから私はここでそれじゃと自分の部屋に引きこもっても何ら問題はない。

それなのに目の前では雑談が始まってしまってる。

玲子さんってば!

道明寺にそっくりの深山さんを質問攻め。

年齢から始まって恋人がいるかとか・・・

それって玲子さんが彼を狙ってるみたいですよ。

「飴、食べます?」

深山さんの手のひらの転がる飴の包装にはありがとうオリゴ糖

どんな味?

飴だから甘いんだろうけど・・・

「本当にそっくりね。

性格と雰囲気は違いそうだけど。

これならつくしちゃんも混乱はしないわね。

似てるのは輪郭と目と鼻と口だけなのかな?」

そういいながら玲子さんは深山さんの手のひらの上からありがとうと飴をにっこりと拾いあげた。

「そんなに似てますか?」

不愉快というよりは興味があるある表情を浮かべる深山さん。

「似てるってもんじゃない」

腕組みをしたまま答える甲斐さんにもう恐怖の色はない。

「代表って双子じゃないよな?」

「双子なわけねぇだろう」

いつの間に来ていたのか開きっぱなしのドア。

その横の壁に背中を持たれさせ長い脚を交差させるように立つ道明寺。

腕組みをしたままわずかにうつむく表情。

伏せた目は長いまつげをますます印象付ける。

威圧的オーラーは全開でその姿を包みこんでる。

コツンと向きを換えるように道明寺の足先が横から前を向く。

そして・・・

ゆっくりと伏せたまつげが上に動く。

それはまるでスローモーションのようにゆっくりと思えたがほんの0.01秒だったと思う。

私を捉えた視線はそのまま動いて深山さんをとらえた。

ごくりとつばを飲む込む音が身体全体に響く。

道明寺の発言をここにいる誰もが緊張して待ってる。

そんな雰囲気が部屋中を包みこんでいた。

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

ついに対面です。

さてどんな態度に出ることやら~

そしていつ鮫ちゃん社長やってくるのかしら?

こんな時の場の空気を察知できるかな?

松潤ドラマ一色ディ(^^♪

一日楽しく過ごせそうですね。

我が家は夏休み中韓国ドラマを見て過ごしました。

やっと解放される~。

りり 様

司の第一声気になりますよね。

つくし以上に気になっていたりして~

このお話もラストスパートかけなきゃッ。