戯れの恋は愛に揺れる  24

お久しぶりのPW付のお話いかがでしたでしょうか?

湯殿でGO♪

PWまではねと申請に悩んでするご訪問者の方に追記前のお話を公開させていただきます。

熱が・・・

籠る・・・

湯殿の中の温度はいつもより高いと司は感じていた。

それがどうしてなのかはすでに司は気が付いている。

自分を拗ねたように見つめるつくしにこみあげる感情はこれ以上のものはないと思ううれしさを司の胸の奥に湧きだたせた。

つくしの顔を自分に向かせるように司の指先がほっそりとした顎を上に持ちあげた。

「お前に会えば、自分が抑えられなくなるとわかっていた。

欲望のままに動くのはお前のために避けたかったんだぞ」

司の言う欲望が何を意味するのか理解するようにつくしの頬がほんのりと色づく。

潤んだ様に自分を見つめるつくしの瞳を司が覗き込む。

「無邪気に笑う顔も、俺を呼ぶ声も、俺を見つめる暖かいまなざしも、お前のすべてが好きだ。

だからこのまま・・・」

固い胸板の奥からドクンと響く心音はつくしの手のひらをつき上げるように激しく動いてるのがわかる。

ピクッと離れようとした衝動は直ぐ様司に伝わって握られたままの手首を引くように司が動いた。

湯船の中に落ちそうなつくしの身体を支える司の胸につくしの頬が触れる。

揺らいだお湯がさらりと滑り落ちる肌。

密着した互いの肌に熱が籠る。

「許せ」

小さくつぶやいた唇は待ち焦がれたようにつくしの唇と重なった。

「んっ・・・・」

司は愛おしげにつくしの頭を抱くと角度に変化をつけて口づけを深めてくる。

涼やかでどこか艶のある香りがつくしの鼻先をかすめる。

司から香る香りにつくしの身体に熱を感じる。

司以上につくしは自分の胸の高鳴りを感じてしまっている。

息の仕方さえ忘れてしまいそうな口づけ。

胸の苦しさにつくしは司の胸元を押し返そうとするが自分を抱く司の胸はびくとも動かず、唇を解放してくれそうもない。

つくしを腕の中に囲い込んだままやんわりと束縛してくる司からつくしは逃れるすべをなくしてしまっていた。

 

「んっ・・・」

寝返りをうとうとした身体は身動きがとれないままにつくしはうっすらと目を開けた。

ぼやける瞳が捉えたのははだけた胸元の艶やかな肌色。

そして人肌の温もりが自分を離さないというように頬に押しあてられる。

私・・・

湯殿にいて・・・

沐浴中で・・・・

自分を抱きしめてる相手が誰なのか・・・

そしてあの後・・・

湯殿の中で繰り広げられた痴態。

それでも今の体勢は気恥ずかしい。

その上、顔が近すぎて、規則的な寝息がつくしの頬を揺らす。

少し身体を動かすだけでも司の手が髪を撫でるように動く。

つくしが動くたびに親密度が深くなるに司が意識して動いてるしかつくしには思えない。

まるで体中に熱い血液を送りだすように心臓が大きな音を立ててつくしの胸元を押し上げる。

「やっと起きたか?」

今にも額が触れそうな距離に漆黒の瞳がつくしを覗き込む。

司はけだるそうな声でつぶやくとつくしを抱きしめた。

「皇子・・・あの・・・」

記憶が曖昧、つくしは自分が今なぜ司と一緒に寝所で横たわっているのか思いだせない。

脱がされたしまった寝衣。

裸体のままで絡み合っていたのは湯殿の中。

夢中でしがみついたはずの大きな背中も今は白い寝衣に包まれて自分を抱く。

「二人の時は、司でいい」

不服そうな表情を瞳に浮かべた司がつくしを見つめる。

「そうじゃなくて、どうしてここに?」

「心配するな、俺が気を失ったお前を運んだだけだ」

つくしから離れた腕はそのまま肘を布団の上につき、その手のひらの上に頭を載せる。

「湯殿から、寝所まで誰も近づかせてないから」

それでも二人の間に何が起こっていたのか女官たちが気が付いていないはずはない。

「婚礼もまだなのに・・・」

気まずさと気恥ずかしさでつくしの熱は更に上がってしまう。

「それなら、すぐに婚礼を上げればいい」

つくしの横に身体を横たえたまま横臥位となる。

かすかに離れてできた隙間に熱い熱はまだこもったままだ。

「そんな簡単に式が上げられるわけないでしょう」

一国の世継ぎの皇子の婚礼なのだ。

貴族の婚礼でさへいろいろな仕来りを行って早くと嫁ぐまで数か月は必要とされる。

明日にでもと言いだしそうな素振りを見せる司の考えが無謀なのの誰が見ても明らかなのだ。

今日の禊の後の儀式も司によつて中断され延期されたはずだ。

婚礼が延びることはあっても早まる可能性は低いとつくしには思える。

「俺はお前が俺のそばにいるなら婚礼なんて関係ないがな」

にんまりと人の悪い微笑みを司がつくしに見せる。

今日から俺はお前と一緒に寝ることにした」

え?

司の声に慌ててつくしは身を起こして部屋を見渡す。

いわれてみれば今二人のいる部屋はつくしに東宮妃として与えられた広々とした南向きの部屋だ。

「お前が先に気を失ったせいで俺は満足してない」

コツンと額を押し付けてきた司は拗ねたように唇を尖らせる。

気を失う前に感じた激しくて、雄々しくて、何も考えられなくなるほどに夢中にさせた司が今は少年のように思える。

「何、笑ってる?」

「ごめんなさい」

謝りながらもつくしの口元は自然とほころんでしまう。

「だから、どうして笑ってるのか俺にわかるように話せ」

命令口調で拗ねたように口を尖らせるからいつもの皇子の威厳は全く感じられない。

甘えてられてるようで、自分が愛されていると感じられる。

それが嬉しくて・・・

嬉しくて・・・

ただ嬉しくて・・・

そのうれしさが心をキュッと締め付ける。

司が好き過ぎて・・・

好き過ぎて・・・

そばにいることが幸せで泣きたいくらいうれしいとどう説明すればいいのかつくしにもわからない。

「わかった、次からはお前が気を失っても、俺は気にせず勝手に満足するまでお前を堪能させてもらう」

「そっ・・・そんなのダメッ!」

これ以上のことをされたら自分でもどうなるのかわからない。

つくしは本気であせってる顔を司に向ける。

「起きてればいいんだな?」

司の胸元を押し返そうとした腕の手首はすでに司の両手に囚われてしまっている。

そのまま押し倒された身体は寝所の上に落ちて重なった。

耳元に触れる司の甘い吐息と「つくし」と自分の名前を呼ぶ司の声がつくしの鼓膜を小さく揺らした。

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

おはようございます。

このままどこまでもいちゃこらのお話だけでお行けそうな感じがするする二人。

一波乱起こすかどうかは思案中。

話が終わらなくなっちゃいますからね。

でもまだこの皇子と姫の王朝絵巻続けたい気持ちがあるんですよね、(;^ω^)

yumi 様

このまま二人っきりで寝所にお籠もり♪

たぶんお邪魔虫が湧き出ると・・・(;^ω^)

婚儀まで一直線でいったらそれはそれで面白くないような気もします。