0.1% までの恋(すべての恋を終えるまで) 20
おはようございます。
台風の影響はいかがでしょうか?
幸い私の居住区は暴風域からそれて台風12号は進んでくれてるみたいです。
しかし速度遅すぎだなぁ。
司のように速攻で進んでほしいものです。
司の場合怒りで進んじゃうと根こそぎやられてしまう可能性ありますけどね。
大翔君大丈夫かしら?
台風の被害が少ないことを祈りながら。
*わずかに開いた扉から漏れて見えた閃光。
というのは冗談ですが・・・
代表の不機嫌オーラーは青白い炎。
物音一つ聞こえてこない静まり返った部屋の空気は妙な緊張感に包まれる。
その部屋に一歩足を踏み入れた立ち止まった私の背中に鼻をぶつけたのは鮫島社長。
「申し訳ありません、私としたことが」
本来なら鮫島社長を先に案内して事務所に通すのが礼儀でした。
しかしこの場合は部屋からこぼれて感じ取った冷気が自分が先に部屋に入って状況を見極めることを優先したのです。
「あぁ・・・」
鼻をぶつけてしまったご自分の失態に動揺と羞恥心をはり合わせたような声の鮫島社長に好感は持てる。
「深山はお前か」
確認しなくても直ぐにわかると思いますが・・・
確認というよりはすでに威圧的なオーラーがあたりを包みこむ。
「初めまして・・・って感じじゃないですね。
鏡を見てるみたいだ」
代表とは対照的に穏やかな微笑みを深山は浮かべた。
小説ならそう一文が添えられそうな場面。
「こいつが迷惑かけたな」
そう言いながら代表は前に出て自分の後ろにつくし様を隠す。
「別に迷惑はかけられてませんよ」
代表の後ろで必死で首を伸ばしながらつくし様が飛び跳ねる。
身体を横にずらそうとしてもずれないように腕を後ろに回して修正を図る坊ちゃん。
見るんじゃねぇ。
そんな代表の意思が垣間見えて心の中でため息をこぼす。
今更み見る、見ないは大したことじゃないと思える。
「本当にそっくりだなぁ」
感心したようにようにつぶやいたのは代表に動じない深山弁護士。
「似てねぇよ」
たぶんここにいる全員が激しく代表を否定すると思います。
「俺と勘違いしてこいつにポッとなってたなんて言うなよな」
背中にいるつくし様に向けた代表の声。
「突然見たら道明寺って思ってびっくりしたのは認めるけどポッとはなってない。
それに仕事で忙しすぎる道明寺が悪いと思う」
「それを、お前が言うのか?」
ジロリと向きを変えた代表の表情が不機嫌に変わったのが私にも見えた。
「新婚でいきなり別居になった経緯を忘れたわけじゃねぇよな」
つくし様の司法修習研修の案内が届いたのは結婚式の翌日だったと私も記憶してます。
それからすぐに別居状態となりつくし様は司法修習へ・・・
そんなつくし様のもとに代表が我慢できずに忍び込んだのがつい昨日のことのように思いだされます。
あのころはどれだけ私が奮闘したことかはまだ記憶に新しい。
つくし様の素性を隠すことから始まって研修仲間の選択。
松岡公平は一番信頼がおける男でした。
代表の嫉妬心にも動じない男気。
そして大事なのはこと恋愛感情には疎いつくし様ということ。
いまだに松岡公平がつくし様に好意を寄せてることに本人は気が付いてない鈍感さ。
「今は、修習も終わって一緒に暮らしてるんだから今さらそれを持ちだす必要はないでしょう」
代表の陰のオーラに負けない陽のオーラのつくし様。
ここしばらく代表の出張が多いのは私がわざとやってるわけじゃありません!
といいたい。
下手をしたら私のほうに矛先が向けられる危険を感知している。
「俺に似てるだけの男に色目使うなって言ってんだよ」
「誰がいつ色目使ったのよ」
つくし様が男に色目を使う・・・
代表・・・
申し訳ないですが・・・
私には想像できません・・・。
「ここは、落ち着いて飴でも食べます?」
代表とつくし様の間に差し出された深山弁護士の手のひらの上で「TOUGARASI」と印字された飴が転がる。
「いらねぇ」
吐き捨てるように速攻で反応した代表。
その声にも動じずに飴は深山弁護士の手の平の上のまま。
「それじゃ僕が」
鮫島社長の腕がスーと伸びて飴をつかむ。
「辛いっ」
ポンと口にいれて顔をしかめた。
飴の包装に書かれた唐辛子の絵を見れば辛いのは想像できる。
「ぷっ」
声を吹だしたのは松岡公平。
このタイミングしかないという絶妙さで冷ややかな場の空気が解放された。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
この対面これくらいじゃ終わらないでしょうね。
どこに司の爆弾スイッチが転がってるかわからないですからね。
冒頭の西田さんの表現、スーパーマンはなんとなくわかるけどスーパーサイヤ人知ってるんかいと自分で書いて突っ込み入れていました。
私の中の閃光この二人しか浮かばなかったんですよね。(;^ω^)
面白いと言っていただきうれしいなぁ。
色目を使うつくしちゃん是非一度お目にかかりたいものです。
りり 様
全員勢ぞろいのこのお話・・・
本当にどう収めればいいすか?
難問なのよ~。